POSSE代表 今野晴貴「ブラック企業の見分け方」

就活生もその親も必読。 (参考動画) POSSE 今野晴貴:若者を使い捨てるブラック企業 http://youtu.be/WSTNHHXf3gM
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今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(1)私はこれまで「見分け方」から距離をとってきた。なぜなら、「見分け方」ばかりを強調すると、「見分けられなかった」ときに、「見分けられなかった自分が悪い」と、若者を追い詰めることになりかねない。だから、見分け方よりも、入った後の対処法の方が大切なのだ。

2013-02-19 11:50:35
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(2)だが、最近では、ブラック企業の「見分け方」をより適切に考察し、広げる必要性を感じている。先日のNHK福岡での就職活動生との対話の中で、学生の方々が、いかに会社選びで悩んでいるのかに触れたのも、その契機である。入社した後の対処に加え、「見分け方」も重要だ

2013-02-19 11:51:02
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(3)ブラック企業を見分ける第一の指標は、離職率である。ブラック企業の特徴は大量採用・大量離職にある。離職の理由は、企業に早期「選別」されて、いじめてやめさせられるものと、長時間過酷労働を強いられてリタイヤするものがある。その結果、社員の平均年齢も若い。

2013-02-19 11:51:22
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(4)したがって、企業規模の割りに大量に採用している会社、平均年齢の若い会社は要注意だ。たとえば、あるIT企業では、1000人の規模の会社に、毎年200人を雇う。そして、「選別」し、一年で半分以上がパワーハラスメントなどによって、自己都合退職に追い込まれる。

2013-02-19 11:51:36
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(5)ただし、離職率については、注意も必要である。女性の多い職場や、リクルートや野村證券のように、「きついけど見返りのある企業」も中には存在するからだ。女性が早期退職する問題や、「一攫千金」の職場と、若者を使いつぶす会社の区別は必要だろう。

2013-02-19 11:51:51
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(6)私は、きついけど見返りのある企業を「マグロ漁船型企業」と呼んでいる。たとえば、リクルートに入れば、人脈をつけたり、大金を稼いで独立できる可能性がある。きついことも分かっている。確かにそれは違法労働かもしれないが、ブラック企業のようなだまし討ちとは違う

2013-02-19 11:52:25
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(7)「マグロ漁船」だと気づかずに入ってしまうと、そこには不満が生じる。こうした自体を「ミスマッチ」と呼ぶのであろう。(ただし、長時間過酷労働を可能にする、日本の企業社会自体にも問題がある。日本社会全体が、人類とミスマッチだといってもいいだろう)。

2013-02-19 11:53:24
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(8)ブラック企業の場合には、単なるマニュアル労働を、超長時間にわたって強いられ、あっというまに心身を蝕むことになる。継続不可能な労働なのだ。あるいは、「選別」のために、いきなりいじめられて鬱病に追い込まれる。ミスマッチなどという生半可なレベルではない。

2013-02-19 11:53:39
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(9)このように、離職率だけでは、ブラック企業だと「断定」はできない。ブラック企業を見分ける第二の指標は、「不当な労務管理」である。これは、働き続けられないような労働を、企業が強いてくるのかどうかを見分けるために有効だ。

2013-02-19 11:53:57
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(10)不当な労務管理とは、たとえば、固定残業代のように、基本給の中に残業代分が含まれている場合である。これは、完全に学生を「だます」ことが目的の制度である。また、裁量労働制を採用している企業も、限りなく怪しい。

2013-02-19 11:54:10
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(11)固定残業代や、裁量労働制は、「給料を高いように見せかけ」ることが目的で導入される。裁量労働制とは、たとえば、月給20万円であとは残業代が一切つかないといった働き方。無限サービス残業制度である(本当は違うが、企業はそのように使う)。

2013-02-19 11:54:24
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(12)さらに、外食、小売などではよく「管理監督者」の制度を店長に適用する。「管理監督者」とは、社長や役員など経営者と同じ身分。どれだけ働いても、一切残業代はつかない。だから、店長は土日も、平日の夜も、原理的には一切休みがない。死ぬまでの無限労働責任。

2013-02-19 11:54:36
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(13)実際、「管理監督者」を導入しているブラック企業では、過労死・自殺、鬱病患者がおびただしい数生み出されている。だが、会社の言い分はこうだ。「バイトをうまく使えば、休める。死んだのは無能な店長」。逆に言えば、「バイトをうまく使えねば、死ね」ということだ。

2013-02-19 11:54:51
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(14)固定残業代にしても、裁量労働や管理監督者にしても、若者の命を限界まで削らせて、長時間、安く使おうという制度である。だからOB訪問のときには「職場環境がいいか」などと話を聞くよりも、どんな労務管理をしているのかを聞く。そして、これらがあれば、ブラックだ

2013-02-19 11:55:07
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(15)長時間低賃金をごまかす固定残業代や裁量労働制を導入している企業は、はじめから学生を「だます」つもりである可能性が高い。また、採用過程で条件が変わる企業も同じだ。契約は「合意」で成り立つ。そのため、話を変えても、最後に「入社します」と言わせれよい。

2013-02-19 11:55:57
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(16)だから、途中で少しでも「話が変わったな」と思ったら、その企業はブラック企業である疑いが濃厚。最後、他の内定先をけって本契約を結ぶときになって、いきなり「固定残業代だよ」ということになる。そうしたら、もう逃げられない。第三の指標は、話が変わること

2013-02-19 11:57:13
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(17)最後に、第四の指標は「違法行為」。ここまで見てきた分かるように、実は、ブラック企業の手口には違法なものも、違法でないものもある。だから、違法かどうかは参考にはなるが、「違法でなければブラック企業ではない」ということにはならないことに注意が必要だ。

2013-02-19 11:57:28
今野晴貴 @konno_haruki

ブラック企業の見分け方(18)以上が「見分け方」であるが、採用された後にブラック企業に気づいたり、他に行き場がないときもある。そうした場合の対処法も、同時に考えてほしい。入ってから考えるのは、より大変だから。『ブラック企業』(文春新書)に、見分け方の他、入った後の対処法も記載した

2013-02-19 11:58:20