ヨウカイスレイヤー第一話「コウマカン炎上」#4

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YOUKAISLAYER @YKSLYR

「ブルズアイ!」マリサは叫びながら、星形のダンマクを投擲!「イ、イヤーッ!」パチュリーもダンマクを繰り出す!これはエメラルド・メガリス!複数属性のマホウを融合させた上級ジツだ!激しくぶつかり合い互いに消滅するダンマク!「このまま……押し切る!」「そいつは無理だぜ!イヤーッ!」25

2012-06-23 18:26:52
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にやりと笑い、ハッケ・コンバーターを構えるマリサ。しかしマスタースパークは使えない。では何が?「イヤーッ!」ハッケ・コンバーターから放たれたのは、徐々に拡散してゆく4本のレーザー光線!「これは!!」そう、パチュリーが先ほど放ったものに他ならない!26

2012-06-23 19:20:01
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タカギ・マリサは人間であり、またヨウカイスレイヤーのような強力なジツを持たぬ、ただのマホウ使いである。それゆえに彼女が編み出したのがこのアクイジション・ジツだ。見たダンマクを自分のものにする、利己的なジツである。マスタースパークもこのジツによって自分のものとしたのだ。27

2012-06-23 19:27:16
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「私のノンディレクショナル・レーザー!……イヤーッ!」パチュリーもノンディレクショナル・レーザーを打ち返す!KABOOOOOM!レーザーが互いに衝突!しかし本物には及ばないのか!パチュリーのレーザーがマリサのレーザーを掻き消し、エメラルド・メガリスとともにマリサに向かう!28

2012-06-23 19:38:10
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「うおっ、これで無理だとなるとヤバイぜ……今度こそ万事休すか……?」マリサは小さく悲鳴を上げ、目をつぶった。……しかし、いくらたってもレーザーもダンマクも来ない。「オゴーッ!」「……ん?」マリサが目を開けると、そこにはうつ伏せに倒れ、吐血し痙攣するパチュリーの姿!29

2012-06-23 19:47:42
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「オイオイオイ!やっぱり無茶してたんじゃねェか!全く」「オゴッ、アバーッ!」激しく吐血!「……やれやれ」マリサは辺りを見回す。そして、『古代ローマダンマク全集』と表紙に書かれた本の間から薬を発見し、これを飲ませた。「アイエエエ……」「喋らない方がいいぜ」マリサは優しく言った。30

2012-06-23 19:53:35
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「喘息に貧血か。血中マホウの過剰消費も問題だな。ビタミンAが足りてないんじゃないか?」「ゲホ、ゲホーッ……」倒されずに残っていたコアクマたちもパチュリーのもとに駆け寄り、必死で看病を行う。「こぁー!こぁー!」「……何言ってるかさっぱりだぜ」肩をすくめる仕草をするマリサ。31

2012-06-23 19:58:28
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「……すまぬ、マリサ。私は生まれつき体が弱い。持病なのだ」「いいんだ気にするなって。私はアンタ達をを殺すために来たわけじゃあない。病人を助けるのは当たり前だろ」「マリサ……」「だから……エー、借りていってもいいか?本」「……今回だけよ」「じゃあ……私が死ぬまで借りていくぜ!」32

2012-06-23 20:06:53
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「……!バカ!ヤメテ!」「恩は確かに返してもらったぜ!じゃあ、オタッシャデー!」手当たり次第に本を袋に詰めると、マリサは嵐のように去っていった。「……んもう」残されたパチュリーは呟き、顔を赤らめた。その顔は喘息による苦しみのない、春めいた爽やかさを感じさせるものとなっていた。33

2012-06-23 20:22:26
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ヨウカイスレイヤー・第一話「コウマカン炎上」#4終わり #5に続く

2012-06-23 20:24:38