経済学PhD Studentによる「小野理論」の「政策論」と「元論文」のロジックのちがいに関する解説

Public FinanceのPhD Studentである@akknkさんが、「小野理論」の「政策論」と「元論文」のロジックのちがいについて解説してくれました。 私はこの話題をすべて追っていたわけではないので、関連するツイートは集めていません。ひとまず@akknkさんがナンバリングをされているツイートだけを時系列順にまとめてあります。適切だと思われるツイートを適宜追加してくださると助かります。 元論文: 続きを読む
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Yuichiro Waki @yirwk

@tetteresearch 不均衡は生じません。小野モデルで更に特殊なのは、硬直価格ケースでも企業・家計はプライス・テイカーで、価格は「与えられた」反応関数に従って変動します。岩本先生が指摘されているのはこの部分ですね。

2010-08-31 13:59:29
K. Teshima 手島健介 @tetteresearch

@yirwk 補足ありがとうございました。とても勉強になりました。頂いた情報、後で@mixingale さん作成のまとめに付け加えさせていただこうと思います。しかし、ご指摘いただいた要素を実証の土台に載せるのなかなか難しそうに思いました。

2010-08-31 23:57:20
Yuichiro Waki @yirwk

@tetteresearch 私が指摘した不均衡の部分について「実証の土台に載せるのはなかなか難しそう」というのはその通りですね。岩本先生の指摘は小野モデルにおけるフィリップス・カーブの形状の設定も含むので、そこについては実証に持っていくのも不可能ではないだろうと思います。

2010-09-01 13:17:13
Yuichiro Waki @yirwk

とはいえ、小野モデルの要素のうち最初に実証分析の俎上に載せるべきなのはいわゆる貨幣需要関数でしょう。ただ、IER論文におけるそれはデータと整合的でないだろうと私は思っていますが。@tetteresearch

2010-09-02 13:38:06
岩本康志 @iwmtyss

@yirwk @tetteresearch 「実証分析の俎上に載せるべきなのはいわゆる貨幣需要関数」 ものすごく簡単に言ってしまうと,正の名目金利で流動性の罠が生じると言う小野理論の帰結は,ゼロ金利まで行ってしまった各国の経験によって否定されたことになります。

2010-09-03 00:28:17
Yuichiro Waki @yirwk

@iwmtyss 私が「データと整合的でないだろう」と思ったのはまさにそこです。小野モデルで名目金利が著しく低くなるような均衡があるとすれば、標準的な効用関数の下では消費が非現実的なほど小さくなっているはずですから。@tetteresearch

2010-09-03 13:27:10
岩本康志 @iwmtyss

@yirwk @tetteresearch Ono, Ogawa and Yoshida (2004)について,ものすごく簡単に言ってしまうと,芦屋のお金持ちがたくさん金融資産持っているような状態を表しているのではないか。セミナーで私がそう発言したことがあります。

2010-09-03 00:32:59
K. Teshima 手島健介 @tetteresearch

@iwmtyss: ご教示有難うございます。ノンパラでの消費と流動性の関係からお金を無限大に飛ばした時の消費の推測なので、流動資産の持主トップ層同士の差が推測に一番効く+流動資産とその他資産相関してる=芦屋のお金持ちがたくさん金融資産持っているような、でしょうか @yirwk

2010-09-03 06:38:04
岩本康志 @iwmtyss

@tetteresearch @yirwk 若くない人間は,同じことをもっとローテク表現で考えてしまいます。横断面で消費(縦軸)と通貨保有(預金通貨含・横軸)の散布図を描いて,フラットになる領域の数値を読み取ると「芦屋のお金持ちが...」という話ではないのかなあ,という感じで。

2010-09-03 07:27:37
K. Teshima 手島健介 @tetteresearch

@iwmtyss: 抽象と現実を行き来する訓練が私はまだ甘くてすぐ「芦屋のお金持ちが...」までいかなかったので論文側の手法、表現に沿って同じことかどうか確認させていただきました。「芦屋のお金持ちが...」のガイドのお陰で図の理解が楽でした。有難うございます。@yirwk

2010-09-03 07:41:55
岩本康志 @iwmtyss

@akknk @mixingale @tetteresearch @yirwk 拙稿の注17が話題に上ってましたが,フィリップス曲線の詳しい議論は福田慎一(1996)「小野善康氏の「不況定常状態とインフレ-供給曲線」に対するコメント」『経済研究』第47巻第1号にあります。

2010-09-03 07:35:13
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

http://bit.ly/du2xe4) 教授レベルの方々の応答があり、次に(2)PhDレベルの専門家の解説があり、まわりに(3)私のようなマクロや金融の専門ではないが専門が経済学なので話はわかるという人間がいて、

2010-09-01 02:19:53
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

さらに(4)専門は経済学ではないが学術的な訓練を受けていてどんな分野の話であれ筋の通った議論ならフォローできるという方々がいて、最後に(5) 一般の方々の反応がついて、しかもそれらが全部web上で一覧できる、という構造になっているのがとても素晴らしいと思う次第です。

2010-09-01 02:20:39
K. Teshima 手島健介 @tetteresearch

5層がそれぞれに連なっていてコミュニケーションコストの低い層間でやり取りが起こって全体的にも活発になっているという形がいいのかなと。

2010-09-01 04:57:54
akknk @akknk

「PhDレベルの専門家」というのは、モダンマクロのプロである@yirwkはともかくとして、私についてはちょっと過分です(まだまだ修行中の身ですので)。ともあれ、見やすくまとめていただいてありがとうございました!@mixingale @tetteresearch

2010-09-01 11:47:45