芸術と建築のあいだ、そしてオカザえもん論 (講師:五十嵐太郎・あいちトリエンナーレ2013 芸術監督)まとめ #AT2013

平成25年5月31日に開催された、愛知県文化情報センター主催「はじめてアート講座2013 (第1回)」のまとめです。今回の講師は、五十嵐太郎さん(あいちトリエンナーレ2013 芸術監督)でした。
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Arts Audience T…ロプロプ @loplop_org

五十嵐「(スライド:西洋美術史と建築史の略史)西洋では美術史と建築史とセットになっており、文脈的に近い。むしろ建築史のなかに美術史が含まれている。たとえばゴシック建築は、建築としてのみあるのではなく、絵画も彫刻も一体となり、ミュージアム的な機能も持っていた」 #AT2013

2013-05-31 19:32:37
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五十嵐「(スライド:アールヌーボーの絵画、建築)アールヌーボーにおいては、建築・洋服・家具・絵画から料理の盛りつけまで、装飾的な曲線やタッチ=造形の共通性がみられた。//(スライド:未来派の建築、美術)微差はあったものの、建築家と美術家がともに運動を同じくした」 #AT2013

2013-05-31 19:37:26
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五十嵐「コルビジェ、チェコ・キュビズム、デ・スティルなどを経て、ロシア構成主義はダイナミックな構成や建築的には珍しい《斜め》や非対称性を用いてダイナミックな展開をはかった。その後、総合的な芸術運動としてバウハウスに至る」 #AT2013

2013-05-31 19:43:14
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五十嵐「バウハウスは、建築の元に諸ジャンルを統合しようとした。建築・芸術教育においては、いまもバウハウスの影響下にある。// (モダニズム建築について)装飾性をそぎ落とした、素材の美を考えていくのが現代建築の始まり。美術ではたとえばロスコが、現代建築に対応する」 #AT2013

2013-05-31 19:45:53
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五十嵐「(スライド:ウォーホル、リキテンシュタイン)その後、ポップアートのようなアートが出てくる。既存のものを引用する手法は、ポストモダン建築に呼応する。モダニズム建築とは対照的に、個々の別要素を組み合わせてデザインする」 #AT2013

2013-05-31 19:48:18
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五十嵐「(スライド:磯崎新)ポストモダン建築は引用、サンプリングの手法が流行った。いまは廃れているが、日本のバブル期がピークで、公共建築で土偶や鬼面を引用する手法(=ディズニーランダゼイション)などもあった」 #AT2013

2013-05-31 19:51:05
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五十嵐「(スライド:丹下健三、谷口吉生などの作例)ここで固有の場所に設置される作品を参照したい。具体例:十和田市美術館、豊田市美術館など。あいちトリエンナーレ2013 にも出展する彦坂尚嘉、高橋匡太は、建築家だが美術にも関わりが深い」 #AT2013

2013-05-31 19:57:14
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五十嵐「(スライド:グッゲンハイム美術館)フランク・ロイド・ライトの建築を生かしたアーティストの展示。//(スライド:直島)安藤忠雄の建築に、杉本博司が応答している。//(スライド:宮島達男の家プロジェクト)1990年代、建築と呼応した作品の先駆けではないか」 #AT2013

2013-05-31 20:01:30
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五十嵐「近年もっとも素晴らしかったのは、内藤礼と西澤立衛がコラボした豊島美術館。建築と美術の融合としては最高峰に近い。ここまでが、建築における美術的なものが共同した事例」 #AT2013

2013-05-31 20:03:43

アートと建築の関係②「造形」:

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五十嵐「ここから、建築における美術的なものを造形的な観点から参照したい。米田明の論考が示唆に富んでいる。アルド・ロッシの集合住宅とキリコの絵画の近似、ミニマルな造形の反復、切断された建築、破裂した造形など(※作例のスライド多く、詳細は配信映像をご参照ください)」 #AT2013

2013-05-31 20:09:00

※映像は配信されていません。誤報を掲載してしまい申し訳ございませんでした。

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五十嵐「(作例つづき)自重によってたわむ造形。たとえばあいちトリエンナーレ2013 に出展する石上純也《四角いふうせん》⇒美術だとウォーホル、イブ・クライン《空気の建築》が呼応する。総じて、美術・建築ともに似たような手法が出てくると云うことになる」 #AT2013

2013-05-31 20:12:22

アートと建築の関係③「現象」:

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五十嵐「(作例つづき、※進行巻き気味になる)杉本博司、荒川修作も美術から建築に進出していった。// ここから、建築における美術的なものを、現象として捉えて参照したい。たとえば青木淳《ルイ・ヴィトン名古屋》⇒美術だと1950年代のオプティカル・アートを想起する」 #AT2013

2013-05-31 20:14:43
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五十嵐「(作例つづき)たとえば打開連合設計事務所の作品、透視図法的な手法を用いている⇒美術では1990年代、ジョルジュ・ルースの壊されることが前提となっている建築を用いて写真作品を展開した(=三次元から二次元へ)」 #AT2013

2013-05-31 20:17:54
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五十嵐「(作例つづき)しかし透視図法はルネッサンスの頃からある。建築家ブラマンテ《サン・サティーロ協会》は錯覚を用いて奥行きを演出し、教会建築を手がけた(=二次元から三次元へ)」 #AT2013

2013-05-31 20:20:22

アートと建築の関係④「アクション」:

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五十嵐「光と色=建築家がもっとも特異とするところ。タレル、ルイス・バラガン、妹島和世などが似ている。//ここから、建築における美術的なものを、アクションの側面から参照したい。たとえば川俣正の東京プロジェクトは、アトリエ・ワンの極小建築は似ている(=都市のスキマ)」 #AT2013

2013-05-31 20:23:32
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五十嵐「移動する家(=モバイル・ハウス)は、美術家も建築家も手がけている。PHスタジオ《シャトルハウス》、アトリエ・ワン《リムジン屋台》など。中村政人《積水ハウス M1》=振り返られることのない過去の建築の残骸をリノベーションすることも《移動》の範疇にある」 #AT2013

2013-05-31 20:28:06
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五十嵐「あいちトリエンナーレ2013 に出展するケーシー・ウォンは、建築家出身のアーティスト。香港は高層建築が主流で、一戸建てはなかなか作れない。海を漂流する家、屋台のような家、自分自身が建築の着ぐるみになる作品を手がけている。これも《移動する家》の範疇にある」 #AT2013

2013-05-31 20:29:16
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五十嵐「たとえばヤノベケンジ《Tower of life 2004》、解体されるエクスポタワーを熟れた果実が地面に落ちるようすに見立てた=かつて未来的だった建築の遺物を再生へとつなぐプロジェクト。建築の意味を問い直している」 #AT2013

2013-05-31 20:32:32
Arts Audience T…ロプロプ @loplop_org

以上でレクチャーは終了、質疑応答はありませんでした。たびかさなる投稿、お目汚し大変申し訳ありませんでした(なお実況中は敬称を略させていただきました)。 #AT2013

2013-05-31 20:36:15

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