帝國憲法に於ける國體と改正限界の纏

憲法論に於ける「國體」をば明確に定義し、且つ明確に當時(帝國憲法下)の憲法解釋に於て改正限界聢と存せし事をば認む可し。
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くゐかう(キコー) @kisling45

憲法・清水澄博士 http://t.co/uu7wgc0f 國法學第一編憲法篇・清水澄博士 http://t.co/iv6BuizM 國法學第一編行政篇・清水澄博士 http://t.co/C4D3hGVZ 國法學・美濃部達吉博士 http://t.co/zXUTh7Os 無効論

2012-12-21 04:11:22
くゐかう(キコー) @kisling45

清水澄法學博士講述「國體論」より一部拔粹 「(帝國憲法)第一條の「大日本帝國憲法ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と云ふ事は憲法に依つて初めて定められた事ではないのでありまして、我國國體上建國以來定まつて居る事であります。―― 無効論

2012-12-22 12:07:27
くゐかう(キコー) @kisling45

――日本の國體はかうだと云ふ事を憲法の初めに於て明かに示したに過ぎないのでありまして、此所に新規にさう云ふ事を定められたものではない。從つて憲法に依つて夫が更に確定されたとか、更に認定されたと云ふ次第では全然ないのであります。―― 無効論

2012-12-22 12:08:38
くゐかう(キコー) @kisling45

――夫故に我日本國の國體は帝國憲法の制定に依つて何等影響を受けて居らぬのであります。却つて憲法は國體の結果でありまして、國體の結果帝國憲法が出來たのである。日本の帝國憲法は御承知の通り欽定憲法で、之は何人も知つて居ることでありますが、―― 無効論

2012-12-22 12:09:23
くゐかう(キコー) @kisling45

――何故に日本の憲法が欽定憲法であつたのであるか、偶然に欽定憲法が出來たと云ふ次第ではないのである。我日本に於て憲法を制定するならば欽定憲法たらざるべからざる關係があつて、憲法が欽定されたのでありまして、偶然の結果では決してないのであります。 ―― 無効論

2012-12-22 12:09:57
くゐかう(キコー) @kisling45

―― 外の国に於ては新に憲法を制定するに當り、多くは議會の議決を經て出來て居る。本來は憲法に依つて議會の組織が定まるのでありますから、其憲法を制定するときにはまだ形式の憲法上の議會が無い。其所で民選議會を假に設けまして、其議會に憲法の成案を付し、―― 無効論

2012-12-22 12:10:52
くゐかう(キコー) @kisling45

――それが可決になつて憲法を發布して居ると云ふ例でありまして、我日本のやうに純然たる欽定憲法は外に例がないのであります。外國にてはさうしなければ治りが付かない關係があつて、憲法を制定するときには假に議會を組織しまして、之に付議して居ると云ふ次第であつたのであります。―― 無効論

2012-12-22 12:11:22
くゐかう(キコー) @kisling45

――我日本の憲法はさう云ふ手續を經る必要はないのである。卽ち日本の國體では天皇が統治者で在らせられ、如何なる方法で國の統治を爲さるゝかと云ふ事は大皇が御定めに爲るべき事柄であります。―― 無効論

2012-12-22 12:12:20
くゐかう(キコー) @kisling45

―― 從つて議會に付議する必要は更にない。それですから純然たる欽定憲法が出來る次第であります。かう云ふ訣でありますから、唯偶然欽定憲法が出來たやうに考へては非常な間違である。我國體の結果欽定憲法が出來たと云ふことを能く留意しなければならぬのであります。―― 無効論

2012-12-22 12:12:54
くゐかう(キコー) @kisling45

――(畧) 憲法第七十三絛に將來此の憲法の條項を改正するの必要あるときには、かう云ふ手續を履まなければならぬと云ふことが規定されて居るのであるが、若し之を誤解して、憲法第七十三條の規定に依れば、―― 無効論

2012-12-22 12:14:12
くゐかう(キコー) @kisling45

――帝國憲法中の何れの條項でも改正變更が出來るのであると思つては非常な間違である。先づ第一に憲法第一條を考へて見る。憲法第一條は日本の國體に關する重要な規定である。―― 無効論

2012-12-22 12:14:44
くゐかう(キコー) @kisling45

――第七十三條の規定に依れば第一條も變更が出來ると考へては大變な話である。憲法の中には國體に關する規定と、國體に關係の無い規定とある。國體に關係のある規定は憲法を以て絕對に動かす事は出來ない。 ―― 無効論

2012-12-22 12:15:23
くゐかう(キコー) @kisling45

――日本の憲法と天皇の關係に就いては先程申したやうな訣で、天皇が統治者に御在りになつて、其統治權で憲法を作られたのでありますから、憲法は天皇に依つて定められたのである。白耳義のやうに憲法に依つて君主を設けたと云ふやうな關係ではない。―― 無効論

2012-12-22 12:16:07
くゐかう(キコー) @kisling45

――だから憲法に依つて何れの條文でも變更が出來ると思ふては非常な間違である。憲法中國體に關する規定は觸るゝことが出來ない訣である。若し憲法に依つて國體を動かすことが出來るとすれば、所謂末を以て本を推すと云ふ事になりますから、―― 無効論

2012-12-22 12:16:40
くゐかう(キコー) @kisling45

――憲法中の國體に關する規定は第七十三條の規定に依つても絕對に改正することが出來ないものと謂はなければならぬのであります」 無効論

2012-12-22 12:17:11