中世の弓射についてのちょっとした考察

タイトル通りです。
49
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

世の中、実際やってみないと分からない事って多いですよね。で、唐突に日本においてほぼ失われた弓術の話。まず前提として、今の弓道は神を奉る神事としての儀礼射法であり、流鏑馬ですらその側面が強く、平安から戦国時代の弓の戦闘射法はあまり残ってないそうです。

2013-03-07 23:56:47
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

で、和弓における戦闘射法で体験から言うと、具足を完全着用した状態では、非常に射ちにくいです。刀の二本差しなんてしてたら、刀が邪魔だし、兜も同様です。ただ、これは長い和弓を真っ直ぐ立てた場合の事で、弓を斜めに傾けると干渉しにくくなります。

2013-03-08 00:09:32
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

さらに、刀差しではなく、太刀をはいた場合(太刀は刃を下にして左腰の下に吊して携帯します。それを太刀をはく、と言います)も、二本差しより刀剣自体の位置が下がり、ある程度動くので射ちやすくなります。

2013-03-08 00:17:22
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

で、ここから考えると、槍で戦う武士や侍は打刀が一般的になる室町中期以降は二本差しになっていくのですが、馬上の上級武士は戦国後期でも太刀はきの場合が多いのは太刀それ自体が武の象徴であるからだけじゃなく、弓騎兵としての実用からなのかな、と考えられます。

2013-03-08 00:26:52
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

あと、弓と具足の話だと、野伏り戦(ゲリラ戦、待ち伏せ)が得意な人間の話として、なんかの軍記物かに、兜無しで小具足になり、敵の大物が来るのを野に伏せて待つ、というような記述がありますし、弓矢の射手は兜をつけなかった、という記述もあったりします。

2013-03-08 00:34:49
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

ここで疑問になるのが兜着用時には弓を傾けて射っていたのなら、野伏せり戦のときもそうだったのでは?ということです。長い和弓を真っ直ぐ立てたら、非常に目立つから、兜非着用でも、野戦において弓を傾けて射つことは多かったのは?ということです。実際やってみると、

2013-03-08 00:41:19
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

弓を持って伏せた状態から弓を真っ直ぐ立てた射撃姿勢になるには、方膝立ちで上体を起こした体勢にならないといけません。それ以下の低い姿勢では弓を傾けないと無理なのです。ゲリラ戦で待ち伏せしてる時にわざわざ体を多くさらすのも変なのでここからも弓を傾けた射法があったのではと思われます

2013-03-08 00:49:51
ハスケ@現代野試合連盟 @has_k80

実は大鎧や腹巻きといった平安から室町初期くらいまでの鎧と戦国時代後期の当世具足とでは鎧の構造が違うため、射法も違う可能性もかなりあります。あと、自分は今の弓道をやったことがありませんし、現存しているらしい武射(戦闘射法の事)の流派を知ってもいませんので、この話はまあ参考までに。

2013-03-08 01:03:05