「キョート・ヘル・オン・アース」破「ライジング・タイド」#7
「何をするの?やってみれば」「イヤーッ!」「ンアーッ!」"オーブ"はナンシーの右手小指を逆側に捻じ曲げ、折った。「こういう事だよ」オーブは言った。「り、理解……理解し……したわ」ナンシーはガクガクと震えた。そして再び睨みつけ、不敵に笑う。「……で、それがどうしたの。次は?」 48
2012-08-09 18:48:09「イヤーッ!」「ンアーッ!」"オーブ"はナンシーの右手薬指を逆側に捻じ曲げ、折った。「どんどんやるぞ」"オーブ"は言った。「とりあえず右手指を全部折って、次は手首。俺と同じにする」「あら素敵……せいぜい楽しんでね」 ナンシーは歪んだ笑いで応じた。 49
2012-08-09 18:57:12「このアマ!」「ンアーッ!」"オーブ"はナンシーを地面に叩きつけ、"ジャビー"を見た。"ジャビー"は頷き、親指を下向けて振った。オーブはナンシーを再び引きずり起こし、手首の無いほうの腕で再びナンシーの右手を抱えた。「イヤーッ!」そして中指を折った。「ンアーッ!」 50
2012-08-09 19:04:00「ハァーッ!……ハァーッ!ハァーッ!」ナンシーは嗚咽した。"オーブ"は抑揚のない声で言った。「次は人差し指だ」「ハァーッ……ハァーッ……」「それとも、吐く気になったか」「……!」「お前はムカつくから、吐いた後にもう一本、ボーナスをつける。次、行くぞ」 51
2012-08-09 19:15:38「言う……」ナンシーは弱々しく言った「言う……」「何をだ?」"オーブ"は人差し指を握った。「今朝食ったメシの事でも教えてくれるのか」「城外……仲間……」「仲間?仲間がどうかしたか?」「聞きたい事……あなた達の聞きたい事……」 52
2012-08-09 19:18:25「なら、とっとと話せ。ボーナス増やすぞ」「後ろ。あなたの後ろ」「オーブ!女は後回しだ!」"ジャビー"が叫んだ。「クソポータル野郎にトドメをさせ!」「トドメ?確かめたろ?衰弱死は爆発しねえし、実際、脈も、」「なら首を刎ねろ!」"ジャビー"は叫び、宙に開いた円形の大穴を警戒した!53
2012-08-09 19:27:02「え?」"オーブ"はポータルとディプロマットを交互に見た。ナンシーが腕からこぼれ、地面にうつ伏せに倒れた。「……え?」ディプロマットは……両手をかざしていた。ポータルに。そのまま、ゆっくりと立ち上がった。 54
2012-08-09 19:31:3701000100101011……具現化は一瞬であった。通り抜けてきたニンジャ存在は親指のサイバネ・ライターで葉巻に点火し、ひと吸いして捨てた。ガンメタルカラーの忍者装束。「この移動手段、稀有な体験だが……」二人のザイバツ・ニンジャに冷たい視線を放つ。「二度は御免蒙りたい」 55
2012-08-09 19:39:30「誰だ!」"オーブ"はカラテ警戒し、叫んだ。「イヤーッ!」"ジャビー"がバック転を繰り出し、その隣でカラテを構えた。「バカな。死んだと聞いている。ドラゴン・ユカノを確保し、そして」「俺は悲劇のたぐいとは無縁でな」ガンメタル装束のニンジャはゴギリゴギリと己の首関節を鳴らした。 56
2012-08-09 19:47:48「ドーモ……ジャバウォックです」「ブルーオーブです」二人のザイバツ・ニンジャは虚をつかれた怒りに燃えてアイサツした。「そんなら、これから悲劇を始めてやるよ!」「悪いが、他所をあたれ」ガンメタル装束のニンジャはアイサツを返した。「ドーモ。ブラックヘイズです」57
2012-08-09 19:57:33010111011……さらに一人。ブラックヘイズのすぐ側に、別のニンジャが具現化する。胸元の深く開いたニンジャ装束。長いストレート・プラチナブロンドの美女だ。「フェイタル=サンだと?」ジャバウォックが唖然と呟く。ブラックヘイズはしかめつらしく頷いた。「当然、そういう事だ」58
2012-08-09 20:09:44「ドーモ。フェイタルです。ジャバウォック=サンにブルーオーブ=サン、ご機嫌麗しう」フェイタルはアイサツした。ブラックヘイズは肩をすくめた。そしてあらためてザイバツ・ニンジャを見た。「貴様らに科す契約違反のペナルティは重いぞ。俺のようなフリーは、ナメられたら仕事にならん」 59
2012-08-09 20:19:10「ドーモ。フェイタルです。ジャバウォック=サンにブルーオーブ=サン、ご機嫌麗しう」フェイタルはアイサツした。ブラックヘイズは肩をすくめた。そしてあらためてザイバツ・ニンジャを見た。「貴様らに科す契約違反のペナルティは重いぞ。俺のようなフリーは、ナメられたら仕事にならん」59
2012-08-09 22:31:05「私も動機を語るか?ザイバツ・ニンジャども」フェイタルが睨んだ。「この私を咎めてみるか?ギルドへの裏切りと?」涼しい目の奥には、覗き込んだ者を実際殺すほどの底知れぬ怒りが煮えていた。口を歪めて笑い、装束をはだけた。豊かな胸がこぼれ出た。「お前ら二人には褒美にならんな」 60
2012-08-09 22:43:58したたるように美しい裸体は残念ながら一瞬の事、縄状の血管組織があっというまにそれを覆い、鋼鉄めいた筋肉が鎧っていく。第三、第四の目が眉の上に開くと、瞳は拡大して白目が失せた。鼻は猪めいて反り返り、犬歯が伸び、耳はロップイヤーウサギめいて垂れ、美しい髪は鬣に同化した。61
2012-08-09 22:51:29「ハーッ……」獣じみた息を吐き出し、凶暴でありながら知性を保った目がまばたいた。「イヤーッ!」ブルーオーブは大きく育てたカラテ・バブルを放出!だがそれは空中で何かに受け止められる!「焦る事はない」ブラックヘイズが言った。サイバネアームから放たれたヘイズ・ネットだ! 62
2012-08-09 22:57:33「イヤーッ!」変身完了したフェイタルが滑るように突進、鉄針攻撃の姿勢をとったジャバウォックの下腹に、抉るようなフックを叩き込む。「グワーッ!」吹き飛ぶジャバウォック!「な。早かったろうが」ブラックヘイズが言い、手首のスナップを効かせると、シャボン玉は明後日の方向へ飛び去った。63
2012-08-09 23:02:53「手品風情めが!」ジャバウォックは空中で姿勢復帰、壁を蹴る!「イヤーッ!」ブラックヘイズは牽制のネットを射出!「オーブ!」「応!」ジャバウォックは空中で一回転、ブルーオーブは両手をバレーボール・レシーバーめいて組み、跳ね上げた。飛行軌道がトリッキーに変化! 64
2012-08-09 23:07:15「イヤーッ!」ジャバウォックは空中で両手を拡げ、鉄針を放射状に射出!「イヤーッ!」フェイタルとブラックヘイズは両横へ跳んで回避!「イヤーッ!」ブルーオーブが無数のカラテ・バブルを生成、解き放つ!おお、だが、ナムサン!今度は飛びすらしないではないか。「バブルが俺を包む!?」65
2012-08-09 23:13:54ナムサン!ブラックヘイズはブルーオーブの目の前に透明のヘイズネットを展開していたのだ!「俺のバブルの質量が!」ブルーオーブは大小のシャボンに圧されてもがいた。「手品もなかなかどうしてバカにできんのだ」ブラックヘイズは地面に捨てた葉巻を蹴った。「吸ってみるか」「ウオオーッ!」66
2012-08-09 23:19:12ブラックヘイズはサイバネアームの遠隔起爆装置をON!KABOOM!葉巻爆弾が爆発し、カラテ・バブルもろとも炎上!「グワーッ!」「オーブ!」ジャバウォックが叫ぶ。その眼前にフェイタル!ハヤイ!「イヤーッ!」ヤリめいたサイドキックがジャバウォックの下腹に突き刺さる!「グワーッ!」67
2012-08-09 23:21:41ジャバウォックは洞窟の壁に大の字に叩きつけられた。「グワーッ!」「イヤーッ!」ブラックヘイズは蹴りを繰り出し終えたフェイタルめがけサイバネアームの手首から先を有線射出!フェイタルが片腕を上げると、ワイヤーアームはグルグルと巻き付いた。「イヤーッ!」その腕を、振る! 68
2012-08-09 23:26:04「イヤーッ!」ハンマー投げめいた遠心力加速で勢いをつけたブラックヘイズが、壁に釘付けになったジャバウォックに飛び蹴りを叩き込む!「グワーッ!」蜘蛛の巣状のヒビが入り、ジャバウォックは嘔吐!「オゴーッ!」ブラックヘイズはワイヤーを巻き上げて戻り、フェイタルの傍らに着地した。 69
2012-08-09 23:27:49