臨床心理士資格試験によって測れるもの

臨床心理士資格試験が臨床家としての能力を適切に査定しているものなのかどうか、ということについての一連の議論について。
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ピュアリー @purely1939

もちろん、それらとは反対の結果を示すスタディもありました。「アルコール依存症のAAのような準専門家によるセラピーグループに参加した患者は十分な訓練を受けたメンタルヘルス専門家と同等の改善を示した」(PMRG 1997) RT @SaitoSeiji

2012-11-05 17:45:43
斎藤清二 @SaitoSeiji

@purely1939 これですね。ただこの論文から「日本の臨床心理学の訓練・教育を受け試験に合格した人は、そうでない人よりも、クライエントに対して効果的な実践を行っていることが実証されている」という結論をすぐに導くことは無理だと思います。http://t.co/xTeOv2Qm

2012-11-05 18:05:36
ピュアリー @purely1939

臨床心理士資格試験によって測れるもの http://t.co/nUe2gNIF を振り返って、そもそもが臨床心理士資格試験は臨床能力を正しく査定しているのか?知識は臨床能力を阻害する要因ではないか?などが議論になっていた。

2012-11-05 18:17:54
ピュアリー @purely1939

まず知識があると臨床能力、クライエントと向き合う姿勢を阻害するという一般的なイメージがあるのかもしれない。頭でっかちで気持ちを理解しない!などのようなイメージ。しかし、実際にそうだろうか。

2012-11-05 18:20:20
ピュアリー @purely1939

しかし、カウンセリングや心理療法をする場合、まずはクライエントの見立てをし、今後の見通しをつけなければならない。これは単にセラピストの価値観や信念を押し付けるたぐいのものではない。クライエントがどういう人で、疾患は何で、どういう方法が役に立ちそうか、等の見立てをせねばならない。

2012-11-05 18:22:47
ピュアリー @purely1939

そのような見立てがないと、例えばカウンセリングよりも必要な支援があるのに、それが分からなず、延々と意味のないカウンセリングを続けてしまうというリスクがある。最近でこそ少なくなった(と思いたいが)だろうが、統合失調症であることが分からず、医療を勧めずカウンセリングだけで対応する等。

2012-11-05 18:25:49
ピュアリー @purely1939

そして、そのような見立ては単なるフィーリングではなく、様々な知識(心理学、精神医学、社会学、倫理学、法律学等)が必要なってくる。

2012-11-05 18:27:22
ピュアリー @purely1939

さらには、これまでの様々な効果研究を通して、どういう人に対してどういうことが効果的なのかが色々と明らかとなってきている(CBT等が特に多いようだが)。そのような効果的な方法を使用する為には、習得する訓練が必要となる。その訓練にはもちろん知識を得るという部分がある

2012-11-05 18:31:43
ピュアリー @purely1939

また、逆に知識がたくさんあり、量も多くなると、臨床能力が低くなる、というデータや研究は今のところ見たことがない。もしかしたら、そういうのがあれば是非教えて欲しいところである。「知識」といってもどんな知識なのか、どういう種類のものなのか、など曖昧な部分もあるが。

2012-11-05 18:37:40
ピュアリー @purely1939

そして、もう一つの臨床心理士資格試験が臨床能力を正しく査定できているのか?について。臨床心理士資格試験は一次試験が選択式マークシートと論述、二次試験が面接、となっている。一次試験の採点はマークシートのみで、論述に関しては一次試験の採点には入ってない。

2012-11-05 18:39:35
ピュアリー @purely1939

論述の採点に関しては、二次試験の面接時に加味される。ちなみに面接試験時に論述のことについてはよく聞かれる事項とのこと。

2012-11-05 18:40:43
ピュアリー @purely1939

マークシートはほとんどが知識を見るものである。中身は臨床のみならず、基礎・社会・教育・生理・人格・統計などの基礎心理学からも出題される。中には「ユングは精神分析を創始したか?」などの知っていてもそれが役に立つのか、でも知らなければそれはそれでどうか、などの問題もあったりするが。

2012-11-05 18:47:19
ピュアリー @purely1939

それは兎も角、マークシートで見る知識は細かくは異論はあるだろうが、ある程度は臨床をやっていく上では必要であろうと思われるものが並んでいるし、そういう意味では臨床能力をある程度は査定していると言えなくもない。

2012-11-05 18:49:43
ピュアリー @purely1939

そして、二次試験である面接。面接官2名と約15分(?)程度の口述試験。一部では圧迫面接では?という意見もあるが、そうでもなかった、という声もある。他の一部では一次試験の得点によって圧迫か普通かが分かれるという声や、面接官の当たりはずれでそうなるという声まで。都市伝説みたいなもの。

2012-11-05 18:52:15
ピュアリー @purely1939

それも兎も角として、15分の面接でどこまで分かるのか、については疑問を持つところもあるが、意外と15分でも見えてくるものもあったりする。そこでは知識や能力というよりも、パーソナリティ傾向を見たり、病気を見たりできるという話も聞いたことがある。

2012-11-05 18:54:51
ピュアリー @purely1939

その真偽は分からないが、このような試験で結果的に、約6割、2000人ほどが毎年合格している。この6割が多いのか少ないのかは人の感覚にもよるが、もちろん資格試験を受ける前にもその選別は行われている。

2012-11-05 18:56:13
ピュアリー @purely1939

それは大学院の入試試験であったり、2年間の大学院教育の中における単位認定であったりする。もちろん当初から臨床能力が高い者などおらず、教育・訓練の中で臨床能力を身に着けていくものである。

2012-11-05 18:58:44
ピュアリー @purely1939

そしてそれらの能力が身についていないとなると、単位認定がされず、修了できない。修了に必要ではなくても資格試験には必要な単位もあるので、修了しても資格試験を受けれない人もいるだろう。他には大学院の中で適性がないということで辞めていく人もいるだろう。

2012-11-05 18:59:24
ピュアリー @purely1939

大学院では知識教育だけではなく、実習などを通した実地研修もある。大きく外部実習と内部実習に分かれ、前者では大学院の外の病院や教育センターなどに出向き、そこで半年~1年の研修が行われる。後者では大学院付属の相談室で実際のクライエントを担当し、カウンセリングを行ったりする。

2012-11-05 19:01:35
ピュアリー @purely1939

そしてスーパーヴィジョンという形で臨床指導を受け、知識を実際に活かせるように訓練が行われる。この辺りが知識と実務がリンクしていくプロセスになるだろう。大学院ではその他に「研究」という部分もあるが、資格試験とは多少関係ないのでここでは省力する。実際には結構重要なのだが。

2012-11-05 19:03:24
ピュアリー @purely1939

このような大学院教育というフィルターがあり、そのフィルターをくぐってこれた人だけが臨床心理士資格試験を受けることができるので、合格率6割と言っても、実質的はもっと難しい部分も入っていることだろう。

2012-11-05 19:05:05
ピュアリー @purely1939

これらのことはカウンセリングは単に話をウンウン聴いて終わり、という単純なものではないということを示しています。知識と技術を有し、それらを用いてクライエントの支援をするという極めて専門的な営みとなっています

2012-11-05 19:20:34
ピュアリー @purely1939

そのような支援ができる証明として、担保として臨床心理士資格があります。ここでよく誤解されるのが、臨床心理士を持っていることが有能な証拠である!ということです。それは違いまして、最低限のサービスを提供できるということにすぎません。

2012-11-05 19:22:17
ピュアリー @purely1939

逆に言うと最低限以下の酷いことはしない、とてつもなく悪い支援ではない、ということを保証するものです。臨床心理士を持っていなくても有能な人がいるという主張はある意味ではその通りですが、反面それは臨床心理士を持ってないカウンセラーにはとてつもなく酷い人がいる可能性があるという事です。

2012-11-05 19:25:14
ピュアリー @purely1939

そうした酷いカウンセラーに出会わない為の一つの指標として臨床心理士がある、と言えるかもしれません。もちろん臨床心理士に求められる能力・知識・技量は不十分であると指摘する人もいますし、それはその通りです。そうした指摘を参考にして、より良いものを作っていかねばなりません。

2012-11-05 19:27:18
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