(続き)自身が児童生徒への指導で困難を抱えた場合や、周囲に体罰と受け取られかねない指導を見かけた場合には、教員個人で抱え込まず、積極的に管理職や他の教員等へ報告・相談することが必要である。」と述べている。
2013-03-25 23:21:51体罰を行った教員については、「あわせて、体罰を行ったと判断された教員等については、体罰が学校教育法に違反するものであることから、厳正な対応を行うことが必要である。」として厳罰主義で臨むとしている。
2013-03-25 23:22:51また、「教員や児童生徒、保護者等から体罰や体罰が疑われる事案の報告・相談があった場合は、関係した教員等からの聞き取りや、児童生徒や保護者からの聞き取り等により、事実関係の正確な把握に努めることが必要である。」と述べて、体罰が疑われる際の調査の必要性を力説している。
2013-03-25 23:23:59今回の通知の大きな特色の一つは、部活動について詳しく語っていることです。まず、部活動について、「部活動は学校教育の一環であり、体罰が禁止されていることは当然である。成績や結果を残すことのみに固執せず、教育活動として逸脱することなく適切に実施されなければならない。」と述べています。
2013-03-25 23:25:36その上で、「他方、運動部活動においては、生徒の技術力・身体的能力、又は精神力の向上を図ることを目的として、肉体的、精神的負荷を伴う指導が行われるが、これらは心身の健全な発達を促すとともに、活動を通じて達成感や、仲間との連帯感を育むものである。(続)
2013-03-25 23:26:03(続き)ただし、その指導は学校、部活動顧問、生徒、保護者の相互理解の下、年齢、技能の習熟度や健康状態、場所的・時間的環境等を総合的に考えて、適切に実施しなければならない。」としています。
2013-03-25 23:26:19ただし、通知は体罰や過酷な指導は厳禁するという姿勢ですから、そのすぐ後に、「指導と称し、部活動顧問の独善的な目的を持って、特定の生徒たちに対して、執拗かつ過度に肉体的・精神的負荷を与える指導は教育的指導とは言えない。」と明言しています。
2013-03-25 23:27:07通知は、部活動に関し、校長・教頭に対して、「部活動は学校教育の一環であるため、校長、教頭等の管理職は、部活動顧問に全て委ねることなく、その指導を適宜監督し、教育活動としての使命を守ることが求められる。」と述べ、顧問に任せきりにせず管理職も責任を持てと述べています。
2013-03-25 23:29:03通知本体は、以上見てきたように、非常に明確かつ厳格な内容となっています。様々な議論があり得る体罰を厳禁し、体罰が起こりそうな土壌の一掃を目指したものと言えそうです。
2013-03-25 23:30:20もちろん、思想的には、あるいは、教育哲学的にはいろいろな意見があってよいでしょうし、この通知の内容に反論することも思想・良心・表現の自由の範疇でしょう。しかしながら、教員採用試験でその自由を行使することは極めて困難だと思われます。
2013-03-25 23:31:35この通知は、全国の都道府県教育委員会に出された通知であり、教育行政を管轄する文部科学省の見解を示したものです。もちろん、法的にはこの通知の拘束性を争うことはできるでしょうが、全ての教育委員会がこの通知通りの趣旨を実行すると思われます。
2013-03-25 23:32:59教育委員会がこの通知の趣旨を実行するのであれば、その教育委員会に雇われる教員はこの通知に反論することはできません。この通知の内容は教員を事実上、拘束することになります。
2013-03-25 23:34:44特に、現在の体罰に関する報道状況等を考える限り、教採の小論文(論作文)や集団討論、個人面接などで、この通知に反することを語るメリットは何もありません。この通知は、教員が持たなければならないmustを述べたものですから、これに反対することは百害あって一理なしだと思われます。
2013-03-25 23:36:22決して、それぞれの人の思想・良心・表現の自由を束縛するということではないのですが、この通知に納得しなければ、教員になるな!と言われても、そこは、採用試験ですから、やむを得ないということになるでしょう。
2013-03-25 23:37:47この通知は、教育委員会に対して、「教育委員会は、体罰の防止に向け、研修の実施や教員等向けの指導資料の作成など、教員等が体罰に関する正しい認識を持つよう取り組むことが必要である。」と述べていますから、各教育委員会は、「指導資料」を作成するものと思われますので必ず読んでおきましょう。
2013-03-25 23:41:33さて、それでは、別紙の方に移っていきましょう。別紙は、「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」と題されています。
2013-03-25 23:42:40別紙は、「本紙は、学校現場の参考に資するよう、具体の事例について、通常、どのように判断されうるかを示したものである。本紙は飽くまで参考として、事例を簡潔に示して整理したものである」とされています。
2013-03-25 23:43:14生徒指導に応じず、下校しようとしている生徒の腕を引いたところ、生徒が腕を振り払ったため、当該生徒の頭を平手で叩(たた)く。
2013-03-25 23:46:32