経済の理想と現実 ~まおゆうの描写から~

『物々交換では不便だから、何とでも交換できるお金をベースとした貨幣経済が普及した』という簡単な話でもないんだよね
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こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@crowserpent 違いますよ、製品やサービスの流動性が貨幣に比べて低い、そして労働力はそれ以上に低いからこそ、流動性の高い貨幣を持った「買い手」の側が著しく有利になる、ということです。流動性が高いというのは、「いくらでも他に取引相手がいるよ?」ということなんですから。

2013-01-13 22:26:42
烏蛇 @crowserpent

@kogemayo んー。私は先ほどTweetしたように、プロテスタンティズムと資本主義の関連性自体が眉唾くさいと思ってる(近代資本主義化が真っ先に進んだイギリスでプロテスタントが多数派でなかった)ので、「近代化=プロテスタンティズムへの押しつけ」という議論も支持できません。

2013-01-13 22:26:49
烏蛇 @crowserpent

@kogemayo 貨幣に比べて、というのは理解してますよ。労働力はともかく、製品やサービスが貨幣に比べて流動性が著しく低いというのはどうなんだろ、ってことです。明確に間違いだとは言えないんですが、なんか違和感があるなと。

2013-01-13 22:33:14
こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@crowserpent 低いのは当然でしょう、貨幣は何とでも交換できる以上それをほしがらない人はまずいませんが、製品やサービスどころか株式などの証券でさえも他人がそれを欲しがるかどうかはわからない、欲しがってる人を探さなきゃならない http://t.co/ikFCI3NC

2013-01-13 22:44:02
烏蛇 @crowserpent

@kogemayo ええ、だから、要はその流動性の差が、市場の効率性を無視できないくらい損ねるほど大きなものであるかどうか、ですよね。

2013-01-13 22:49:25
烏蛇 @crowserpent

@kogemayo 流動性は商品の性質によっても差が出る(たとえば「家」のような不動産と「米」のような食品とでは全然違う)ので、商品一般について貨幣との流動性の落差を考えるのは難しいような気が。

2013-01-13 22:58:23
烏蛇 @crowserpent

@crowserpent @kogemayo それと、貨幣と商品の流動性の差により非効率が生じるというのはいいとして、それがプロテスタンティズムとどう関わってるのか、結局のところよく分かりません。

2013-01-13 23:00:08
こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@crowserpent 貨幣とそれ以外との差に比べたら、特定の製品やサービス間あるいは特定の製品やサービスと労働力との差に比べたら微々たるものかと。だから世界中で「物々交換」はすたれ、「文明」とすら呼べない古代以前から貨幣経済が導入されてきた

2013-01-13 23:02:00
こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@crowserpent 要するに、本来貨幣を持つ「買い手」が著しく有利な不完全市場であるところが、プロテスタンティズムによる労働への宗教的敬意によってかさ上げされ、流動性に差があるモノ同士の取引でも一見「完全市場」に見えていた、今までの経済学はそこを勘違いしていたのではないかと

2013-01-13 23:05:31
こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@crowserpent 要するに、日曜日は強制休業8時には強制閉店、あるいは国鉄のストに対して消費者が同調する社会と、労働運動に対して消費者がhttp://t.co/M8iKIyvJのように牙をむく「モンスター消費者」な社会との差、ってこと

2013-01-13 23:13:49
烏蛇 @crowserpent

https://t.co/UbjMWipj https://t.co/WyXEBFNn うーん、何か色々混同されてるような気がするけどはっきり分かんない…。

2013-01-13 23:24:38
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@kogemayo @crowserpent 貨幣の流動性の話ならいくらでも乱入します(専門は中国貨幣史)が、まおゆうは読んでません。ただお二人のTLを読んだ限り、まず読むべきは黒田明伸「貨幣システムの世界史」かなと思いました。

2013-01-13 23:01:54
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo まず、近代以前における西欧貨幣の特徴としては金貨・銀貨といった高額通貨が一般であり、必然的に流通している絶対量が少なくなります。(註:比較対象にしているのは数億貫文単位が発行された中国の一文銭です)

2013-01-13 23:12:49
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo そのため、現に流通している量や発行すべき絶対量を為政者(というか貨幣発行者)が把握しやすいです。なので西欧で貨幣が発掘されると、同時期の貨幣がまとまって出てきます。開元通宝と寛永通宝が同時に出てくる中国とは大違いです

2013-01-13 23:15:13

しれっと書いている寛永通宝は日本の寛永通宝です。実は中国で出土するのは珍しくなかったりします。一方の開元通宝は唐朝が発行した銅銭で、初鋳は618年です。

儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo ちなみに比較対象にしている中国の場合は基準が一文銭で、たとえば宋銭の総鋳造数は3億貫文ほどあります(1貫文=1000文)。これだけになると当然、一度に回収して新発行し直すことは不可能ですから民間にある既存銭の流通停止もできません

2013-01-13 23:19:42
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo で、話を西欧に戻すと。金貨・銀貨では小規模の売買には規模が大きすぎ、なおかつ釣り銭となるべき少額通貨は十分にありません。なので信用取引が盛んになります。14世紀英国・コールチェスター市の裁判記録が残っているのですが(続く)

2013-01-13 23:25:32
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo (続き)この市は自治都市で、独自の法廷を持っていました。その裁判には金銭関係の訴訟が多く、しかも少額訴訟だらけです。1387年には654件の債務訴訟があり、うち458件が1ポンド以下です。

2013-01-13 23:28:24
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo で、現金取引してたらそんなことになっていないはずで、貨幣不足から信用取引が盛んになったことがうかがえます

2013-01-13 23:31:55
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo なお、子牛一頭が1ポンド、1日の労賃が半シリングです。なので1ポンド≒子牛1頭≒2ヶ月の労賃 というだいたいの換算が成立します。(1ポンド=20シリング)。ちなみに654件中、1シリング以下の案件すら34件あります

2013-01-13 23:35:38
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo 通説的には16世紀のポトシ・石見銀山の発見で世界に貴金属が増えて貨幣経済の浸透と価格革命が起こった……ということになっているのですが、価格革命後の17世紀フランスでも農民はおろか商人ですら十分に貨幣を持っておらず(続く)

2013-01-13 23:40:09
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo (続き)17世紀フランスの農民が残した遺言状には「○○にいくらの(信用取引上の)貸しがある」ということが、藁の代金まで細かく書かれていることがよくあるらしいです

2013-01-13 23:42:21
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo で、貨幣は流動性が高いって?(笑) じゃあその貨幣とやらを持ってきてくださいよ(中世ヨーロッパのある農民を代弁してみる)

2013-01-13 23:45:29
儀狄@パブリックエネミー @giteki

@crowserpent @kogemayo とまぁ貨幣の流動性なんぞ疑ってかかっていますが何かまおゆう(における経済描写)関係で質問ありますか

2013-01-13 23:51:02
こげぱん@止めよう不要不急のエロ規制 @kogemayo

@giteki @crowserpent なるほど、つまり私の言っていることもまおゆうにおける経済描写も同様に非現実的である、ということですか?むしろだからこそ「蓄財」、貨幣の蓄積をこそ善とするカルヴィニズムがそういう実物本位制資本主義と相性がいい、

2013-01-13 23:55:52