東大院生による人間の性行動に関する論文☆クリスマス☆連続レビュー
- Madam_toad
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ヒトの性行動・配偶行動の進化に関する論文をweb of scienceとか使って片っ端から渉猟し、その要旨をつぶやいていこうと思います!(笑) 23日から26日の4日間で100本の論文を読むことを目指します!!!(笑) @shoko_fg kwsk
2012-12-18 23:47:32修士研究と、就活の自己アピールネタと、世間への反骨とを同時に成し遂げる、すばらしいアイデアじゃあありませんか!!!
2012-12-18 23:49:26Gonzaga Gc et al.(2008) "Love, desire, and the suppression of thoughts of romantic alternatives" Evol. hum. behav.// http://t.co/Q7FGhqK
2012-12-23 23:27:16Gonzagaら(2008)は、恋に落ちることは、浮気する(つまりパートナー以外の他の魅力的な異性のことについて考える)ことを抑制するのではないかという仮説を、エッセイを書かせるという独特の方法?で検証している
2012-12-23 23:29:02被験者は魅力的な異性の写真(the alternative)に関するエッセイを書いたあと、パートナーに関するエッセイを書くが、書いている最中にalternativeに関する考えがでてきたら、チェックをつける。
2012-12-23 23:29:35パートナーに関するエッセイを書くとき、パートナーに対する愛を書く群と、パートナーに対する性欲を書く群、思いついたことをとりとめもなく書く群とに別れる。
2012-12-23 23:29:47チェックの合計と、the alternativeに関してどのくらい覚えているかを見ると、 パートナーへの愛を文章に書いた群においては、そうでない群に比べて、the alternativeへの考えが抑制されている(チェックの数が少ない)。
2012-12-23 23:30:10また、パートナーへの愛を文章に書いた群においては、そうでない群に比べて、the alternativeの写真のディテールを覚えていない。
2012-12-23 23:30:15すなわち愛によってパートナー以外の他の魅力的な異性のことについて考えることは抑制されうる。 ただし、いずれの結果も、まず先にthe alternativeのことを考えることを意識的に抑制しながら文章を書いた場合にのみ成り立つ。
2012-12-23 23:30:33...以上。Gonzaga et al.(2008)について。なおこの人たちの実験手法はけっこう複雑で140字では説明が難しいので気になる人は自分で見てください
2012-12-23 23:31:36Simmons et al.(2004)"Human sperm competition: testis size, sperm production and rates of extrapair copulations" // https://t.co/1Btb4pF
2012-12-24 01:31:17人において精子競争は重要な選択圧であるかどうかということについての研究。オーストラリアの学生を被験者に募り、パートナー以外とセックスの関係をもったかどうかと、精巣サイズの大小に関係があるかどうかを調べている
2012-12-24 01:32:01結果として、過去にパートナー以外とセックスの関係をもったグループと、そうでないグループとの間に、精巣サイズの差は見られなかった
2012-12-24 01:32:20したがって、最近論争の的になっている「EPCsを通じて精子競争に特化した男性と、一夫一妻の関係を築こうとする男性との、2つの多型が集団内に平衡して存在していることを、精巣サイズに関する頻度分布が反映している」という主張の証拠は、見つからなかった
2012-12-24 01:32:59...以上、Simmons et al.(2004)について。余談だが、被験者を募った時点で2~3割がパートナー以外とセックスの関係を持っていたという事実の方がアレな感じ(ただしランダムサンプリングとなっていない可能性が高いことは著者らも認めてる)。
2012-12-24 01:33:49"Risky Sexual Behavior and Correlates of STD Prevalence Among African American HIV Serodiscordant Couples" // https://t.co/dLmHapF
2012-12-24 02:41:31カップルの一方がHIV感染者である場合のリスキーな性行動、ここではコンドーム非着用の挿入、と、性感染症の感染の実態を調査した基礎的な、しかし規模が極めて大きな研究。4年間ほどかけて535のAfrican-Americanカップルについて調査を行なっている。
2012-12-24 02:42:12コンドーム着用の挿入率については、男性がHIV陽性のカップルで約5割、女性がHIV陽性のカップルで約4割となっている。性感染症の流行率については、女性の膣トリコモナスの感染率が著しい。男性において、HIV陰性と陽性で性感染症感染率を比較すると、陰性の方が性感染症への感染率は高い。
2012-12-24 02:43:22