IAEA-TECDOC-1162の線量換算係数の疑問点

IAEA-TECDOC-1162の表 E3に「土壌汚染からの被ばくに対する換算係数」の値が整理されています。この換算係数は、土壌に沈着した放射性核種の表面濃度[kBq/m^2]から、 (a) 土壌汚染から地面の上1m における周辺線量率 [mSv/h]、 (b) 関心のある期間(1ヶ月目、2ヶ月目、50年間)の外部被曝による実効線量&再浮遊による吸入摂取による預託実効線量[mSv] を推定するのに用いられています。 しかし、この表E.3に記載された換算係数には、疑問点がありますので、備忘録までに整理いたしました。 続きを読む
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

備忘録:IAEA-TECDOC-1162→http://t.co/xYTKVNDS のTable E3. Conversion Factors for Exposure to Ground Contamination (page 98~100)

2011-10-27 21:23:34
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:IAEA-TECDOC-1162(日本語訳) 放射線緊急事態時の評価および対応のための一般的手順 → http://t.co/andZPK4i

2011-10-29 14:06:52
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/lwL7UKis の表 E.3「土壌汚染からの被ばくに対する換算係数」の一部を抜粋 http://t.co/7e70xE70

2012-09-13 13:36:09
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周辺線量当量率換算係数CF3 [(mSv/h)/(kBq/m^2)]に関する疑問点

→【解決】CF3はground roughnessによる補正として0.7倍されているようです

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/9oGkx2ro のTable III.3より一部抜粋。汚染土壌からの外部被曝による各組織の等価線量および実効線量換算係数 [(Sv/s)/(Bq/m^2)] http://t.co/iUeux4lF

2012-09-13 17:02:27
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/OXJqjaaJ この表で記載された換算係数の単位を[(Sv/s)/(Bq/m^2)] から、[(mSv/h)/(kBq/m^2)]に変換するためには、60×60×1000×1000=3.6×10^9倍すればよい

2012-09-13 17:11:25
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

IAEA-TECDOC-1162の表 E.3で引用している元文献(https://t.co/9oGkx2ro )まで遡って、表 E.3に記載された周辺線量率換算係数CF3 [(mSv/h)/(kBq/m^2]の不可解な点を、備忘録までに呟いておく

2012-09-13 17:34:09
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/5VVIP7Vj https://t.co/OXJqjaaJ IAEA-TECDOC-1162の表E.3に記載された周辺線量率換算係数の値は、引用元の文献から計算される実効線量換算係数の値と何故かほとんど同じ http://t.co/R4KQ3fwH

2012-09-13 17:37:19
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/5VVIP7Vj の注釈a)によると「EPAに推奨されたとおり、実効線量に1.4を掛けて、周辺線量率を推定した」とある。この注釈どおりならば、実効線量率換算係数を1.4倍した値が周辺線量率換算係数に等しくなるはずなのだけれども

2012-09-13 17:39:58
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

http://t.co/R6XkMfrS 元々の英語文献IAEA-TECDOC-1162のTable E3の注釈。周辺線量当量率の換算係数CF3は、ground roughnessの補正がなされているとある。ただし具体的な値は不明。 http://t.co/RfSSYuOb

2012-09-14 23:48:37
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/PivdTgFt 換算係数はRASCAL(NRC95)の計算に基いて求められたようである

2012-09-14 23:50:49
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/VvqQm1bS なので、RASCAL3.0.5(NUREG-1887)の文書で、"ground roughness"で検索してみると、この記述が見つかる→ http://t.co/Yd4JINJf

2012-09-14 23:59:33
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/UDD1omBw 以前のver.のRASCALではground roughnessの因子(GRF)として"0.7"が使用されていたようである

2012-09-15 00:03:58
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/UDD1omBw 主にチェルノブイリのデータに基いた近年の研究(Anspaugh et al. 2002)により、より現時的なGRFの値として"0.82"が提案されており、RASCAL 3.0.5のGRFデフォルト値として"0.82"が用いられたようだ

2012-09-15 00:08:40
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/VvqQm1bS RASCAL 3.0.5の文書公開日は2007年8月。 http://t.co/R6XkMfrS AEA-TECDOC-1162の文書公開日は2000年8月。

2012-09-15 00:11:25
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

実際のground roughnessの値としてどちらが適切なのかは、ひとまずは置いておいて、どうもIAEA-TECDOC-1162の換算係数の計算に用いられたRASCALは過去のver.で、GRFの値としては"0.7"が使われていたのでは?と私は推測。

2012-09-15 00:13:54
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

実際に確かめると、 https://t.co/OXJqjaaJ の実効線量率換算係数を、周辺線量への換算で1.4倍、ground roughness補正で0.7倍すれば、IAEA-TECDOC-1162に記載されたCF3の値を再現できる http://t.co/HueZzOta

2012-09-15 00:40:45
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

ああ、IAEA-TECDOC-1162の疑問点の一つがようやく氷解した気がする…

2012-09-15 00:42:47

実効線量換算係数の比較として、別の文献でも実効線量換算係数の値も調査してみました。

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:K.Saito et al., "Effective dose conversion coefficients for radionuclides exponentially distributed in the ground"→ http://t.co/ZZ54IgIt

2012-09-14 12:49:38
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/pLQcgtpb のTable 1より一部抜粋。成人に対する、汚染土壌からの外部被曝による実効線量換算係数 [(Sv/h)/(Bq/m^2)]。 http://t.co/Q1Di8ZAi

2012-09-14 13:03:16
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

線量換算係数の単位を、[(Sv/h)/(Bq/m^2)]から[(mSv/h)/(kBq/m^2)]に変換するためには、1000×1000=10^6倍すればよい

2012-09-14 13:18:34
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

実効線量換算係数の単位を揃えた上で、 https://t.co/BwJhNOHHhttps://t.co/qjXgB1I8 を見比べると、relaxation depth=0の時のCs134, Cs137+Ba137mの換算係数がほぼ等しい

2012-09-14 13:23:16

実効線量換算係数CF4 [mSv/(kBq/m^2)]に関する疑問点

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