四の舟×黒羽根Pによるスケッチブックラリー小説 名犬ネギッシー!?

道楽のラリー小説。根岸ちゃんが犬になった!!
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四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「根岸ちゃん、あなた一体どうしたのよ?」「根岸、なにか変なものでも食べたのか?」「わ~根岸君かわいいですよ~!」「うーん……根岸君がこんなことになるなんてね~」「……なにか一曲歌おうか?」 『別にいいわい』 犬になった俺は、美術部のメンツへそう言った。

2012-10-15 00:09:41
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 犬になった。 誰が? 俺、根岸大地が、犬になった。 ……正直、さっぱり意味が分からない。 こんな事が起こるなんて人生でもあり得ないことだ。 というかあってたまるか

2012-10-15 00:11:10
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP (梶原さん)(なーに?)(ついこの間は、青くんが幼児になったことがあったわよね?)(ういえばそうだね)(不思議なことが頻発するものね)(世の中わからないことばかり。でも、おもしろいからいいのだ)『おい、俺は今犬だから耳がよく聞えてオマエラの会話筒抜けだぞ?』

2012-10-15 00:15:12
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「それにしてもみなもちゃん、これは一体どういう事なの?」「ですから見ての通りなんですよ。今朝お兄が起きてこないからどうしたのかなって部屋に入ったらこうなってて」「……一体どういう事なんだろうねえ?」「私もどうしていいか分からなかったからここに来たんです」

2012-10-15 00:17:04
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「根岸くん根岸君」「ちょいとこちらを見てください」 『ん?』 俺が振り返ると、涼風コンビが俺のそばにかがんでいた。『なんだよ?』 「ほれほれ」  涼の方が黄色いゴムボールを持っていた。「根岸くん根岸くん」『あっ?』「そーれっ」 涼はボールを教室の隅へ投げた。

2012-10-15 00:22:24
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「おお、さすがわんこ」「良い動きしますねえ」『くっ、追わずにはいられねえ……』「わ~、良いなあ。あの、私次やって良いですか?」『お前らな…』「よしよし、よくとってきましたね根岸君。撫でてあげましょう。」「ついでにもふもふもしましょう」

2012-10-15 00:24:27
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 『はぁ、……くそっ、お前ら人を使って遊びやがって……』「いやぁ~、ごめんね根岸君」「やっぱり、わんこだと思ったら、ボールを投げたくなっちゃってさー」栗原と佐々木が頬をポリポリとかきながら言った。俺はおかげで、美術部の全員が投げるボールを追う羽目になったのだ。

2012-10-15 00:27:18
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE それにしても、だ。犬になって何が困るって皆が何を言っているかは分かるのだがこっちの意思を伝える術が無い、というのが困る。おかげでボール往復を20回ぐらいもやる羽目になってけっこう疲れてしまった。

2012-10-15 00:30:44
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「どーすればいいんかいねー?」「動物病院へ連れて行く、とか?」「デモ、人が動物になるなんて病気聞いたことがアリマセーン!」(うん、うん)俺だって知らんわ。「…とりあえず、いいですか?」『ん?』「……根岸くーん!かわいすぎですよ~!」神谷が突然俺を抱きしめた。

2012-10-15 00:38:27
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 『なっ!?!?』「毛がもふもふで可愛い~」突然の出来事に身体は固くなる。だがそんな事にお構いなしに神谷はモフる事をやめようとはしない。 …というか、当たってるんだが。その、何がとはいえんが。

2012-10-15 00:40:33
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「神谷」ゴンッ「痛ッ。なにするんですか部長さーん」「根岸の言葉はわからないが、とりあえず困っているような様子だぞ?」「えー、そうですか?」おお、部長。さすがわかってる。「というわけで、俺が抱きしめておいてやるよ」…前言撤回。俺は教室を飛び出して逃げ出した。

2012-10-15 00:45:16
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE まさか美術部員があそこまで動物好きだったとは思わなかった。よく犬男が平気な顔でいられるもんだ。 慌てて飛び出したは良いが、学校内に犬がいると分かったら結構騒ぎになってしまいかねないだろう。俺は植え込みに隠れてやり過ごす事にした。

2012-10-15 00:46:55
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP まったく、犬というのもなかなか大変だ。向うで美術部の連中が俺を探す声がする。しばらくここで隠れておいて、しばらくしたらみなものところへ戻ろう。「あら、ここにいたのね?根岸ちゃん」突然声をかけられて、俺は恐る恐る後ろを振り返る。そこには空閑がいた。

2012-10-15 00:50:43
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「大丈夫よ根岸ちゃん、私猫飼ってるから。」『いやそれ理由になってんのか?』「そう、理由になってないわね。」『てか普通に会話出来て…?』「まあ良いわ根岸ちゃん。」そう言うと空閑はそっと俺の頭を撫で始めた。逃げようとしたのだが、妙な心地よさに動く事が出来ない

2012-10-15 00:53:17
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「はい、根岸ちゃん」『?』「ミルクよ。さっき、買ったの。飲む?」ありがてえ。走り回っていて喉が渇いていたんだ。「受け皿がないから、私のお弁当箱に出すわね」空閑が弁当箱にミルクを注いでくれ、俺の前に置いてくれた。「飲んでいいわよ」お言葉に甘えることにしよう。

2012-10-15 00:57:49
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「災難だったわね。」『……』空閑はいつもと変わらない目で俺を見ていた。しかし、低い視線から見上げる空閑の表情というのもまた新鮮なものだった。「次は我が身かしら…」やっぱり、こいつは何を考えているのか読めない。

2012-10-15 01:00:19
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「根岸ちゃん」空閑が改まった口調で言った。「抱っこしてもいい?」…ミルクの礼にしておこう。「ふふっ。根岸ちゃんを抱っこするなんて思ってもみなかったわ」俺だって、犬の状態でお前に抱かれるとは思ってもみなかったよ。それにしても『お前って胸ないな』「うるさいわよ」

2012-10-15 01:05:49
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 『…やっぱり何言ってるか分かってんのかい。』空閑はその問いには答えなかった。何も言わない空閑に抱っこされながら、俺は吹いてくる季節の風をぼんやりと感じていた。

2012-10-15 01:07:30
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「根岸ちゃんは、犬になっても温かいのね」空閑が俺を抱きながら言う。こっちのセリフだ。俺の鼻は空閑の温もりと甘い香りを敏感に感じ取っていた。「でも、やっぱりあれね……」……なんだろうか? 「私が抱きしめても、根岸ちゃんが抱きしめ返してくれないのは、寂しいわね」

2012-10-15 01:12:33
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 『空閑…』もぞもぞと、動かしにくい前足を動かしてみる。思うように動くことはできなかったが、これが俺の精一杯だ。「…ありがと、根岸ちゃん。」『……』

2012-10-15 01:14:44
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP ポンッ! 突然俺の体が白い煙に包まれた。なんだ、なんだと思っていると、次第に煙が晴れてきた。足が地に着いている感じがする。目線が高くなっている。そして、俺の両腕は誰かを抱きしめていた。「って、あれ?」

2012-10-15 01:18:44
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「……」「………」腕の中にいる空閑の顔が、じわじわと赤くなっていっている。俺の視線に耐えきれなくなってふ、と左に目をそらしたが彼女は逃げようとはしなかった。「……大胆ね。」「このタイミングで戻るなんて夢にも思ってないわい」

2012-10-15 01:21:31
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「……抱きしめ方がやさしいのね」「さよけ」 俺達は抱き合ったまま固まっていた。この腕を解けばいいんだが、そうしたくない俺がいる。空閑は空閑で俺に廻した腕を外そうとしない。「あー、二人とも、お取り込み中の所悪いんだけど……」春日野先生の声に思わずぎょっとした。

2012-10-15 01:28:42
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「え…えっと先生?」「いいい、いやこのこれは決してそのようなことじゃ!」「分かってるわよ、それより根岸ちゃん、早い所皆の所に戻ったげなさい。」

2012-10-15 01:31:51
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「は、はあ…」俺と空閑は美術部へ戻る事にした。寝ている間に犬になっていたから、元に戻ったら裸になっているかと心配したが、幸い俺は制服を着ていた。「先生、私達も戻りましょうか」「……ねえ、朝倉先生」「はい?」「いまの私、ちょっとかっこよかったわよね?」「……」

2012-10-15 01:36:00