正しくTogetter / min.tにログインできない不具合が発生中です。X側の修正をお待ちください(詳細はこちら)

丹生谷貴志ツイートまとめ(2013年7月)

丹生谷貴志氏の2013年7月分のツイートをまとめました。
3
前へ 1 ・・ 3 4 ・・ 8 次へ
nibuya @cbfn

「アンリ・ミショーを発見せよ」とジッドは言う。もっとも、その文脈は精査されねばならないだろう。最晩年のアルトーが一時退院し講演を行う。彼は途中からただひたすら演壇で叫び続ける。茫然とする聴衆の中からジッドが歩み出しアルトーを抱くようにコートで包む。この、包むという彼らしい動作。

2013-07-18 23:53:40
nibuya @cbfn

アカデミーのプロパーに拘束されないのなら「我々」はウィトゲンシュタインをベケット「として」、或いはさらにミショー「として」読むことを確保し得る。クリプキをアルトーとして読むことさえ確保し得る。等々。

2013-07-19 00:12:18
nibuya @cbfn

ヘーゲルはシャンカラを読んでいた・・・少なくともその概要を知っていた。スピノザを「東方的」と呼んだ時、ヘーゲルの脳裏にあったのはたぶんそれだった・・・・あくまでも、たぶん ・・・。

2013-07-19 00:22:35
nibuya @cbfn

・・・分析系哲学の「欠点」はそれをやる者、特に初学者に、明晰さの錯覚を起こさせる点かもしれない。”ウィトゲンシュタインに始まる”それはむしろ、或る意味明晰さのほとんど絶望的なまでの崩落を耐えること、そこに身を持するという営みであるはずだ。ウイトゲンシュタインは明らかに「頭が悪い」

2013-07-19 10:00:21
nibuya @cbfn

・・前も書いたが、ヴァレリーの『テスト氏』は、彼もまた、明らかに「頭が悪い」。テスト氏サイクルをすべて再読すること。再度、「bètise」について注視すること。或いはまた再度、ルリアの「頭を吹き飛ばされた男」の「明晰さ」を注視すること・・・

2013-07-19 10:22:40
nibuya @cbfn

いとうさんの『想像ラジオ』は芥川賞を「逸した」ようで、しかし貰っても今更でしょうから、さしてがっかりしてないでしょう。ま、貰って損はなくとも。・・・いとうさん、特に小説、ちょっと頭良過ぎるというのが玉に傷でしょうか。

2013-07-19 10:46:02
nibuya @cbfn

ジョー・ブスケ『傷と出来事』の訳書届く。第一次大戦で重い負傷を受け激痛の継続する重度障害、不思議な空中城塞カルカソンヌの「死ねない病床の孤独」の中、『私が死んで行くこの男』という著書の題名通りに、自分の不随の身体の激痛の陰影を冷徹に、裏返されたアルトーのように書き続けた男。

2013-07-20 09:53:05
nibuya @cbfn

今周囲にぼんやりウィトゲンシュタイン的(!)ソリプシズムの「幽霊」を漂わせるままにしているので、そこに身体的苦痛の中で自身を、「私とこの男」という亀裂のソリプシズムの崩落の縁として注視し続けた男の「幽霊」が加わる。まあ、もっと皆さん御陽気に、と言いたくなる気持ちはともかく・・

2013-07-20 10:05:46
nibuya @cbfn

言うまでもないが、ブスケより十歳年上のウィトゲンシュタインは周囲が止めるのを振り切って一次大戦に志願、塹壕で『論理哲学論考』の萌芽となる断章を葉書に書き続けていた。おそらくは遠く離れた別の陣営で、「事件−出来事−タートザッヘ」としての世界がそれぞれ別の形で「傷」として刻印され・・

2013-07-20 10:15:00
nibuya @cbfn

ブスケの、意外に膨大な書き物(まあ、重傷の不随の孤独の中で三十年以上生きたのだ)の中から特にこの文書というのは或いはドゥルーズがそれに言及したということもあるのか・・・ドゥルーズ自身、発作で時に呼吸もまま成らない病弱の中で生き続けたことを今更思い出し・・・ああ、自殺かと今更。

2013-07-20 10:32:07
nibuya @cbfn

"Die Welt ist alles, was der Fall ist. Die Welt ist die Gesamtheit der Tatsachen, nicht der Ding"––という『論理哲学論考』の冒頭を読むと塹壕戦の広野に広がる戦場の光景を想像してしまう

2013-07-20 10:51:09
nibuya @cbfn

しかし、実は僕はドイツ語を殆ど解さないと言っていいのですが、今『論考』の冒頭を書き写してみて、とても調子の美しい切迫した「書き出し」だと感じる。実際、長い間『論考』を僕は第一次大戦の塹壕線という異様な戦場の光景の計量だと思って読んだので・・・無論これは不当なことでしょう。

2013-07-20 10:59:44
nibuya @cbfn

同じく大戦に従軍したムージルの短篇に、当時の原始的な戦闘機から重いダーツの格好をした「矢」が夥しく投下される光景がある。蜂の群れの様なダーツは加速して塹壕の兵士たちの鉄兜を貫通する。完全に集合論的偶然性に任された戦死という異様な戦闘が始まる・・”was der Fall ist"

2013-07-20 11:05:20
nibuya @cbfn

・・・そう言えばディック『VALIS』の仏訳題名は『SIVA』なんですよね。巧い具合に原文題名を並べ替えた、ちょっとあざといけれど巧い題名だと感心します。

2013-07-20 11:21:20
nibuya @cbfn

第一次大戦と言えば『西部戦線異常なし』や『ダンケルク』はともかく『ブルー・マックス』という伝説の戦闘機乗りを描いた映画があったはずです。だから何だというわけではありませんが。

2013-07-20 11:27:43
nibuya @cbfn

ここのところ永井均、三浦俊彦といった人たちのものを読む。特に永井さんに関して、こちらの勘違いで敬遠して来てしまったのを後悔。勘違いって、まあ、永井さんのものではない或るオバカな文章を永井さんのものと思い込んでいたという杜撰な取り違い、誰に謝るともなく、スイマセンでした。

2013-07-21 09:33:05
nibuya @cbfn

例えば永井さんのウィトゲンシュタイン理解は僕には殆ど「当然のもの」で、僕自身だいたいこんな具合に理解して来たので、その意味では驚くべき新しさに圧倒されるということはないのですが、僕の直感だけのドタバタ理解なんか比べ物にならない精緻さでそれが提示されていることに賛嘆。

2013-07-21 09:44:42
nibuya @cbfn

Remember meというゲームに安部公房の引用。"The suffering of being imprisoned rests in the fact that it is impossible, at any time, to escape from oneself."

2013-07-21 10:02:04
nibuya @cbfn

さてどこからの引用か。まあこの手の言葉は安部さんならどこに書いても不思議ではないので迷う。『砂の女』か『他人の顔』か、或いは『箱男』か・・・探していると、アメリカに安部さんからのアフォリズム引用のサイトがあるのを見つける。この引用もあったが、残念ながら出典なし。

2013-07-21 10:05:59
nibuya @cbfn

永井さんのウィトゲンシュタイン解読について、僕もずっとそう思って来たという言い方は傲慢でしょう。僕はあれほど精緻にテキストの読み込みをしたことがない。ただブランショやらフーコー、誰でもいいですが僕はあらかた「そこにおいて」しかものを読んで来なかった気がしているということです。

2013-07-21 11:53:02
nibuya @cbfn

ですから逆に、僕の永井さん理解自体ちょっと見当違いも混じっているかもしれません。じっさい、永井さんの中心主題を僕は自動的にブランショやらミショーやらバルトやらフーコー、ベケット、ジャコメッティ等々の薄明かりの中で捉え直して呑み込んでいるだろうからです。

2013-07-21 11:56:31
nibuya @cbfn

例えば永井さんが「メルロー=ポンティ等にはこの問いがなかった」と書くと、そうなの?と思い、と言うのも僕の理解では少なくとも『眼と精神』や最後の『見えるものと見えないもの』草稿には明らかに(?)その格闘の痕跡を感じるからで。セザンヌは或る意味強烈な「独我論的画家」だったろうとか・・

2013-07-21 12:08:12
nibuya @cbfn

ウィトゲンシュタインに関して異様な感じを僕が抱く要因の一つとして、その「哲学」の根本的な「引き蘢り性」の一方で、彼が総計で八年近く「周囲の反対を押し切って」直接間接に両次大戦の「戦場」に志願しそこで過ごしている、という事実があります。ウイトゲンシュタインに於ける「参加」の問題・・

2013-07-21 12:28:42
nibuya @cbfn

例えばブランショの「引き蘢り性」の中心には「そのことに於ける”政治闘争”の開示」という独特の闘争論があった。メルロー=ポンティにもおそらくそれはあり、バルトのような「穏やかな」人にも強烈にそれがあった。ウイトゲンシュタインにおいてそれはどのような斜線を結んでいたのか・・・

2013-07-21 12:33:45
nibuya @cbfn

むろんそうしたことで何かの優劣をいう気はさらさらありませんが。

2013-07-21 12:55:16
前へ 1 ・・ 3 4 ・・ 8 次へ