日販総量規制の噂の何が問題なのか?~佐々木俊尚氏が解説~

RT @kohyu1952: @sasakitoshinao佐々木さんどうも。日販が総量規制する話、知ってますか?資金繰りの為に出版社が新刊を出せなくなりそうです。どこまで進むかどうか分からないけど。いずれにしても今年の出版界は政治と同じように動乱の年になりそうです。
2010-01-31 17:21:14
たとえば卸値500円の本を1万部刷って、出版社が取次に卸します。この際重要なのは、売れた分だけ取次からお金をもらうのではなく、取次に委託した分すべての金額をいったん取次から受け取れること。つまりこのケースでは500万円収入。
2010-01-31 17:40:15
でも仮に1万部のうち書店で5000部しか売れず、残り5000部は返本されたとします。そうすると出版社はこの5000部分の代金250万円を、取次に返さないといけない。これはたいへん!
2010-01-31 17:41:06
そこで出版社はあわてて別の本を1万部刷って、これをまた取次に卸値500円で委託します。そうするといったん500万円の収入になるので、返本分250万円を差し引いても、250万円が相殺されて入ってくる。
2010-01-31 17:41:57
これこそが永江朗さんが言っている「本の金融化」といわれる恐ろしい状態。出版社は返本分の返金を相殺するためだけに本を刷りまくるという悪のスパイラルへと陥っていくのです。
2010-01-31 17:42:56
ここで取次側が総量規制をするとどうなるか。出版社の側は返本分をカバーするだけの新刊本を取次に卸せなくなり、これによって取次に返金しなければならなくなる事態が、ついに到来してしまう。
2010-01-31 17:43:51
取次はこれまでは書籍流通プラットフォームとしてお金が集まっていたので、なんとかこのバブルを維持できていましたが、出版業界全体が縮小する中でそろそろお金を回せなくなってきている。
2010-01-31 17:45:08
もう「本の金融化」を維持させるだけの体力がなくなりつつあるということです。これがバブル崩壊。バン!で出版社が次々に倒れていく最初の兆候。以上、説明終わりです。
2010-01-31 17:45:47