第11回「県民健康管理調査」検討委員会・資料2「県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について」についてデータを見てみた

・第11回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年6月5日開催) http://j.mp/tLRZ0L  資料2「県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について」 http://j.mp/10XYcWy
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

この後の多重比較はたとえばライアンの方法などでできるけど、めんどくさいからパス。それよりも、ytkhamaokaさんがご自身のブログhttp://t.co/WLCxSHoMtRでやっているように、多変量解析でやってみることにする。

2013-06-10 23:57:57
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ブログと同じく、被曝線量はWHOの出した10歳児の甲状腺の被爆線量の見積もり値http://t.co/rABMIGpC6lを用いる。これが正しいかどうかは議論の余地はあり。

2013-06-10 23:59:04
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

WHOの線量は恐らくかなり高めに見積もっているので、もし被曝と所見有無の間にほんとうに因果関係があるのだとすると、そこから得られるリスク増大の係数はかなりの過小見積もりにはなる、ということに注意。

2013-06-10 23:59:29
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

線量推定値のない富岡、大熊、双葉はytkhamaokaさんの推定値を使用。更に、及びダミー変数として2012年に検査を実施したか否かを加えておくことにする。

2013-06-11 00:00:02
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

年齢だが、ytkhamaokaさんは6~10歳の年齢比率を説明変数に用いているが、これは年齢分布のパラメータとしてはどうかな、と思う部分があることは否めない。

2013-06-11 00:00:32
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

なので、この資料http://t.co/JaXIj2XFVpの1~2ページの年齢分布のデータから各市町村の平均年齢を見積った値を使用することにする。

2013-06-11 00:01:00
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

各階級の中間値(0~5歳なら2.5歳)をとって、人数をかけて総人数で割ることで大体の平均年齢は得られると思われ。

2013-06-11 00:01:33
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

なお、ヨウ素剤配布の有無とか避難率とかは今回は説明変数としては採用しない。理由は、ヨウ素剤を配布したとしてもどの程度服用されたかは不明だということ、モデルによって有意になったりならなかったりする、ということがもとの解析結果でわかっていることなどがその理由。

2013-06-11 00:02:11
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ytkhamaokaさんはポアソン回帰を使っているが、値のわかっている人口に対する有所見者の頻度データなので、本当はロジスティック回帰の方が良いと思う。ポアソン回帰にはちょっと手法的な弱点がある。ただ、結果のコンパラビリティの評価のため、一応両方やってみる。

2013-06-11 00:03:00
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

なお、サンプルサイズの関係から手持ちのPCでは条件付きロジスティック回帰は実行不可能であったところが私の解析の弱点(線量の影響を検診年の影響を消して評価するためには本当は条件付きロジスティック回帰を行うのが論文では必須になる)。

2013-06-11 00:03:27
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

目的変数は2次検査対象者の頻度と全結節保有者の頻度の2パターンを、説明変数はWHOの10歳児の事故後1年間の甲状腺線量推定値と検査年(11年か12年か)、平均年齢とし、モデルはロジスティック回帰とポアソン回帰(いずれも人数による重み付けあり)、解析ソフトはLogXactを使用。

2013-06-11 00:04:02
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

まず、2次検査対象者頻度について、ロジスティック回帰でもポアソン回帰でも2012年に検査をしたか否か(y12)のみが有意で、線量、年齢は有意でない。 Twitter - SnapCrab (2013-06-11 0:05:13) http://t.co/szOCEsMlyf

2013-06-11 00:05:53
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

@tonkyo_hanage 前のはロジスティック回帰の、こちらはポアソン回帰の結果 Twitter - SnapCrab (2013-06-11 0:06:32) http://t.co/0Ktu0lgzWJ

2013-06-11 00:07:45
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

次は全結節保有者頻度について、ロジスティック回帰とポアソン回帰で大きく結果が異なる。前者では全て有意になるが、後者ではy12のみ有意。 Twitter - SnapCrab (2013-06-11 0:10:01) http://t.co/jJKG2CUOAe

2013-06-11 00:10:35
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ちなみに、全結節保有者頻度について、ロジスティック回帰を行った場合でも浪江町のデータを除くと線量と年齢は有意でなくなる。Twitter - SnapCrab (2013-06-11 0:11:35) http://t.co/3qb0vBingo

2013-06-11 00:12:02
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

全結節保有者頻度について、サンプルサイズが十分大きいにもかかわらずロジスティック回帰とポアソン回帰で大きく結果が異なる&浪江町を抜くことで結果が大きく変わるということは、モデルが不安定ということで、これらの因子が積極的に結節の発生に影響しているとは考えないほうがよさそう。

2013-06-11 00:12:34
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

逆に、どんな場合も12年に検査したことの影響が有意になっているということのほうが注目すべきであるが、これは、1年たったことによる自然増とも考えられる(少なくとも被曝線量による影響があるという仮説は今回の結果からは棄却されるのが妥当なので)。

2013-06-11 00:13:02
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

勿論、その場合、このツイートの結果との矛盾が指摘されるであろうが、こちらのツイートではサンプルサイズが小さいこと、および12年に検査といっても少し時期がずれ込んだだけという可能性もある。いずれにしても確たることはいえないだろう。

2013-06-11 00:13:45
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

この結果をもって特に心配なしという結論を出せるものではなく、我々一般人が入手できない(個人情報を含む)詳細なデータを使って専門家が解析を行って論文にしてくれるとよいとは思う。当然私のやった解析にはいろんな限界がありまくるので。

2013-06-11 00:14:13
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

尤も、津田さんのような専門家のはずの人が明らかにいかがわしい解析結果を垂れ流したりするのは勘弁してほしいw あ、勿論専門家であろうがなかろうが、安全側であろうが危険側であろうが定量性とか統計の基本のなってない解析はNG。

2013-06-11 00:14:42

6/16ツイート追加

地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

このまとめに収載されたツイートに関して、重要な指摘をいただいていたので、少し追加の説明をしておこうと思う。 http://t.co/YSbLxjbOop

2013-06-16 22:30:09
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

このまとめで行った解析が生物統計的に(もしくは疫学的に)正しい意味を持つ場合というのは、例えばそれぞれの市町村の被曝線量や、年齢が完全に均一である場合に限ります。

2013-06-16 22:36:57
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

勿論、ここで取り扱った集団はそんなわけはない(被曝線量も年齢も個人によって異なる)ので、その意味ではここで用いられている各因子の係数とかはほとんど意味はない、ということになる。唯一ほぼそのまま解釈可能なのは検査年度だけです。

2013-06-16 22:39:35
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

これはポアソン回帰であっても本質的には同じ(ytkhamaokaさんのブログの解説 http://t.co/j4oRHZtNNO も含め)。なので、市町村ごとの比較をこの様な結果を以て論じるのは基本的には誤りです。正しくは個人の被曝線量と年齢でモデルを構築するのが正しい。

2013-06-16 22:45:10