【対談】小林泰彦 vs 小出裕章 「東葛から問う」放射線対策と原発の明日(2013/01/19)
小出裕章「プルトニウムは生物毒性が大変高いですが、それでも放出量が圧倒的に少なかったので、私はセシウムに注意をするという事が一番大切なことだと思っています。」「ただし、海洋流出ではセシウムとひょっとすると等しいぐらいるかも…。ですから今後、海の汚染ではストロンチウム90に注意を」
2013-01-22 16:41:44質問「日本は地震国…原発設置法の法律を変えないといけないと思うんですが…」 小出裕章「もちろん(原子力をどんどん進めるという)法律を変えるべきだ。原子力をこれから廃止するという法律をきっちりと定めるべきだと私は思います。」
2013-01-22 16:45:52質問「小林先生は、5歳以下のお孫さんがいらっしゃった場合は、毎日、例えば1ベクレルの食べ物を食べさせますか?」 小林泰彦「1ベクレルだったら大丈夫ですね。いま頭の中でパッっと計算しました。」
2013-01-22 16:48:17質問「小林先生は柏市に住めるということですね?」 小林泰彦「はいもちろん。仕事と住む所があれば家族で住みます。」 質問「はい。じゃあ是日近いうちに。」 小林泰彦「仕事の世話をしていただければ。」
2013-01-22 16:50:30質問「先ほど柏に住むのは全然問題が無いと仰いましたが、いわゆる放射線管理区域というものに相当する地域ですね?そういう区分け自体が無意味だと考えているという事ですか?」
2013-01-22 16:52:11小林泰彦「放射線管理区域は(人が)住むかどうかの区分けのための基準ではありません。あれは全く汚さないのに近い形で、(放射性物質を)綺麗に管理する、そのための基準です。」
2013-01-22 16:53:49質問「その管理区域の中ではいろいろとやってはいけない事があって、でも住むとなったらそういう事をやるわけですよね。それでも全然関係ないとお考えですか?」 小林泰彦「それは程度の問題です。その自然の放射線の受けている量に比べて、どれぐらいまで増えたら平気かなという、その感覚の問題。」
2013-01-22 16:57:05質問「ICRPのリスクモデルというのは、放射性核種が体内で均一に分布すると仮定しています。しかし、ユーリ・バンダジェフスキーは死体解剖などから生体内におけるセシウムの分布が一様ではないと。ですからこのようなICRPのリスクモデルが健康影響を考えるために使えるのかどうか?」
2013-01-22 17:01:26小林泰彦「全くごもっともです。体内分布が分からないと見積もりようがない。それは非常に難しい。所詮シーベルトなんていうのは目安ですから、大体の目安で安全(防護側)にしておこうと、ですから万能ではないというのはおっしゃる通りです。」(決して放射能は安全って事にしようという話ではない)
2013-01-22 17:04:28司会「1ミリシーベルトというのが倫理的な基準であると小林さんは仰いましたが、1ミリシーベルト以下を目指している柏市の除染というのはどういうふうにお考えになりますか?」
2013-01-22 17:07:28小林泰彦「倫理的なというのは、もう十分に低いから、適当に止めてもいいよという判断は正しくない。だから放射線を事実上ゼロとみなして見なくてもいいという所まで、元通りに近いところまで除染するのは、倫理的に求められているという事です。健康に影響が出る恐れが高いからという意味ではない。」
2013-01-22 17:10:32小出裕章「私はもう繰り返して言っていますが、子どもたちに被ばくのしわ寄せをするという事は、私はやるべきではないと思っていますので、限りなくこれからも子どもたちの被ばくを減らすための(除染)作業というのを続けて欲しいと思っています。」
2013-01-22 17:12:07司会「今日の講演会は、小出さんが「原子力を研究している方と是非お話しをしたい」という事でいろいろと当たりました。「原子力文化振興財団」という所があって講師を派遣しているという事を聞きまして、そこにお願いをしたんですけれども、「対談はイヤだ」と断られたんですね。」
2013-01-22 17:15:11司会「でも、それでも是非、紹介ぐらいして下さいと…それで、小林先生が「じゃあいいですよ」って言って来て下さったんです。本当にありがたく思っております。今後も是非こういう講演会が各地で行われよう、この会が発端となって出来ることを望んでおります。本当にありがとうございました。」 (了
2013-01-22 17:20:10