僕は情操教育なんてまったくない環境に育ったので絵本を読んだ幼児経験がありません。フィービ−ウォージントンの『せきたんやのくまさん』とか、絵本童話作家には得体の知れない人がいることを教えてくれたのは金井美恵子・久美子さんでした。或は日本には石井桃子さんという偉大な方がいる。多謝
2012-11-24 04:56:48前も言いましたが金井美恵子『ページをめくる指』は文庫化再版(増補加筆アリ)ですが、ここ数年、日本語で書かれた最高の「文学論」だと思っています。小説論文学論・・・と言うより、表出論の最高の本の一冊だと思っています。「ここから」出発すること・・・
2012-11-24 05:03:39「巧緻な言葉遊びの仕掛けがナボコフにはある」という前提を読む時の意識に過重に置くとたとえば子供たちがヒューに「グリュッス・ゴット」と独語で挨拶しヒューが「Hello there!」と英語で返す時、無論僕らはこれを「神様に挨拶を!」「ああ、地獄がそこにある!」と解釈たくなる訳です
2012-11-24 20:47:08じっさいこう解釈!すると、そのヒューの言葉に、「あなた気が狂ってるって思われるわよ」とアマンダが言う、その隠された真意が分かったような気になるわけです。むろんこれは半ば冗談で、邦訳もまさかこんな無根拠な解釈などしてません
2012-11-24 20:51:04昨夜ザッパの曲を「野菜の名前を呼ぼう」と書きましたが原題は「Call any vegetables」で、「野菜たちに電話をかけてあげよう!」というのが正確です。『Band from L.A』に入ってます。
2012-11-24 21:30:24バイク話。冬困るのは僕の場合寒さは対策済みなんですが(グリップヒーターに米軍御用達ヒートベスト!)、シールドが曇る。これもご存知今はダブルシールドがあってほぼ解決・・・で問題は眼鏡が曇るということ。僕はデイトナのアルティシャインというのを愛用しています。高めですが経験上効果は優秀
2012-11-24 22:14:42デイトナのものはシールド専用と書いてありますが眼鏡に使用しても無論何の問題もありません。ただし使用解説通りに塗布しないと効果にムラが出るので注意・・・って、簡単なことですがね。ネックウォーマーはどれも同じですが、雨の日の多少の防水性を求めるならHyodのものが気に入ってます。
2012-11-24 22:22:24防寒グローブは熱反射素材ラミネートとか湿気発熱素材とかありますが僕の場合手が冷たくて手に汗をかかない体質なのであまり効果がない。結局、JRPの内装羊毛、鹿革のものを、ちょっと高価ですが使ってます。グローブは相性があるので、僕にとってはこれが今は最高ですが、誰にも最高とは言いません
2012-11-24 22:29:59或る作家が毛筆で原稿を書くというので、何でしょうね、と思ったら腱鞘炎で手が辛くなって色々工夫した結果らしい。金井さんに小説家も一種の肉体労働だって忘れないでねと叱られた。まあ今はコンピュータが主流でしょうが、野上弥生子さんは晩年原稿を板に立てて柔らかいフェルトペンで毎日書いたそだ
2012-11-24 22:42:50ナボコフは3Bの鉛筆でインデックスカードに書いた。中上健次が集計表だったかを原稿用紙にしていたのは有名。北杜夫さんは原稿用紙をわざわざ裏返しにして書いた。稲垣足穂さんは小学校の校庭で拾った鉛筆で新聞の挟み広告をただで貰って来てその裏に書いた・・・というのは伝説に近い
2012-11-24 22:48:32@NovaZembla1 Dans un ravin pouvait se voir une grand armoire a glace, adossee dans les douleurs de l'enfantement a un rocher."という文
2012-11-25 00:55:54ロラン・バルトの『神話学』の大判が届く。文章・構成は一緒だけれど画集サイズ。・・・ともかく、こんな本が一冊書けたら・・・といって、バルトの仕事は一回成されたら他はどう真似ようと大方惨憺たる模倣者に成るしかない、その意味で常に希有のもの。不思議な人だ・・・
2012-11-26 14:03:01さしあたりその短篇のストーリーやら出来などそれこそまったく無関係に、『親切な機械』という三島の短篇の、その題名が初読の子供の時から、残っている。親切な機械・・・と口にすると何故かホッとする。繰り返すが短篇と無関係に、この形容詞と名詞からなる語だけのこと
2012-11-26 16:57:53或はディケンズの『荒寥館』のような小説について使ってもいい。するとあの巨大な言葉の群が、何か知れない機械、親切な機械として動いているさまに変わる。「フーコー」は親切な機械である等々・・・
2012-11-26 17:03:24『透明な対象』の邦訳の少なくともその単行本に関して最大の問題点は最後の一行の位置。レイアウトの失敗? 或は意図的なものか? あれは原書でも仏訳でも一行開けで、行の頭も7文字ほど開けて「独立した」一行になっているし、なっていなければならない。邦訳単行本のレイアウト位置ではそれが曖昧
2012-11-26 17:13:00エドマンド・ウィルソンは『透明な対象』の出版年に亡くなっているからこの小説は読んでいないだろう。そしておそらく、読んでいてもあまり気に入らなかったと想像できる。或は逆に、これをきっかけに、評価していなかった『ベンドシニスター』やら『断頭台・・・』のナボコフに於ける意味を再認したか
2012-11-26 17:27:15『透明な対象』の、少なくとも単行本に関して、と書きましたが、これは単行本だけで文庫化されていないわけですね。文庫化する企画があるなら、ここだけは要改善でしょう。
2012-11-26 17:31:25『透明な対象』に関してウィトゲンシュタインとの「関係」が云々されますがそれをどの程度「真面目にとるか」は僕には分りません。はっきりとウィトゲンシュタインの名が出るのは一カ所で『論理哲学論考』4.461の「雨」についての有名な箇所、「トートロジー/矛盾」について語った場所・・・
2012-11-26 17:58:14・・・が意識された一文が見られます。ところで乱暴に言えば、或る意味では小説とはトートロジーと矛盾に関わる「言説」であるかもしれず・・・つまりは小説とは、ウィトゲンシュタインの言う「無意味」に関わる、ただひたすらそれに関わる「言説」であるということになります。
2012-11-26 18:01:44ここのところナボコフばかりですが理由は無い。たまたま斜行しているだけです。いつもこんな具合。本当はフーコー/バルトを全集で読むというのが当面の(?)行く先のはずなのが延々斜行し続けているというのが本当のところで。ところで前も書きましたが『論理哲学論考』の仏訳者はクロソウスキーです
2012-11-27 14:42:49「雨が降っている」という一文に関する執着? 例えばウィトゲンシュタインは既に見た通りですが、ベケットのモロイの末尾、或はサルトルの『嘔吐』の末尾もそう。気象的な理由なのか或はヨーロッパの小学校の綴り方本にそんな癖の記述でもあるのか? 事実It's raining. は変な文ですが
2012-11-27 14:52:03ああ、クロソフスキー訳の『論理哲学論考』は今は絶版で、古書でしか手に入らないようです。まあ、僕はいい訳−−面白い訳だと思いますが、学的にはまずいのかもしれません。文学的という意味ではなくて、彼は修道=学者を目指した男ですから、神学的論理学の癖が色濃過ぎるのかもしれません
2012-11-29 02:26:35