「大切なことはすべて小論文入試から学んだ」〜福島復興支援で小論文教育をする慶應SFC生への講演〜

 福島復興支援で小論文教育をする慶應SFC生に、小論文教育をする意味、小論文教育が実際にスタートアップベンチャーを経営する上でどのように役立ったか、これからの教育のあるべき姿などを話しました。
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Naoto Hayashi @yas19910521

慶應SFCの先生に、研究会の中の人づてに大学での授業をお願いされました。日経に掲載されたからだと思うのですが、なにを話そうかなと思って悩んでいたら、その研究会では福島復興支援のために東北の子供たちに小論文教育をしようと考えているようなので、それをテーマにすることに決めました。

2012-10-31 07:19:57
Naoto Hayashi @yas19910521

私自身、小論文に関しては一家言あります。高校一年生のときに全国コンテストで二位を取ってから、自分自身も小論文模試では上位だったし、教え子にもだいたい全国模試で一桁台の順位を取ってもらってました。

2012-10-31 07:20:53
Naoto Hayashi @yas19910521

そして、なによりも、私自身、有名投資家から出資を受け、東証一部上場企業との取引も決まり、スタッフを集めたら3日で300人の応募があり……とスタートアップの経営者としては比較的順風満帆な方だと思いますが、そういう経営の中で大事なことはすべて小論文入試から学んだと思っています。

2012-10-31 07:22:17
Naoto Hayashi @yas19910521

授業のテーマは決まりました。「大切なことはすべて小論文入試から学んだ」これで行こうと思います。

2012-10-31 07:23:17
Naoto Hayashi @yas19910521

まず、この研究会では小論文を受験指導としてではなく、論理的に生きる力をつけるためのものとして教えようとしているようですが、それは辞めた方が良いと思います。人生のあらゆる仕事に言える事ですが、目標と期限はしっかり定めないといい仕事はできませんし、力は伸びません。

2012-10-31 07:25:25
Naoto Hayashi @yas19910521

私が小論文入試で学んだのは、意外なことかもしれませんが、目標絶対達成意識でした。目標絶対達成意識? 論文ってセンスで決まるものなんじゃないの? そういうふうに思われる方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。小論文はアートではなく、サイエンスです。

2012-10-31 07:27:10
Naoto Hayashi @yas19910521

理にかなった書き方をしていれば、かならず小論文模試で全国一桁台の順位を取ることが可能です。これは経営にもよく似ています。多くの学生起業家が経営はセンスだといいますが、それは違います。経営もサイエンスです。やるべきことをすべてこなせば必ず結果はついてきます。

2012-10-31 07:28:11
Naoto Hayashi @yas19910521

小論文入試でやるべきこととは何でしょうか? まず、小論文の文章の要素をしっかりと細分化して、一つ一つの要素と、要素要素の接続をしっかり書く事に尽きます。これは経営でもそうで、やるべき仕事をしっかり細分化して、それをしっかり達成すればまず会社がつぶれる事はありません。

2012-10-31 07:31:16
Naoto Hayashi @yas19910521

小論文の要素とはなんでしょうか? 起承転結? では聞きますが、起とは何ですか? 書き出しですね。そんなもの思いつく人は、そもそもこの話を聞く必要がありません。承とかよくわかりません。転って、どうやって展開させるんですか? 以上三つがよくわからないので結論なんか出せません。

2012-10-31 07:32:36
Naoto Hayashi @yas19910521

起承転結というのは、典型的な間違った要素分けです。学生起業家の世界でもこういうことはよくあります。ブログが有名? ツイッターが有名? 無料のアプリが何万ダウンロードされました? そんなことには何の価値もありません。

2012-10-31 07:36:05
Naoto Hayashi @yas19910521

経営というのは、ひとえに理念を実現するためのものです。そのための条件として、信用が必要になります。売り上げ利益も必要でしょう。そのためになにをしなければならないのか。大企業との取引、売り上げのロットの大きいモデル、利益が極大化できるモデル、それを実現するための営業・企画・開発……

2012-10-31 07:37:14
Naoto Hayashi @yas19910521

小論文でも同じです。まずなにが必要かを考えないといけない。人は何のために小論文を書くのでしょうか? 簡単な事です。世の中の問題の原因を突き止めて、批判して、それを改善することで、世界をもっと良い場所にするために人は小論文を書くのです。

2012-10-31 07:39:11
Naoto Hayashi @yas19910521

だとしたら、小論文に必要な要素は簡単です。現状認識、問題点の提示と解決、解決策の吟味・再検討。これだけあれば十分でしょう。私たちはこれを序破急小論文と呼んでいます。現状認識が序、問題点の提示と解決が破、解決策の吟味・再検討が急です。

2012-10-31 07:43:11
Naoto Hayashi @yas19910521

序破急というのは、聞き慣れない言葉なので少し説明を。武道の言葉で守破離とも似ているのですが、ようするに、師匠のマネをして、自分なりの型をつくって、それを周囲に認めさせるというプロセスです。この流れを小論文に活かしたものが序破急です。

2012-10-31 07:44:23
Naoto Hayashi @yas19910521

序は、現状認識です。どういう前提があるのか? どういう意見の対立があるのか? どれがマジョリティーでどれがマイノリティーか。マイノリティーはマジョリティーの何に抵抗しているのか? 二つをくらべてみるとどうか? どれが単なる具体論で、それらを抽象化するとどうなるか?

2012-10-31 07:47:09
Naoto Hayashi @yas19910521

破というのは、問題提起と解決策の提案です。まず問題がなにかを設定する必要があります。時代はどのように変化してるか? 場所によって変化の違いはあるか? 全体的に時代はどの方向に向かっているか? その進歩がこのまま続いた場合に引き起こされる矛盾の集中点はなにか?

2012-10-31 07:49:59
Naoto Hayashi @yas19910521

この矛盾の集中点こそがまさに解決すべき問題です。どうしてその問題がおこるのか? 〜だから、どうして〜なのか? 〜〜だから、どうして〜〜なのか? 〜だから。そんな形で原因を分析します。これ以上考えられないというぐらいまでなぜなぜ分析を繰り返すと、根本的な原因が浮かび上がります。

2012-10-31 07:51:21
Naoto Hayashi @yas19910521

その原因を潰すのが解決策です。コレ自体は実はそれほど重要じゃありません。適当に考えていただければ大丈夫です。なぜなら、これはあくまでも仮説だからです。

2012-10-31 07:55:41
Naoto Hayashi @yas19910521

この仮説を検証するのが急の部分です。利害関係者は誰か? 誰が得して誰が損をするのか? 他の解決策は何か? 他の解決策との差別化要因はなにか? こんなふうな要素から、解決策としての仮説の妥当性を検証します。最後に問題点・原因・解決策を振り返り小論文を締めます。

2012-10-31 07:58:50
Naoto Hayashi @yas19910521

これこそがまさに小論文です。この思考法は、スタートアップのベンチャーを軌道に乗せるまでの準備には、すごく役に立ちました。私はいま二社目のベンチャー立ち上げで、実は一社目はもう後輩に譲っているのですが、そのときの話もふまえながら、今日はSFCの学生起業家について考えます。

2012-10-31 08:00:22
Naoto Hayashi @yas19910521

テーマは「起業家のあり方」です。社会起業という考え方に、イエスかノーか、そのあたりを小論文の技法を使って考えてみたいと思います。

2012-10-31 08:01:18
Naoto Hayashi @yas19910521

私は今大学三年生ですが、大学一年生のときに慶應SFCに入って、正直気持ちの悪い大学だと思いました。社会起業論を専攻している学生たちが居たからです。仙台の田舎から来た私には意味が分からなかったし、未だに意味が分からないのですが、つまり社会起業とはどいうものなのかという話です。

2012-10-31 08:04:58
Naoto Hayashi @yas19910521

社会起業というのは、社会の問題を解決するための起業だそうです。これってあらゆる起業に言える事ですよね。パチンコは日々の生活に刺激の無い人のための社会起業だし、ホルモン屋はカルビが食べられない人のための社会起業だし、ソープランドはセックスできない人のための社会起業です。

2012-10-31 08:06:55
Naoto Hayashi @yas19910521

とまぁ、こんな話をしたら、嫌な顔をされました。私たちはあいつらとは違うんですと言いたげな顔でした。社会起業は社会の問題を解決するために、売り上げや利益ではなく、社会に与えたインパクトで勝負する起業なのだと先輩に言われました。ますますわけがわからなくなりました。

2012-10-31 08:08:08
Naoto Hayashi @yas19910521

売り上げや利益、与信以外で、どうやって社会の問題を解決するためのインパクトをはかるのでしょうか? 簡単な答えがあります。パチンコ屋やホルモン屋をやっているのは、中卒で働いている在日韓国人や被差別部落民の方も多い。

2012-10-31 08:09:57