2013年3月16日)ひょうご恐竜化石国際シンポジウム講演内容メモ
- gervillaria
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徐先生。此処まで学術的に検討された復元をしていることに驚いた。中国の近縁種では歯の大きさが口の前後で違う。参考にしては。三枝先生返事。それをベースにしようと思ったが、丹波竜では出た歯にその傾向がなかった。
2013-03-17 11:19:09翌日の帰路、内容を思い出しつつ、私なりの分析を。
今回、ひょうご恐竜化石国際シンポジウムに参加しました。目玉は2006年に篠山層群から見つかった大きな恐竜(丹波竜)の調査成果に関するシンポジウムです。この丹波竜、竜脚類(カミナリ竜)としては日本で最高の保存状態で、頭骨の一部を含む多くの骨が六回に渡る調査で発見されています。
2013-03-18 08:58:44調査から何がわかったか、また、当時の丹波はどんな世界だったのか、当代一級の海外研究者を含むたくさんの恐竜学者を招いて紹介されました。多数のボランティアや研究者、そして多額の公的資金による成果の中間発表とも言える内容。しかしちと難しい所もあったので補足的に紹介します。
2013-03-18 09:03:34さてこの丹波竜、白亜紀前期の基盤的ティタノサウルス形類というところまではわかっているものの、まだ学名もついておらず、未発表の骨なんかも随分あるようです。しかも、白亜紀前期の恐竜相、また当時の生態系自体、まだまだ研究途上でここ20年くらいで随分多くのことが分かってきた所です。
2013-03-18 09:08:58そこで、同じ時代で沢山のデータのあるアメリカのユタ、中国の甘粛の最近の成果をジェームス・カークランド先生、徐星先生が発表。この時代のトピックといえば、羽毛恐竜の相次ぐ発見やイグアノドン類(原始的なカモノハシ竜)の多様化、小型肉食恐竜の繁栄などが上がるでしょうか。
2013-03-18 09:14:04ティラノサウルスもトリケラトプスもまだ居ませんが、それらのスター恐竜が出現する前の世界はどんな風景、どんな生き物がいたか。およそ一億三千万年前から一億年前の丹波とそれを取り巻く世界を知る、恐竜の絵本や図鑑よりずっと深い話、かといって学会や論文よりもずっと易しい話ーー
2013-03-18 09:23:04当時の地球はいまと全く違いました。恐竜がいる、人間がいないなんて単純なことだけでなく、大陸の形や気候まで違いました。日本の原型が出来たのはほんの二千万年前です。また、今まで常識的に暖かいと思われていたこの時代、丹波は平均気温で今の東北くらい、降水量も今の日本のざくっと半分くらい。
2013-03-18 09:30:29@gervillaria 白亜紀の古気候は安定していたと思っていたためこれは衝撃的だった。もっとも新第三紀以降よりは安定だと思いますけど。
2013-03-18 09:38:14@Lima_Cina 確かに!しかし比較対照が悪過ぎな気がします!新第三紀以降ほどドラスティックな変化が確認出来る時代って今のところないっすよね。
2013-03-18 10:40:15そんなことが見つかった植物化石や化石の同位体(重い酸素と重い炭素)から推定されています。その上、哺乳類も現代の主流である真獣類が多様化していきつつあったようです。また、被子植物の多様化もこの頃です。現代の黎明期が白亜紀前期と言えるでしょう。
2013-03-18 09:35:42これらの成果がまとまった形で紹介されました。話の大きさ、これまでの常識とのギャップ、話の濃さが想像出来ませんか?科学を使うと恐竜は何倍も魅力的になるんです。単に姿形だけを楽しむ事も出来ますが、その裏にはこれだけの話があるんです。
2013-03-18 09:41:53次いで2日目は場所を人と自然の博物館から発見現場近くの丹波市やまなみホールに移り、恐竜復元のシサイエンスカフェと所十三先生の復元画ワークショップ、恐竜を活かした地域づくりフォーラムが開催されました。ワークショップとフォーラムは同時開催だったので私はフォーラムの方へ。
2013-03-18 09:46:51サイエンスカフェは当初の予定の三倍のお客様が集まり、予定を変更してパネルディスカッション形式に。小田隆先生と徳川広和先生が作成した復元画と復元模型のメイキングの話。それに前日のシンポジウムで講演された先生方に平山廉先生、林原の渡部先生も加わり、豪華な裏話。
2013-03-18 09:54:56落ち着きなくオチがついた! 特急がキョウフウで足止め、帰りが半日伸びた松江泊ですよキョウリュウの呪いか!図体の割にささやかだな!ささやまだけにか、うっさいわ!
2013-03-18 10:24:03サイエンスカフェという名のパネルディスカッション、一通りの発表の後に研究者からツッコミが。丹波竜は四肢の骨が未発見。近縁種からの推測で作った徳川広和先生の模型の後ろ脚の爪が4つであることにカークランド先生から、3つじゃないのと。既に発見されているやつらの多くは3つ。
2013-03-18 10:30:12しかし未発表の物には4つもある。必ずしも間違いとは言えないが、と注釈。図らずも復元の精度と難しさの証明のようなグッドサジェスチョン。昨日三枝先生が言った細部が重要というコメントを証明するような展開。
2013-03-18 10:33:44