アニメ脚本家・面出明美氏の「今日のプチ講座」まとめ
その4。アキラは振り返らず、部屋を出た。 それが、自分の心を押さえつけ、無理をしてでも送り出してくれた親友に対する礼儀だった。 カズヤは、きっとこの後、声も出さずに泣くのだろう。その姿を誰にも見られないように。
2012-10-09 03:40:02という感じなのですが、違いがわかってもらえるでしょうか?とにかく、アニメ脚本はシンプルさが大事。ドラマCDは、音が入るところはわかるように書く(靴音とか。SEと頭に書いておくこともある)。台詞も長めに。小説は、ト書き部分も重要。文章全体に情感を入れるなど。
2012-10-09 03:43:07わかっていても、アニメ脚本書いていて小説、または逆を続けて書こうとすると、こんがらがる。文章の組み立てからして、まったく別物なので、別の脳で考えてる感じ。
2012-10-09 03:52:47ちなみに今書いた例文、200字詰めで6,7枚程度かと思いますが、1発書き&所要時間15分くらいです。こんなの書いてる間に仕事しろって、言われる~w
2012-10-09 03:56:06今日のプチ講座:時間と空間
今日のプチ講座。時間と空間。脚本を書く時に、物語内での時間経過に気をつけること。時計をわざわざ描写したりしない(ミステリなどは除いて)ので、キャラが動いている時間はわからないかもしれないが、書く方は、これは午前の話、とかだいたいは決めている。
2012-08-23 23:18:03それによって、食事のシーンを入れたり夕方の背景にしたり目が覚めたシーンを入れれるからだ。そして、そこから物語内で事件が起きたりして時間が流れていくのだが、その事件が長すぎるのに時間がほとんど経過せず、夜にもならない、となるとなんとなく違和感が出てきてしまう。
2012-08-23 23:21:06よくあるのが、先にキャラAがその場から駆け出す→かなり遅れてキャラBも行く→到着がほぼ同時、とか。いつ追いついたのか、視聴者に疑問を持たれてしまう。同じように、広い場所だと思われるような描き方をしていたのに、すごく狭く見えるような展開をしてしまう(すぐに人が見つかるとか)のも注意
2012-08-23 23:26:03時間に関して、最もやってはいけないのは、「回想の中の回想」。文字通り、回想中に更に回想シーンを入れることだ。時間軸がどうなっているんだ!?という最大のタブーです。…が、1回だけ私も書いたことがある。原作がそうだったから仕方なかったのだが。
2012-08-23 23:29:38今日のプチ講座:世界観の構築
今日のプチ講座。世界観の構築。オリジナルで物語を作る時の設定は、自由ではあるが、自由すぎると無秩序になる。そのため、「枠」を作ることから始める。つまり、その物語世界で、出来ることと出来ないことを明確に提示すること。
2012-09-21 04:19:42現代風世界観に、魔法を使う術士がいるとする。だが、この術士がなぜ魔法を使えるのか、どういったものが使えるのか、を視聴者にきちんと見せなければ荒唐無稽になりすぎる。ミステリかと思ったら、テレポートできる超能力者がいて、そいつが犯人、とか説明なしにやられたら、見ている方は怒る。
2012-09-21 04:23:48格闘ものなどだと、必殺技が無制限に使えては、緊迫感がなくなる。ある程度、そういう限界を提示しておくことで、緊迫感や葛藤などのドラマも生まれてくるのだ。
2012-09-21 04:25:24今日のプチ講座:ワンシーンの長さ
今日のプチ講座。ワンシーンの長さ。□で柱をたてた場面の数は多すぎるとシーンがころころ変わりすぎ、少なすぎると、ずっと同じ画面が続くことになる。作品の傾向によるが、前半後半で10シーンづつくらいが平均的かなと思う。
2012-09-12 00:16:511シーン自体の長さにも長短をつけることで物語の緩急をつけることも出来る。特殊なシーン、例えば演説とか部屋の中だけで展開するとかの場合、ずっと話しているだけだと画面的にかなりつらいので、なるべくやらない方がいいのだが、やる時はかなり演出に頼ることになる。
2012-09-12 00:19:16いわゆるカメラ長回し状態をアニメでやるのは、本当に演出次第だが、脚本的にメリハリをつけるとしたら、途中に別のシーンを挟み込む。部屋の中なら、なんでもない庭のシーンを挟むとか。まったく別人物が今、何をしているのかを入れる。ダラダラしたシーンにならないようアクセントとして。
2012-09-12 00:22:40今日のプチ講座:1つの作品で、なぜ脚本家が複数必要なのか?
今日のプチ講座。1つの作品で、なぜ脚本家が複数必要なのか?1人で書けばいいじゃないか、実写ドラマはそうなのだから、とよく言われますが、それはアニメのシステムとスケジュール上、とても難しいことなのです。
2012-08-20 23:09:58アニメの企画にゴーサインが出て、放映までの期間は、半年くらいあればいい方で、ひどい時には3ヶ月だったりすることもあります。これはテレビの性質上、ギリギリにならないと枠が決まらなかったりするので、どうしようもありません。そして、放送というのは毎週あるわけです。
2012-08-20 23:12:29前にも呟きましたが、1話分の脚本がプロットから初稿、直しを経て、決定稿になるには1ヶ月かかります。しかし、1ヶ月の放送話数は4本または5本です。1人で書いていたのでは、どうやっても間に合わない。そこで、4人1組(作品により5人とか3人のこともある)で脚本家チームがローテを組む。
2012-08-20 23:15:32そうして、1ヶ月分の脚本をあげていくわけです。稀に、全話数を1人で書ききる方もいますが、その人が速筆であること、放映までのスケジュールに余裕があること、企画自体が早くに決定している、などのことがなければできないことだと思います。
2012-08-20 23:18:10私が1人でシリーズ全話を書いたのは「マイネリーベ」2期だけですが、あれは1クールの上、制作時間に多少の余裕があったこととシリーズ2作目でキャラ作りはすでに出来上がっていたから可能だったことです。それでも、かなりきつかった…。
2012-08-20 23:20:24あと、私が1人で書くより複数で書くことがいいと思うのは、他の方が書く脚本に刺激を受けることができる点です。「このキャラはこういう考え方も出来るのか」「こういう展開もありか」など、一人では出て来ない多角的な視点を作品に取り入れられ、盛り上がっていける。これは、かなり大切なことです。
2012-08-20 23:23:23ただ、やはり全員の方向性がバラバラになったのでは、作品が空中分解しかねないので、シリーズ構成がきちんとまとめないといけないと思います。
2012-08-20 23:27:11