ゴフマンが警鐘を鳴らした「原子力社会の成熟」

結論は【表49】と【表53】になります。そして最後のチェルノブイリ事故による癌死も含めて注意するべきことは、ゴフマンの見積もりが正しかったとしても、非常に広域かつ何十年にも渡っての過剰癌死なので「統計学的有意差は出ない」という事です。小児甲状腺癌以外は有意差がなかったとする種々の疫学調査と矛盾する内容ではありません。ゴフマンは疫学調査ではとらえられない過剰癌死を、それまでに得られていた有用なデータと、妥当な仮定や近似を用いて論理的に見積もった訳です。 【旧単位】1Ci=370億Bq、1ラド=10mGy、1レム=10mSv ~ジョン・W・ゴフマン~ 続きを読む
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スカルライド @skull_ride

(70)セシウム137ただ一種類のみを考えても閉じ込め率99.99%では不十分であることを示した。もし閉じ込め率が99.99%しかなければ、毎年数万人もの過剰ガン死が、将来の原子力社会で発生する。

2012-12-10 12:42:46

そして閉じ込めが破綻したチェルノブイリ事故

スカルライド @skull_ride

(71)調査したすべての報告書に基づいて、チェルノブイリ事故による集団被曝線量(線量預託)は1億2740万人・ラドになると私は予想した。後になって被曝線量を低い方に修正しようとする動きがあるが、これらはいずれも信用することはできない。

2012-12-10 12:42:56
スカルライド @skull_ride

(72)この本では年齢構成と男女について平均した危険度として268人・ラド当り1件のガン死が出ると算定している。白血病については6500人・ラド当り1件の白血病死と評価している。

2012-12-10 12:43:06
スカルライド @skull_ride

(73)これはチェルノブイリの影響で47万5368件のガン死が、これから数十年間に発生することを意味する。さらに19600件の白血病死が発生することになる。この私の算定値が世界中の原子力産業に衝撃を与えたのは当然である。

2012-12-10 12:43:16
スカルライド @skull_ride

(74)私以外にも多くの専門家が集団被曝線量の値を評価したが、驚くべきことに彼らの値も私の値とたいして違ったものにはならなかった。だから被曝線量の値に関しては原子力産業側は何らの慰めも見出せない。

2012-12-10 12:43:26
スカルライド @skull_ride

(75)ガン死数を算定する上で残っているもう一つのポイントは被曝線量からガン死数を算出するための危険度係数である。しかしこの本の読者であれば、いろいろな委員会が出している危険度係数が途方もなく間違ったものであることをすでに知っている。

2012-12-10 12:43:37
スカルライド @skull_ride

(76)だからチェルノブイリ事故によるガン死者数について、私が算定した値より1/10から1/40もの小さな数字が巷にあふれていても一向に不思議でも驚きでもない。これらはすべて被曝線量からガン死数を算出する際に誤った危険度係数を用いているからなのである。

2012-12-10 12:43:46

関連まとめ

まとめ ゴフマンがLNTモデルと集団線量を用いて放射線による公衆の癌死リスクを見積もった真意を、その著書からひも解いてみる。 集団線量を用いて公衆の被曝リスクを評価してはいけないという考え方があります。それは低線量あるいは極低線量領域の放射線が人体へ与える影響の不確実性によるというリーフさんとマキリンさんの以下のやりとりが大変参考になります。 http://togetter.com/li/238814 ただ「人間と放射線」を読んでいて感じるのは、ゴフマンは細胞レベルの発癌メカニズムから考察してLNTモデルの比例直線が極低線量領域まで成り立つという確信を持っていたという事と、不確実性を理解しながらあえて集団線量を用いていたのではないかという事です。 なにせ777ページもの専門書なので、素人の僕がどこまで理解しているのか怪しいものですが、ポイントとなりそうな記述を抜き出してみました。 7202 pv 127 1 user 1
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