「英語学習の自己評価」の抜粋(途中)

「英語語彙の学習(桐英会)土屋先生の連載」 http://togetter.com/li/355277 冒頭枠内に置きます。 *この章は長くて細かいので少しずつ足してゆきます。
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Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ 検索結果: ≫ 英語学習の自己評価 http://t.co/xtZpHsg5 "英語学習を進める中で、自分が何を学んだか(学習内容)だけではなく、どんな学びをしたか(学習方法)について考え、自分の行なったことを内省し、正しく自己評価することが大切です。"

2012-09-01 09:06:59
Kalmia @kapok2009

"自分が実行している学び方がはたして機能しているかどうか、自分の学習法のどういう点に長所または欠陥があるか、どうしたら改善できるか、などに意識を向けるのが自己評価です。"

2012-09-01 09:07:52
Kalmia @kapok2009

"このような意識の使い方を「メタ意識」と呼ぶことがありますが、こういうことは、成功する学習者が(そのプロセスを言語的にうまく表現できるかどうかは別として)必ず行なっていることであり、あらゆる種類の学習に共通していると考えられます。"

2012-09-01 09:08:51

1.学習の計画を立てる:たとえば、数頁の英文テキストを読んでその内容を日本語で要約するというタスク(課題)を実行するとします。するとこのタスクには
①テキストの内容を理解するという活動と、
②内容を日本語で要約するという二つのタスクが含まれていること、
そして①の活動は②の活動を行なうためのものだから、②の活動をスムーズに進めるために①の活動をどのようにしたらよいかを、タスクを始める前に考えておくことが重要です。
 
2.学習ストラテジー(方略)を選択し使用する:テキストの内容の要点をつかむための読みは、細かい部分にこだわらずに、まずテキスト全体が何について述べた文章であるかを出来るだけ早く見つけることが大切です。そのあとでキーとなる語句を発見するようにします。最初から辞書を引きながらテキストを詳細に検討するようなストラテジーは目的からはずれています。
 
3.学習をモニターする:タスクを遂行する途上で最初の計画を変更しなければならない事態が生じたときに、それに臨機応変に対応できるかどうかは非常に重要です。たとえばテキストを読み始めたところ、未知の語がいくつもある場合にはどうしたらよいでしょうか。キーとなる語句の意味が分からなければ要旨はつかめません。そこで辞書を引かなければならない。しかし安易に辞書に頼ると時間ばかりかかって全体を見失ってしまう。タスクを遂行する中で、さまざまな事態の対処に適切な判断ができるようになる必要があります。
 
4.学習を評価する:これは一つのタスクが終わった時点でなされる活動です。それは
①学習の計画は適切であったか、
②選んだストラテジーは適切であったか、またそれらを適切に使用できたか、
③タスクを遂行する途中での学習についての判断は適切であったか、の3つの観点からなされます。そしてその知識は、次に同じようなタスクを行なうときに利用されます。
 

Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ Blog Archive ≫ 英語学習の自己評価(2) "学習計画には下記のような長期的、中期的、短期的の3つくらいあることを頭に留めておけば充分でしょう。その中で常に頭に置いておくべきものは短期計画です。"

2012-09-04 11:36:41

"長期計画:自分が将来どんな英語力を身につけたいかという長期的展望に立って英語学習を計画することです。"
"英語を学び始めてしだいに英語の学習が楽しくなり、将来は英語を本格的に勉強したいとか、英語を身近な言語として使用するような職業につきたいという願望が生じたときに、そのような長期計画を構想する必要が生じるでしょう。就職や進学を控えた高校生や大学生にとっては、これは真剣に検討すべき課題になるはずです。"
 
"中期計画:"計画を具体化する場合には、3年または4年分の計画を詳細に作成する必要はなく、各学年の初めに1年分の計画を立てるのがよいでしょう。筆者の経験から、人は自分自身の将来について、1年くらいの計画ならば無理なく具体的にイメージできるように思います。年間計画を頭に描くことができたら、次にそれを学期またはシーズンごと、月ごとの計画へと分割し、いつも目に見えるところに書いて貼っておくとよいでしょう。"
 
"短期計画:これは現在取りかかっている学習課題(タスク)をいかにして遂行するかの計画です。タスクにはいろいろなものが考えられるので、一概にこのような計画がよいと一般化することは難しい。中学生や高校生の場合には、学校で使っている教科書の1レッスンまたは1単元をどのように学習するかについての準備と計画づくりということになります。あるいは、進学塾や英会話スクールでの授業も含めて、今週1週間の英語学習計画というのでもよいでしょう。"
 

Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ Blog Archive ≫ 英語学習の自己評価(3) http://t.co/GrAwDYP 大学入試センターから公表されているデータ

2012-09-05 05:29:14

大学入試センター試験の..."リーディングと語彙・文法の基本的知識・技能に関してはよく練られた問題が作成されており、これによって高校終了までに期待されている英語力のおよその到達度は判断できる"
 
平成22年度 ①受験者数512,451 ②平均118.14 (100点満点では59.07) ③最高点200 ④最低点0 ⑤標準偏差39.96 (100点満点では19.98)
  
平成23年度 ①受験者数519,538 ②平均122.78 (100点満点では61.39) ③最高点200 ④最低点0 ⑤標準偏差41.24 (100点満点では20.62)
 
"両年度の結果を比べてみると、100点満点に換算した場合の平均に2.32の差、標準偏差に0.64の差がありますが、いずれも問題作成者が目標としていると思われる平均の60点に近く、その差はわずかです。また標準偏差も両者共20前後で、ほぼ同じ値を示しています。50万人という大きな受験者数からして、得点は正規分布に近いものと推測されます。正規分布ならば、受験者の68%が40点から80点までの範囲内にいます。"
 
"しかしこのデータから言えることは、個々の受験者が50万人中のどのあたりの得点を得たかということだけで、何点取れば高校までの基礎学力が身についているかを判断することはできません。65点を取った人は自分が平均より少し上だということは分かりますが、それ以上のことは分かりません。"
 
"...そこで、個人の英語力の自己評価という観点からは、このテストで80%以上正解した人は合格としてよいのではないかと筆者は考えます。つまり、英語の基本的な語彙と文法の知識、およびリーディングの技能に関しては、80点以上を基礎レベルに到達していると判断するわけです。"
 
"では70点台はどうでしょうか。その人たちは高校までに学習した基礎的な英語知識のほとんどを身につけてはいるが、どこかに欠陥があることを示しています。ですから自分のおかした誤りを点検し、自分の知識のどこに欠陥があるかを確認し、自分でその欠陥を補修する努力をする必要があります。自己評価とは、自分を他と比べて相対的な位置を確認するだけではなく、基礎レベルの達成という目標に対して自分が立っている位置を知ることなのです。"

Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ Blog Archive ≫ 英語学習の自己評価(4) http://t.co/q7BfTmB "語彙知識は3つの次元から成ります。第1に「語彙の広さ」、つまり、どれだけ多くの語を知っているかということ、(続

2012-09-06 10:59:33
Kalmia @kapok2009

...第2に「語彙の深さ」、つまり、それぞれの語についてどれだけよく知っているかということ、第3に「語彙の流暢さ」、つまり、語をどれだけ速く認知し使用することができるかということです。"

2012-09-06 10:59:41

"自分の語彙サイズを知るにはどうしたらよいでしょうか。もっとも簡便な方法は、「基本3000語」のリストでどれだけの語を知っているかを自分でチェックすることです。ただし、この場合にチェックできる語彙知識は、単語の綴りを見て、その代表的な意味または定義を知っているかどうかをチェックするだけです。
 
「基本3000語」の語彙リストにはいろいろなものがありますが、『JACET 8000英単語』というのが信頼できるものの一つです。これは大学英語教育学会が作成した「基本語リスト」に基づいており、1000語ずつ8つのレベルに分けられています。これによって「レベル3」(3000語)までの語をチェックするわけです。
 
ただしこのJACETの語彙リストは、活用形や変化形は基本形のもとに1つにまとめてありますが、派生語はそれぞれ別の語として扱っていますので、これで3000語をカバーできたからといって大学入試センター試験に安心というわけにはいきません。少なくとも「レベル4」(4000語)まではチェックする必要があります。"
 

Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ Blog Archive ≫ 英語学習の自己評価(その5) http://t.co/guqMgfe "前回は語彙知識の広さ、つまり「語彙サイズ」の話をしました。今回は語彙知識の深さ、つまり「語をどこまでよく知っているか」の問題を取り上げます。"

2012-09-11 13:00:13
Kalmia @kapok2009

"辞書には知らない情報がたくさんあって、引き慣れないと煩わしく思う人もあるかもしれません。しかしよく見ると、英語辞書も(英和辞書、英々辞書など)語についての情報をうまく分類し、整理してくれています。英単語について知りたいとき、辞書を利用しない手はありません。"

2012-09-11 13:00:15

"次は学習用辞典が記述に用いる情報分類の一例です。
1)綴り(見出し語)、
2)発音、
3)品詞、
4)語形変化、
5)語義(ことばの意味)、
6)語法と用例、
7)コロケーション(連語)、
8)イディオム(慣用句)、
9)派生語、
10)関連語・連想語、
11)語源、
12)使用頻度(見出し語の大きさや星印で示される)"
 

"学習者は辞書に書いてあるこれらの情報をすべて覚える必要があるでしょうか。むろんそんな必要はありません。辞書を暗記しようなどとは考えないでください。だいたい、辞書を丸暗記することなど不可能なことです。人間の記憶システムはそのようには出来ていないからです。たとい努力して一部を覚えたとしても、あまり役には立たないことが分かるでしょう。
 
それよりも、語は使いながら身につけていくのが得策です。同じ語に何度出合ってもすぐ忘れてしまうと人は嘆きますが、実際には、その語に幾度も出合って覚えたり忘れたりすることを繰り返すうちに、あるとき脳の記憶回路に変化が起こり、その小さな変化が記憶貯蔵庫に送られ、それが少しずつ蓄積されて知識を形成するのです。"
 

"ですから、辞書の引き方には2種類あります。一つは、自分の知らない語の読み方や意味を知りたくて引く、あるいは、だいたいは知ってはいるが自信がないので引いて確かめる、という場合です。他の一つは、時間や心の余裕のあるときに、何かの語を引いたついでに辞書に書いてあるその語の情報を読む、という場合です。前者、つまり語の発音や意味を知りたくて引く場合には、電子辞書のほうが速くて便利なようです。しかし後者のような辞書を読むという点では、紙の辞書のほうが優れています。
 
ですから、初級・中級の学習者には、急いで意味をしらべるような場合を除いて、なるべく紙の辞書を使うことをお薦めします。辞書を読むことは、第1に、自分がその語について持っている知識を整理するのに役立ちます。第2に、自分がいかにその語について不完全な知識しか持っていないかを教えてくれます。そしてその語についてもっと知ることが沢山あることに気づかせてくれます。"
 

Kalmia @kapok2009

桐 英 会 ≫ Blog Archive ≫ 英語学習の自己評価(その6)" http://t.co/FC29npF "今年1月に行なわれた大学入試センター試験の英語筆記問題には、語彙の知識に関する設問が17問あります。"

2012-09-14 14:19:21
Kalmia @kapok2009

"ここでは、それらが高校までに学習することになっているどんな語彙知識をみようとしているか、またそれらが試験問題として適切かどうか、という観点から検討します。"

2012-09-14 14:19:32

"結論を先に述べるならば、このようなステレオタイプな発音のペーパーテストはすべての入学試験問題から排除してほしいと思います。その主な理由は、第1に、それがテストとしての信頼性に欠けているからです。英語学習者はよく知っている語についてはそれを正しく発音でき、まったく知らない語についてはどう発音するか分からないことが多いのが自然ですから、発音のペーパーテストというのは、出題される語が受験生になじみの語かどうかで難易が決まります。与えられた語の中に知らないものがある場合には、コンテクストも与えられていませんから、受験者はカンで正答を選ぶしかありません。そのカンが当たるか当たらないかはほとんど運まかせです。しかも出題される語の中には、毎年、それほど頻度の高くない語が含まれています。"
 
"学習者はこのような形式のテスト問題に全問正解しようとして無用に悩むことのないようにしてください。もしこのような問題に1つ2つ間違えても、問題が悪いのだと思ってください。"