「ねぇねぇ、回転する円盤の各点の速度ベクトルから、ある一点の速度ベクトルを一律に差し引いたら、どうなるか知ってる?」
2013-03-04 13:11:22剛体の力学の難しさって、力やトルク、角運動量云々以前に、単なる運動学の段階で一種の「悟り」を開かないといけない部分があるように思う。
2013-03-04 14:05:08例えばフリスビーを投げたとき、はたして円盤の中心は「回転の中心」という特別な場所なのか?どういうレベルで「特別」なのか?といった問い。
2013-03-04 14:07:40剛体の(力学以前の)運動学の基礎にあるのは、「剛体の各点は距離を変えない」ということ。ここからいろんなことが導かれるが、なかなか意識していないことも多い。
2013-03-04 14:09:36「回転」というと「円を描いて回り続ける」という状況を、どうしても想像してしまうなぁ。tiltingみたいな用語ないかな。
2013-03-05 08:34:34質点の速度を考えるときに、それは「瞬間の速度」であって、その速度でずっと動いているとは限らないのと同様、角速度も「瞬間の角速度」であって、その角速度で綺麗に円を描いて回転しているとは限らない。当たり前なのだが、僕の場合は「質点の速度のときに充分悩んだでしょ」で済まなかった。
2013-03-05 09:12:51剛体の運動が並進運動と回転運動に分けられる、という話にもずいぶんとハマった。なんというか剛体は、別に「質量中心(重心)のまわりに回ろうと思って回っている」わけではない。←意味不明だ、なんて言えばいいんだ(汗)
2013-03-05 09:50:45脱線するけど、質量中心を「重心」と呼ぶと、重力が掛かってない状況では関係ないように響いてしまうので、以下では「質量中心」と呼ぶ。
2013-03-05 09:50:54便宜的に剛体の一点に着目して、各点の速度ベクトルから、その点の速度ベクトル(一般には刻一刻と変わる)を差し引いたもの(相対速度)を考えている。すると、剛体の「互いの距離を変えない」という性質(というか定義)から、相対速度が「全点共通角速度」と「位置ベクトルの差」の外積で表される。
2013-03-05 09:51:39このとき、「その一点の上に乗って観察すると」みたいに考えてしまうと、非慣性系の話とごっちゃになって、またハマったりする。「速度ベクトルを分解しているだけ」だと考えるのがお勧め。
2013-03-05 09:51:52で、このこと自体は剛体の任意の点で成り立つことであって、どの点を選んでも「全点共通の角速度」は変わらない。そういう意味で、角速度ベクトルは自由ベクトルと言える(ちょっと自信ないけど)。ここでは質量中心に何の特殊性もない。
2013-03-05 09:52:06じゃあ何でわざわざ質量中心に着目するのかというと、ここからがようやく「力学」だが、剛体にかかる外力の合計を全質量で割ると、質量中心の加速度が求まる(つまり運動方程式が成り立つ)からだ。
2013-03-05 09:52:21剛体の角速度ベクトルって、剛体の図の外に描いた方がいいのかもしれないな。なまじ剛体を貫くように描くと、その場所に意味がある(たとえば質量中心を通っていることに意味がある)ような錯覚を起こしてしまう。
2013-03-05 17:14:18剛体の角速度ベクトルと角運動量ベクトルの方向が一致しない話。(「よくわかる初等力学」ではp244の5行目)。そもそも質点の角速度と剛体の角速度は、だいぶ事情の異なるものであることを把握しておかないといけない。
2013-03-05 23:10:33単一の質点の、ある瞬間の速度ベクトルだけを見て、その瞬間の角速度ベクトルが(剛体と同じように)決定できるだろうか?
2013-03-05 23:11:10たとえ質点が特定の点を中心に等速円運動している最中だったとしても、他の点を原点にして、速度ベクトルと位置ベクトルの作る平面に垂直な、「その瞬間の角速度ベクトル」をとることができる。
2013-03-05 23:11:32このように質点の角速度ベクトルとは、角運動量ベクトルと同様、原点の取り方に依存するものであり、それゆえ角運動量ベクトルと角速度ベクトルは常に同じ方向を向く。
2013-03-05 23:12:05これに対して、剛体の場合はそうは行かない。恣意的な原点の取り方とは独立に、剛体の各点の相対速度から、角速度ベクトルが定まる。これに対して、角運動量ベクトル(剛体各点の角運動量ベクトルの合計)は、依然として原点の取り方によって変わる量である。したがって両者は一般には一致しない。
2013-03-05 23:12:15もちろん、例えば角速度ベクトルに垂直な平面上にしか質点が分布していない場合は、その平面上に原点を取れば、角運動量ベクトル(の合計)と角速度ベクトルを一致させることはできる。しかし平面外の点を原点にすれば角運動量ベクトルの方向がそれる。
2013-03-05 23:12:40一般には剛体は角速度ベクトルの方向にも厚みを持っているので、両ベクトルの方向を一致させるように原点を選ぶことはできない。
2013-03-05 23:13:52