書面や答案で意識すべきこと

パターン化した書面や答案はダメで、自分の言葉で書けという指導がされることがあります。指導する側と指導を受ける側で意識すべきことやそのギャップを埋めるツイートをまとめてみました。
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弁護士中所克博 @K_Nakajo

近ごろ連続で準備書面を書いている。しかし、どれも目的が違うからタイプも当然違う。例えば、主張全体の再整理、個別争点の掘り下げ、新たな法律構成の追加、尋問への評価、裁判所求釈明への応答など。準備書面に決まった型などない。提出目的に沿い明瞭なのが良い書面だと思う。

2012-06-28 10:09:37
弁護士中所克博 @K_Nakajo

教官在任中,多くの修習生から準備書面は型がないので民弁は苦手と言われた。だがその姿勢は間違っている。先に型(箱)なるものを想定して思考の産物をその型にはめ込もうとイメージした瞬間,思考は停止し,背骨は見えず,論理は停滞し,自己矛盾さえ犯し,説得力が消え失せる。パターン化の末路だ。

2012-06-28 11:12:16
弁護士中所克博 @K_Nakajo

裁判官を説得する目的で書面を提出するのなら,ごく普通の裁判官の思考方法にシンクロさせるのが最も効果的。証拠群から導かれる事実群の意味と価値を平易に説明し,その事実群が自らの主張の正当性を示していることを,骨太の骨格と繊細な各部論証の双方に配慮しながら淀みなくアピールする。

2012-06-28 11:23:57
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

というパターン的思考。RT @K_Nakajo: 教官在任中,多くの修習生から準備書面は型がないので民弁は苦手と言われた。だがその姿勢は間違っている。先に型(箱)なるものを想定して思考の産物をその型にはめ込もうとイメージした瞬間,思考は停止し,背骨は見えず,論理は停滞し,自己矛盾

2012-06-28 12:03:36
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

まあパターンという言葉の使い方が違うのでしょう。

2012-06-28 12:06:01
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

何ら制約のない自由から素晴らしい何かが生まれるなどという幻想は早く捨てた方がいいですよね。

2012-06-28 12:07:29
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

「自分の頭で考えることが大事」って言う人ほど自分の頭で考えてない。「パターン化は思考停止」と言う人ほど思考が停止してる。

2012-06-28 12:13:18
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

すでにできる人ほど無意識でいろんなパターンを使いこなしてるのに、「パターンはダメ」とかいう。すべての学習はまずパターンの認識から始まるのにね。パターンから始めずにいきなり「自分の頭で自由に考えろ」というのは、基本をすっ飛ばしていきなり応用から始めてるのと同じことですよ。

2012-06-28 12:24:05
DJあすか @kiwi250r

論点ずれてないか。教官は何もセオリーの否定も自由作文の推奨もしていないと思われるのだが。

2012-06-28 12:36:48
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

日本には数百年前から「守破離」という学習過程を完璧に表現した言葉があるのだが、できる人ほど「守」ができてるから教える時にすっ飛ばす。するとすっ飛ばしてもついて来られる一部だけがついてきてあとは脱落。そして教師は「自分のやり方は正しいし、脱落するのは自己責任」と考えるようになる。

2012-06-28 12:38:51
DJあすか @kiwi250r

自分で考えることを推奨する人の中でセオリーや型の意義を否定したり、自由作文推奨しているような人は見たことないけどな。

2012-06-28 12:39:47
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

それがいわゆる「悪い」パターン思考ですね。RT @itokenlaw: パターンの意味と使いどころを考えてくれればいいのですが。何も考えずに無理にパターンを使うから困っちゃう。 RT @igaki: すでにできる人ほど無意識でいろんなパターンを使いこなしてるのに、「パターンはダメ

2012-06-28 12:47:44
DJあすか @kiwi250r

言いたいことの根っこは共通していると思われるので不毛な議論ですね。終了。

2012-06-28 12:48:53
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

パターンの使い方が間違ってるからといってパターンそのものを否定してしまうのは、釘を打つ金槌の使い方が悪いといって金槌を取り上げるのと同じ。使い方が間違ってるなら、正しい使い方を教え、反復して内面化する機会を与えないといけない。

2012-06-28 12:50:58
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

結果を出せる人が人に教えるのが上手かというとそうでもないし、その逆もまたしかりかと。RT @l_taro: @igaki 全く同意。このツイートをするきっかけになったであろう元ツイートを読んだ時に、優秀な方なんだろうけど、指導者には向いてないなぁ、と思ってしまった。

2012-06-28 13:07:03
@Utastm

初学者に、いきなり自分の言葉で書けという指導とかしている人は信用できない。ある程度条文解釈・判例規範を押さえている人に、未知の問題が出たときは、制度趣旨から遡って自分の言葉で思考過程を書いてみよ、というのならわかるけど。

2012-06-28 13:19:01
@Utastm

あてはめの場合も「自分の言葉で書く」とは、事実を法的に評価して要件にあてはめるということだろう。法的に評価するとは、ある事実について、制度趣旨や保護法益(刑法の場合)を踏まえた上で、要件に該当することを説明することだろうと思う。

2012-06-28 13:25:14
受験王 @juken_law

よく答案作成において「自分の言葉で書け」という指摘をする方がいます。ただこれは、定義、趣旨などの基本を正確に「暗記」して十分理解した上で初めてなし得る高等技術です。まず基本を押さえ、判例などで要件効果の使い方、当てはめの仕方を真似る。これが初学者の初めにすべきことでしょう。

2012-06-28 19:42:03
受験王 @juken_law

こういうご指摘は、たぶん人生で自説を布教することをお仕事としている分野の方の生き方が反映されているのかと思われます。ですが、実務家の使う法律や判例は、人によって異なるわけではありません。以前も言いましたが法律要件等の意味は人によって変わってはいけません。

2012-06-28 19:48:38
受験王 @juken_law

実務家が「条文が重要!」というのもこの趣旨でしょう。条文の意味するところ、文言の定義、制度趣旨等は実務家の共通認識です。自分の言葉で説明するということは別にオリジナリティを発揮しろということではないことを覚えておきましょう。

2012-06-28 19:53:00
受験王 @juken_law

条文だけでは論じられない分野があります。それが憲法や行政法です。ただ、基本は同じで、判例で確立した法理論や権利を正確に理解することが先決です。憲法は条文にない自由権を観念することも必要になりますが、ここでもそもそも「自由」や「権利」の意味を通説に従って押さえることが先決です。

2012-06-28 19:58:10
受験王 @juken_law

要するに、実務家が使うような当たり前の基本的な条文や判例、学説(通説)を押さえて、答案作成も判例等を真似ることが有効な試験対策であり、同時に実務家の素養を培うものです。真似ることを積極的に行いましょう。ただ、間違ったものを真似るとダメなので、まずは基本を正確に!

2012-06-28 20:08:13
受験王 @juken_law

当てはめにおいても何でも思ったことを書けばいいというわけではありません。絶対的制約として、要件の意義に反する当てはめはできません。また、事実の評価も経験則に反するようなものであっては評価されません。刑事民事問わず事実認定は経験則に従ってなされます。無制約の自由心証ではありません。

2012-06-28 20:15:03
受験王 @juken_law

ですので、無制約に「当てはめは自由に書けばいい」というのは誤りといえます。自分の言葉で書くことはもちろん結構ですが、以上のような当たり前の制約を忘れるとおかしな当てはめになってしまいます。そういう失敗をしないためにも、定義や趣旨が重要です。答案上の経験則は生き様ですね(笑)。

2012-06-28 20:19:28
受験王 @juken_law

以上はごく当たり前のことなのですが、答案作成の注意点としてはあまり指摘されていないのかもしれません。当てはめが苦手という方は右往左往せず、基本を確認して、結論ありきの思考ではなく、事実を直視して経験則に照らして当てはめをする訓練をしましょう。この点においても判例が参考になります。

2012-06-28 20:22:49