近代精神保健のあゆみ簡略版

精神保健福祉士にとっては教科書的な基礎知識!ですが、 心理職の方や保健職等で他の領域から精神保健福祉に従事されるようになった方にはもしかしたら目新しい話が多々あるかもしれません。雨さんが簡潔にかつ彩豊かにざっくりとご説明くださったので、まとめ作成しました。
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@rain_00

1993年(平成5年)には、精神保健法が一部改正。ここでは、精神障害者地域生活援助事業(グループホーム)を法定化、精神障害者社会復帰促進センターを全国で1箇所設置、都道府県が行ってきた事務処理を政令指定都市に移譲、保護者の規定 等 地域福祉の体制整備が進みます。

2012-10-28 15:03:18
@rain_00

1995年(平成7)には「精神保健福祉法」が制定されます。「障害者基本法(平成5年)」が成立し、精神障害者が基本法の対象として明確に位置づけられたこと、「地域保健法(平成6年)」の成立により、国、都道府県及び市町村の役割分担や地域精神保健対策の見直しが図られたことによります。

2012-10-28 15:04:11
@rain_00

以降、改正(平成11年、平成18年)を経て、「障害者自立支援法」にシフトします。で、それも平成24年に廃止され、平成25年4月1日より「障害者総合支援法」に移行する、と(イマココ)

2012-10-28 15:04:26
@rain_00

以上、ざっくりとお送りしました(後半超ざっくりざっくり)。近年の制度変遷についてはまた別途やりたいと思います!以上。

2012-10-28 15:05:11
じる @tsuguyo

@rain_00 いつもみてますよ~。こっそり。ごめんなさいね。私は病人ですが、知的障害者支援を中心に活動してます。ちょっと自粛中だけど。ご挨拶まで。あしからず。

2012-10-28 15:04:22
なが・まき @naga_maki

@rain_00 あ、「Y問題事件」とか「反精神医学運動」とか「精神衛生実態調査」とかについてはさらりと流しましたね?(レスは全部終わってからでお願いしますっ!)

2012-10-28 15:04:03
@rain_00

@naga_maki あ、「Y問題事件」は入れても良かったかも。「精神衛生実態調査」のアレコレ(1973年の話とか)も入れた方が良かった? 「反精神医学運動」もごちゃごちゃと…1967年~1987年は盛りだくさん過ぎて(苦笑)。めっさ端折りました。入れておきますかねえ。

2012-10-28 15:09:47
@rain_00

ながまき先生からツッコミが早速来ておりますので(泣)、補足して行きましょう。 1967~1987までの歴史的イベントはまだ結構あります。端折っています。

2012-10-28 15:13:35
@rain_00

「Y問題」(1973年)当事者のY氏による「ソーシャル・ワーカーによって不当に強制入院させられた。二度と人権を無視し、侵害することのないよう」という訴えを緒とする一連の動きを指す。このY氏の訴えを10年にわたり検証したのち,日本精神保健福祉士協会の倫理綱領が制定されています。

2012-10-28 15:29:32
@rain_00

事件概要としては、行政ワーカーが、Y氏の家族からの相談のみで、本人に会う前に、入院の手筈を整えてしまい、そうして入院させてしまったという事件。記録などを読むと、割と起こりがちな状況。ワーカーが病状や入院を判断して事を進めてしまうという地域福祉をやっているとともすると起こり得る話。

2012-10-28 15:29:43
@rain_00

「Y問題」は「宇都宮病院事件」とはまた違った系統で精神障害者の権利を侵害するという類の話。これも精神衛生法の入院形態の問題による。

2012-10-28 15:31:56
@rain_00

「反精神医学」は、1960~70年代にかけて精神医学内部から湧き起こった精神医学的常識に対する反撥、挑戦という政治性を伴った潮流の総称。この動きは、医療批判、精神医療批判の動きと呼応して大きな注目を集め大きな影響を与えています。

2012-10-28 15:41:31
@rain_00

元は、イギリスでの、レイン(Laing, R. D.)、クーパー(Cooper, D. G.)が始まり。彼らは、1965年にロンドンにキングスレイ・ホールと称する宿泊施設をひらきます

2012-10-28 15:45:31
@rain_00

彼らはこれをホスピタルではなくハウスホールドと呼び、ここでは患者であるなしにかかわらず誰からの強制もなく自分の好む期間だけここに住むことが許されていました。キングスレイ・ホールでは、誰が誰を何のために治療するのかはっきりしなくなる状況を構成することが目論まれていました。

2012-10-28 15:46:03
@rain_00

クーパーは「精神分裂病者の大半は、家族の中で厄介ごとが起こったときにそれを一身に引き受けて苦しむ"スケープゴード" としての存在であり、そのようなスケープゴードを探す必要のある家庭状況から生まれる」と、家族関係の中で精神分裂病が形成されると主張していました。

2012-10-28 15:47:24
@rain_00

結果、反精神医学運動が起きてきた訳です。国内においては、1960年当時は、精神衛生法改正でごたごたしていました。社会情勢としても全共闘とか起きていました。日本精神神経学会では以降、泥沼の動きが起きていく訳ですね。この辺は、実際にこの流れの真っ只中に居た人達の方が詳しいと思います!

2012-10-28 15:50:41
@rain_00

(学会絡みの話は端折った)

2012-10-28 15:50:53
@rain_00

「精神衛生実態調査」。これは日本では旧厚生省によって1954年、1963年、1973年、1983年に行われた全国調査のことを指します。 1954年と1963年には、全国の一般住民の方に対して、精神科医等の調査員が聞き込み調査をしています。突撃訪問おそろしいですね。

2012-10-28 15:57:51
@rain_00

調査結果は政策の拡充に役立てられます。1954年調査の資料は精神科医療を適切に整備していく必要性を訴え、1963年調査の資料、適切な治療や社会における支援の重要性が示され、通院医療費公費負担制度や通院患者リハビリテーション事業の成立等の精神保健政策の拡充へとつながっていきました。

2012-10-28 15:59:57
@rain_00

しかし1963年調査の結果については精神障害者の回復可能性や社会経済状態に関する問題等についてはほとんど報道されず、 翌年のライシャワー事件後には、調査結果が偏見を助長するような形で報道されてしまいます(統計マジック)。

2012-10-28 16:01:08
@rain_00

1973年にも精神衛生調査が企画されますが、精神障害者に対する差別や偏見が強い背景の中で、調査の方法が変更されました。そりゃそうです。訪問調査で「あなた精神障害者?」と訊かれ、そうだと言ったら病院に収容される訳ですし。誰が本当のことを言うかよ、ということになる。

2012-10-28 16:03:48
@rain_00

結果、国民の健康に関する総合調査の一環という形で合同検診等によって面接調査が実施されたのでした。でも、それで誰が正直に答えるかよって話です。答えないでしょ。ということで正しいデータが出ませんでした。

2012-10-28 16:05:06
@rain_00

1983年(昭和58年)のときには医療機関から対象者を選定するように方法論を変更しました。しかし引き続き激しい批判を受けました。 したがって地域住民を対象とする大規模な精神保健疫学研究は、1963年以降、実質的にはほとんど行われてこなかったのです。

2012-10-28 16:05:45
@rain_00

差別的な体制下においては正しい統計調査も出来ないということですね。その結果、日本は出遅れまくっていた訳です。今も出遅れてるけど。

2012-10-28 16:06:37
@rain_00

ということで補足説明いったん終了。

2012-10-28 16:06:57