前野(@irobutsu)先生によるヒッグス粒子の授業
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ほんとはもっと大きい対称性なんですが、球対称の場合のアナロジーで言うと、地球が完全な球だとしたら、元々は「x軸回り、y軸回り、z軸回り」の3つの回転に対して対称。ところがここで誰か(ヒッグスさん)が「ここが北極点」と決めた(続く)@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 00:07:09「北極点」が決められたことによってその北極点を軸とする軸回りの回転はまだ不変だけど、それ以外の二つの回転に対しては不変でなくなる(その回転すると北極点が回っちゃうから)。「点」を一つ決めると1つの対称性が生き、残りは死ぬ(続く)@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 00:09:04同じことがヒッグスの真空期待値でも起こって、ヒッグスの真空期待値がどんな値だったかによって、その値を変化させる対称性(3つある)は「死んで」、一つの対称性が残る。どの対称性が生き残るかは、ヒッグスさん任せ(続く)@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 00:10:48で、生き残り対称性に関係するゲージ粒子である光子は質量がないまま、残りの3つは質量を得るということになります。どれが質量なしになるかは、ヒッグスがどんな真空期待値を持ったかで決まって、「たまたまこの宇宙ではこっちだった」といことに。@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 00:12:36こういう理解でよろしいでしょうか→「もともと真空期待値(ワインボトルの回転方向)の自由度が4種類あって、たまたま選ばれた自由度は生き残り(=光子?)、残る3つ(南部・ゴールドストン・ボソン)がW+、W-、Zに取り込まれて質量をもたらした」 @irobutsu
2012-07-09 00:35:18「選ばれた自由度が生き残り」のところを、「選ばれた真空期待値を変えないような変換の自由度だけが生き残り」にすると、OKだと思います。 @morikuni_net
2012-07-09 00:40:33元々の理論に4つの変換自由度があるので、真空期待値を選ぶときにも4つの自由度がある。しかし真空期待値を一個選んでしまうと、その選んでしまった真空期待値を変えないような変換だけが生き残り、それに対応する光子だけが質量0のまま。@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 00:42:21「対応する」てのがよく判らないんですが、選ばれなかった3つはW+、W-、Zに取り込まれて各々の新たな1自由度となり質量をもたらしたが、選ばれた1つは光子と「対応する」が結合はしない。彼はいま何をやってるんでしょうか? @irobutsu それに対応する光子だけが質量0のまま
2012-07-09 01:00:13ゲージ変換には変換ごとにゲージ粒子が対応します。この場合「選んだ」のは真空期待値で、さっきの地球の例で言うと「北極」。北極を選んだ結果、2つの回転自由度が死ぬわけですが、死ぬのは「選ばれなかったもの」じゃなくて、「選ばれたものを変える変換」です。@morikuni_net
2012-07-09 01:05:15つまり、「選ばれた真空期待値」を変える変換のゲージ粒子は重くなってしまうが、「選ばれた真空期待値」を変えない変換のゲージ粒子の質量0のまま。で、選ばれた真空期待値の上に起こる振動(さざ波)は今ヒッグス粒子になってます。@irobutsu @morikuni_net
2012-07-09 01:09:13なるほど、まさにヒッグス粒子が光子に対応してるんですね。しかし、なんであんな大掛かりな実験でないと観測できないんでしょうか?どこにでもあるはずなのに RT @irobutsu 選ばれた真空期待値の上に起こる振動(さざ波)は今ヒッグス粒子になってます
2012-07-09 01:16:46う〜ん、ヒッグス粒子が光子に対応しているってのは変だなぁ。ヒッグス場とゲージ粒子は1対1対応しているとはいえなくて、1対1対応しているのは「対称性」と「ゲージ粒子」なので。RT @morikuni_net :なるほど、まさにヒッグス粒子が光子に対応してるんですね。
2012-07-09 01:21:05そこはそれ、前にも話したようにヒッグス粒子に対応するバネはバネ定数大きくて、ヒッグスの質量が重〜〜〜〜いからですよ。 RT @morikuni_net :【略】しかし、なんであんな大掛かりな実験でないと観測できないんでしょうか?どこにでもあるはずなのに
2012-07-09 01:22:24『ゲージ粒子が「食わない」場合は回転方向は質量のない粒子になる、それが南部・ゴールドストン・ボソン』なんですよね。この食われなかった自由度がヒッグス粒子ということではないのでしょうか? @irobutsu: う〜ん、ヒッグス粒子が光子に対応しているってのは変だなぁ…
2012-07-09 01:27:46ええ、そこはいいんですが、光子は「真空期待値の方向」じゃなくて、「真空期待値を変えない方向」なので、ちょっとだけ「対応」がずれているな、と。RT @morikuni_net :【略】この食われなかった自由度がヒッグス粒子ということではないのでしょうか?
2012-07-09 01:31:34そこは「真空期待値を変えない変換」を軸性ベクトルとして考えれば真空期待値とこのベクトルの方向は一致するので問題ないように思われます @irobutsu 光子は「真空期待値の方向」じゃなくて、「真空期待値を変えない方向」なので、ちょっとだけ「対応」がずれているな、と
2012-07-09 21:36:05僕の誤解かも知れませんが、ヒッグス粒子は質量を生まない回転方向じゃなく半径方向の自由度に対応してると言うことですか?それならヒッグスが質量を持つのもわかる気がします @irobutsu ヒッグス粒子に対応するバネはバネ定数大きくて、ヒッグスの質量が重〜〜〜〜いからですよ
2012-07-09 21:37:51そっちです! RT @morikuni_net: 僕の誤解かも知れませんが、ヒッグス粒子は質量を生まない回転方向じゃなく半径方向の自由度に対応してると言うことですか?それならヒッグスが質量を持つのもわかる気がします @色 ヒッグス粒子に対応するバネはバネ定数大[略]
2012-07-09 21:42:55なるほど。とすると、ヒッグス(半径方向)と南部・ゴールドストン・ボソン(回転方向)はもともと対称ではないので、これらの間で入れ替わると言うことはないということですね RT @irobutsu: そっちです!
2012-07-09 22:13:33あと質量に関連する質問ですが、WやZに取り込まれた自由度(質量をもたらす)は縦波に対応するという解説を見ましたが、一般に質量を持つ波(つまり周波数∝波数^2)は縦波のモードをもつということでしょうか?イメージが湧かないのですが @irobutsu
2012-07-09 22:16:22相対論的質量なので、質量は√(振動数^2-波数^2)です。あるいは振動数=√(波数^2+質量^2)。RT @morikuni_net: 【略】一般に質量を持つ波(つまり周波数∝波数^2)は縦波のモードをもつということでしょうか?イメージが湧かないのですが
2012-07-10 01:00:39質量0のゲージ粒子は、ベクトルだけど自由度2,質量有りのベクトル粒子は自由度3で、一個多い。ゲージ不変性があるということは、ゲージ粒子の成分のうち一つが「冗長成分」で物理的に意味がないということです。むしろ質量0だと自由度が減ると考えた方がいいかも。 @morikuni_net
2012-07-10 01:05:28どうしても古典的描像で考えちゃうんですが、光子等の自由度2は空間的に横波の振動方向ということでいいんですよね。それで質量に関係する第3の自由度は伝搬方向。ゲージ不変性があるとはある自由度xについてf(x+X)=f(x)ですよね。到達距離∞と関係がある? @irobutsu
2012-07-10 08:00:13これを最後の質問にしたいと思いますが、真空の相転移について以下の理解でよいかお尋ねします → 「エネルギー0の場合(ポテンシャルの原点)、静止してるのではなく零点振動している。エントロピーは最低ではないが、系として対称 (続く)」 @irobutsu
2012-07-10 08:18:18「場の各点の間に相互作用があると、よりエントロピーが小さくなる状態(共振状態)が最低エネルギーとなる。ただし対称性は破れる。これが真空期待値の状態」 @irobutsu
2012-07-10 08:19:20