『西洋美学史』twitter読書会 14章~15章
この本の陰の主役はガダマー説
その象徴の神秘性がなんともロマン主義ぽいしなにより天才美学に適合していた。カントが「美は道徳善の象徴」としたのは決定的だったとガダマー先生も言ってた #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:18:15@schwer_metall さすがはガダマー先生と言わざるをえない……正直本書で一番株が上がった哲学者はガダマーですわ。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:32:39近代の象徴概念の背後には「感性的なもの」を「真なるもの=イデア=一者」の流出とみる新プラトン主義がある、とガダマー先生が言ってた(定型文) #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:39:1215章 ヘーゲルと芸術の終焉というより芸術の自立
ヘーゲルは直接「芸術の終焉」に言及したことはないが,彼の理論から芸術終焉論を再構成することは可能である。また,ヘーゲルの芸術終焉論は終末論的な外観(というより内容)をとっておらず,それを解き明かすのが本章である。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:47:09ヘーゲルの芸術終焉論はシェリングへの反論を基礎としている。シェリングは,芸術は知的直観を客観化した美的直観であり,それゆえに芸術は哲学の唯一真にして「道具であり証書」であると宣言した。(このあたりのシェリングの理論は本書第11章の議論を踏まえている) #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:47:30これに対してヘーゲルは,哲学と芸術が共通の課題を有することを認めつつも,哲学が概念を媒体にするのに対し,芸術は感性的直観を媒体とする点に注目した。すなわち,「表現される真理の内容・精神性」が上昇するに従って,「感性的形態」を卓越してしまう。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:48:06ヘーゲルは,芸術を時代によって3つに分類した。表現される内容が感性的形態を下回る「象徴的芸術」,内容と形態が一致した「古典的芸術」,内容が形態を追い越してしまった「ロマン的芸術」である。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:48:24なお,象徴的芸術は古代文明を,古典的芸術は古典古代を,ロマン的芸術はそれ以後をすべて指すため,一般的な分類とは名称が大きく異なる。(中世もルネサンスもバロックも全部ロマン的芸術ということ) #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:48:44結果的に,ヘーゲルのみなす芸術の役割は古典的芸術の時代に終わっている。しかし一方で彼は,古典古代は芸術が最高の表現であったがゆえに,芸術家の創意が関与する余地がなかった点を指摘しており,芸術の頂点は芸術家が芸術家ではなかったという皮肉が生じている。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:49:03このような歴史の過程はヘーゲルの歴史哲学に基づいている。世界の精神性を引き上げたのは宗教の変遷であり,ギリシア神話が芸術における内容と形態を一致させ,キリスト教が内容を卓越させてしまった。こうしてヘーゲルは芸術が哲学の道具・証書であることを否定している。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:49:33ヘーゲルは芸術の未来についていかなる展望も示していないが,ロマン的芸術の崩壊については記述がある。すなわち,芸術家の主体性が入り込めるようになった結果,芸術は自由となった。これは逆説的に近代美術の誕生を予見しているといえる。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:50:12このことは,同時代に「芸術のための芸術」という観念が成立したのと符号する。要約終わり。人物紹介は特に無し。 #西洋美学史読書会
2012-08-27 23:50:39芸術が神性を失い、芸術のための芸術になる過程
内容と形態が乖離した結果,形態の側が内容に関心を失って,「ただ自然的偶然性を描写することに専心するようになる」というのは,けっこうすごい予見かなと思った。すでに,ヘーゲルの念頭にあったようにオランダの静物画みたいなのがあったにせよ。 #西洋美学史読書会
2012-08-28 00:00:52