通常の断隔螺が円周の1/2で砲尾と接しているのに対し、2段の階段断隔螺では円周の2/3が砲尾と接します。接触面積が広いということは強度が高く、逆に言えば、より短く軽い尾栓でも同じ強度を発揮できることになります。また、より少ない角度の回転でネジを解けるので、少し早く開閉できます
2013-05-05 23:10:38階段断隔螺は段数を増やすほど強度が高くなり、少ない回転で開放できるようになります。ただし段数を増やせばどんどん複雑精密になりますから、実用的なところでは4段くらいが限度でしょうか。こちらは米海軍戦艦の16インチ砲尾栓。素敵な4段です http://t.co/Hm7VqVUcpa
2013-05-05 23:13:47断隔螺──連動尾栓(Continuous Motion Breech)
さて、Three Motion Breechは閉鎖・開放に独立した三挙動が必要でしたが、一つのハンドルを回し続けるだけで三挙動を連続して行うことができる閉鎖機も開発されます。Continuous Motion Breechです http://t.co/qe3U2Yk5Gu
2013-05-05 23:18:31Continuous Motion Breechの肝はハンドルによって駆動する一つの特殊な形の歯車です。この歯車には斜歯部と平歯部があり、最初に斜歯部が尾栓の後端についは歯と噛み合って回して閉鎖を解除して…… http://t.co/q9F2ztkMdq
2013-05-05 23:23:37次に平歯部が隔螺のネジ山と噛み合って尾栓を引き抜き撑転架の上に押し出します。抜けきったところで最後の歯が尾栓を押し、撑転架ごと旋回させ……と言っても簡単には理解し難いですね
2013-05-05 23:26:19Continuous Motion Breechの動作は動画で確認してみましょう。感動的です。少なくとも私は感動しました http://t.co/Fj7P9uaS8f
2013-05-05 23:28:13昔見かけた、やたら機械的に3挙動が連続する尾栓はこれだったのか!それぞれの動作に間がないのが素晴らしすぎる
2013-05-05 23:33:20@FHSWman こういう重量物は創作の世界でも挙動ごとに間が入って重さを表現するような動きで描かれることが多いんですけど、現実の側からこれを無視するように動いてくれると既成概念がブッ潰されて逆に痛快です
2013-05-05 23:38:07Continuous Motion Breechは19世紀末頃の発明のようで日本にも入ってきているはずですが、日本語訳を見つけられませんでした。もしかすると挙動に関わらず一緒くたに「撑転架式閉鎖機」とされてしまったのかも知れません。私なら「連動式閉鎖機」とでも呼びます
2013-05-05 23:32:53断隔螺──円錐隔螺(Coned Screw)
動作を連動化してみても尾栓の押し込み・引き抜きには結構時間がかかります。その点を劇的に改善したのがConed Screwです。これは、尾栓形状を砲尾横に設けられた旋回軸の円周に沿った形とすることで、旋回運動で引き抜いてしまいます http://t.co/M8Vw6U9Bho
2013-05-05 23:37:47但し、円錐形状にしてみたところで、若干干渉する部分があります。そういった部分は割り切って、尾栓ないし砲尾の一部を削り取ってしまっています。余談ながら、Coned Screwにも日本語の訳が見当たりませんでした。先の図では円錐隔螺という訳を私が勝手に当てています
2013-05-05 23:39:57Coned Screwの発明は1880年頃で、「Elswick coned Interrupted Screw」とも呼ばれます。Elswickの名前でピンと来た方もあるかも知れませんが、英海軍艦砲で有名な「Elswick Ordnance Company」の手によるものです
2013-05-05 23:42:03しかして、英単語が入ると140字って恐ろしく少ないですね。アルファベット圏の人はどうやってるんだろう
2013-05-05 23:43:24Coned Screwの実例はこちら。ロシアのどこかに展示されている日本陸軍の38式15cm榴弾砲です。砲尾を開いた状態で展示されているのは珍しいですが、お蔭で円錐状の階段断隔螺が確認できます http://t.co/AQjRiv5eCz
2013-05-05 23:45:08閑話休題 H.M.S.ベルファストの6インチ砲尾栓と砲塔
@FHSWman これは倫敦のテムズ川で、大英帝国戦争博物館分館として保存されている軽巡洋艦ベルファストの6インチ砲塔で撮った写真なのですが、砲尾の仕組みはほぼ変わっていないような気がします。 http://t.co/o7wUvbluFG
2013-05-05 23:51:16. @HMS_BlackPrince oh, ありがとうございます。確かに典型的な階段断隔螺栓ですね。見た感じConeでもOgivalでもない真っ直ぐな尾栓のようですから、階段断隔螺の形状をうまく活かして引き抜いているのかも
2013-05-05 23:55:11@FHSWman 先ほどのベルファストの6インチ砲ですが、砲尾が閉まってるほうの写真はこれです。仰角ついた状態でも装填できるようにかなりの部分が機械化されてました。 http://t.co/uUtS9iVctV
2013-05-05 23:55:39@HMS_BlackPrince hmm... 自由仰角装填なんですね。左上から伸びてきてる弾が通りそうな架台も興味深いです
2013-05-06 00:00:00@FHSWman 写真がないのですが、結構アクロバティックに艦底の弾薬庫から垂直に上昇させて、砲塔の中心軸を通ってました。最後にスイングするアームの位置を砲側の仰角と一致させて、砲身側のトレイに弾を滑らせるような構造ですね。
2013-05-06 00:02:40