学研まんが人物日本史シリーズの思い出~11年の時を越えて読み直す~
約11年ぶりの作品評。8作は昨日では読んだことない、記憶に残ってないような事しか言っていない作品です。
2012-07-08 21:24:51【紫式部】……さかぐち先生の作品の中では凡庸かも。ただしつまらない訳ではなく、さかぐち先生の絵も必要以上に少女マンガすぎるわけでもなく、素直に画力のレベルに感心してしまう。
2012-07-08 21:29:13あと、既に宮中を去っていた清少納言と紫式部との絡みも間接的にあった事を知り、意外と彰子さんは道長と険悪な関係になっていった事までは知らなかった。
2012-07-08 21:30:02【平清盛】……覚えていないのではなく、多分1回も読んだ事がなかった。これについては同じ田中正雄先生の源頼朝と読み比べると田中先生の苦労が良く分かる。
2012-07-08 21:31:07主人公を善人に描く田中正雄先生の作品では、後述するが頼朝も一応善人に書かれており、平清盛は悪役の様な外見で描かれている。
2012-07-08 21:31:53だが、頼朝の後に清盛が発売されるのはともかく、同じ作者になるとはだれが思った事だろうか。田中先生の作風もあり、同じ絵柄の源平の戦いながら、両サイドを正当化して描くという面白いシチュエーションが見られる。
2012-07-08 21:33:30源頼朝では平清盛は晩年の姿で登場する悪役だが、平清盛では源頼朝は自分の情けを仇で返す恩知らずとしても描かれているのである。
2012-07-08 21:35:38平清盛に関しては、頼朝と比べると凡庸な出来かもしれない。だが英傑だった清盛が重盛の死により権力に固執していく亡者へ突っ走って行く姿はソフトながらもしっかり描けていたはずである。
2012-07-08 21:37:38【源頼朝】……頼朝の晩年が描かれないことに関しては物足りないかもしれない。(奥州藤原氏征伐・鎌倉幕府の説明があって終わり)だが、頼朝を善人として書こうとしている苦労が伝わる良作でもある。
2012-07-08 21:38:48人物日本史の頼朝は後白河法皇の策略と梶原親子の讒言に踊らされる人物として描かれ、内心では弟思いである。義経の最期は泰衡が独断で裏切ったようなものであり、頼朝は勅命を受けながらも様子を見ることを選んでいた。
2012-07-08 21:44:45やはり、義経の方が頼朝より人気がある事は言うまでもない。だが、悪役と見なされやすい彼を善人として描こうとしている作品も30年以上前に存在していたと考えれば大きいだろう。
2012-07-08 21:46:41田中先生に限らず主人公を善人として描く作品は多い。その中には足利尊氏、淀君、大久保利通など悪人として扱われやすい人物も陽の部分をしっかり意識していたのである。
2012-07-08 21:47:52また・オリキャラごんべえは武士になる為に頼朝・義経のどちらにも味方する美味しいキャラとして登場し、彼の意外とフリーダムなギャグも見逃せない。田中先生もなかなかギャグが上手な方である。
2012-07-08 21:51:03源頼朝を良識的に描く中でも、避けられなかった兄弟同士の争いはごんべえを通してやはり愚かであることも描写されている。「武士になんかになるの、やーめた」は田中先生のメッセージではないだろうかと。
2012-07-08 21:52:23【北条時宗】……オーソドックスな出来だが十分面白い。やはりオリキャラの友人・大五郎&小次郎の存在が大きいだろう。
2012-07-08 21:53:39なつかしい。確か江戸時代後期。吉宗の時代から黒船登場までの作品だったかなと。明治維新については福田三郎先生担当の明治時代前編で描写されてたっけ。<RT
2012-07-08 21:54:52これに関しては時宗は執権と実質将軍だが、前線で戦わないポジなのでアクション要素は弱いかもしれない。その欠点を前線で戦う小次郎&大五郎コンビがしっかり補ってくれていると言おうか。
2012-07-08 21:55:59個人的には「二度も嵐が来たとは幸運」とのシーン、シリアスキャラの時宗が泣きながら笑っているコマが印象的。元寇が残した鎌倉幕府の暗雲から時宗の死は僅か2ページ半しかなかったが、なんとか手堅く纏めている。
2012-07-08 21:57:44伊藤章夫さんはオリキャラの使い方が上手。そして北条時宗や信玄&謙信の様に暗い未来を予感させる締めが哀愁があって尚更良いのだと思う。
2012-07-08 21:59:29【淀君】……今回、一番読みたかった作品である。昨年の大河ドラマの関係もあり、絶版故に現在では5000円程とプレミアがついているようである。
2012-07-08 22:03:21まともに読んだ事は初めてだが、繊細な絵柄ももちろん、淀を取り巻く人間関係もしっかり描き、彼女を悪女として扱わず、我が子を守ろうとする一人の母、悲劇の姫君として扱われている。
2012-07-08 22:06:01三姉妹の描写もしっかり描かれており、秀忠の妻故に末期では険悪なおごうとの関係、淀対徳川家の中で和睦に奔走するお初と妹二人の存在感も十分。おごうに関しては自分の結婚は不幸だと中盤まで言及されている点もよし。
2012-07-08 22:07:59淀君での悪役は家康と北政所だろう。三成については秀次を切腹させたきっかけを作った描写はあれど、関ヶ原での彼は清廉な人物として描かれ、秀頼も凛々しく熱い好青年になっている。ただ幸村についてはあまり描写されていない(笑)
2012-07-08 22:10:11