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tetteikaikyou
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お菓子っ子
@sweets_street
第七回「袁紹覚醒」 袁紹の苦境（１９１年５月頃）から公孫瓚との開戦（１９１年１２月頃？）まで 今回の地図（１９１年時点群雄割拠図） http://t.co/Qz7W6A9zez
2013-07-14 20:59:27
お菓子っ子
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袁紹の軍は飢えていました。脱走者が続出し、張楊（西園軍の残党）や於夫羅（南匈奴の君主）などの同盟軍も離反の兆しを見せています。袁紹は元凶である韓馥を憎むようになりましたが、配下の軍を食べさせることもおぼつかない状況では手も足も出ません
2013-07-14 21:01:09
お菓子っ子
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そんな時、韓馥軍の指揮官の麴義が反乱を起こし、韓馥を撃破しました。麴義の部隊は涼州の精鋭で、強大な冀州軍でも容易に勝てる相手ではありません。袁紹は密かに麴義と同盟しました
2013-07-14 21:01:42
お菓子っ子
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この時、客分待遇のブレーンの逢紀が「公孫瓚と秘密同盟を結んで冀州に攻めこませたら、韓馥は不安になるでしょう。そこに弁が立つ人間を送り込んで損得勘定を教えてやって、どうすれば自分のためになるか教えてやれば、自分から冀州牧（広域行政管区総督）の地位を降りると思いますよ」と提案します
2013-07-14 21:02:17
お菓子っ子
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要するに麴義の反乱で苦しむ韓馥に獰猛な公孫瓚の軍隊をけしかけ、不安になったところに手先を送り込んでさらに不安を煽り、「怖いから降ります」と言わせようというのです。「逢紀は天下を争う英雄じゃなくて、カルト宗教や悪徳商法のブレーンなんじゃないか」と疑いたくなるようなエグい策略です
2013-07-14 21:02:41
お菓子っ子
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袁紹が公孫瓚に手紙を送って冀州侵攻を唆すと、公孫瓚率いる幽州の精鋭は「董卓を討伐するぞ」と叫びながら冀州に雪崩れ込んで韓馥を攻撃し、多くの郡（県相当）や県（都市）が公孫瓚に呼応しました。袁紹は公孫瓚の侵攻にタイミングを合わせて、東の冀州方面に進軍を開始します
2013-07-14 21:03:07
お菓子っ子
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袁紹は窮地に陥った韓馥のもとへ、袁紹は自分の姉妹の子の高幹、鉅鹿太守（知事）経験者の張導、韓馥の同郷人の荀諶や郭図らを送り込み、「公孫瓚は勝った勢いでどんどん南下して、袁紹も東に向かっています。どうなるかわかりませんねえ。閣下のことが心配ですよ」と言わせます
2013-07-14 21:03:36
お菓子っ子
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不安になった韓馥が「どうすればいいんだろうか」と問うと、荀諶は「ご自分を省みて、度量があって天下の人々に支持されている点で、袁紹さんと比べてどちらが優っているでしょうか」と、唐突に袁紹と韓馥の人物比較に話をすり替えます。韓馥は話のすり替えに気づかずに「敵わないなあ」と答えます
2013-07-14 21:04:19
お菓子っ子
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さらに荀諶は「危ない時にズバッと決断し、人より優れた知恵や勇気がある点で、袁紹さんと比べてどちらが優っているでしょうか」と続けます。韓馥は「敵わないなあ」と答えました。最初の話題はどこかに行ってしまっています。こうなると、もう荀諶のペースです
2013-07-14 21:04:46
お菓子っ子
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「では、先祖代々あちこち恩を売り、世話になった人が世間にいるという点で、袁紹さんと比べてどちらが優っているでしょうか」と荀諶は追い打ちをかけます。韓馥は「敵わない…」と答えます。三回も続けて「袁紹と比べたら、到底自分は敵わない」と言わされ、韓馥の心に劣等感が生じて来ました
2013-07-14 21:05:14
お菓子っ子
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荀諶は「袁紹さんの根拠地の勃海は郡とは言いますが、実質上は一州に匹敵する土地です。閣下は袁紹さんより三つも及ばない点があるのに、ずっとその上にいました。袁紹さんは一代の英雄です。いつまでも閣下の下にはいないでしょうねえ」と、韓馥の劣等感をグイグイとえぐります
2013-07-14 21:05:45
お菓子っ子
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荀諶は「公孫瓚は燕や代（いずれも幽州）の精鋭を率いていて、その勢いは止められません。公孫瓚と袁紹さんが手を組んで攻めてきたら、滅亡も時間の問題でしょう」と言い、袁紹への劣等感を植え付けられた韓馥に、自分を激しく攻撃している公孫瓚への恐怖感を思い出させます
2013-07-14 21:06:19
お菓子っ子
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「ところで袁紹さんは閣下の昔馴染で、反董卓の仲間です。冀州をあの方に譲るのがベストでしょう。そうすれば袁紹さんは閣下に恩を感じるし、公孫瓚も手出しできなくなります。立派な人に地位を譲ったって評判もゲットできるし、身の安全も確保出来ますよ」と荀諶は苦悩する韓馥に助け舟を出しました
2013-07-14 21:06:51
お菓子っ子
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複数人で説得にあたったというから、他の人も入れ代わり立ち代わりやってきて、このような問答を繰り返したのでしょう。何度も「私は袁紹には敵わない」と自分から言わせ、「袁紹と公孫瓚が組んだら自分はおしまいだ」「それを防ぐには袁紹に冀州を譲るしか無い」と暗示をかける。典型的な洗脳です
2013-07-14 21:07:52
お菓子っ子
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すっかり洗脳されて「袁紹に冀州を譲って身を守るしかない」と思いつめた韓馥に対し、騎都尉（近衛騎兵隊長）沮授、長史（官房長）耿武、別駕（州の首席補佐官）閔純、治中（州の行政担当補佐官）李歴ら冀州政庁の現地人幹部は「それはおかしい」と反対します
2013-07-14 21:10:56
お菓子っ子
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現地人幹部達の意見は「冀州には百万の武装兵と十年分の食料があります。それにひきかえ、袁紹は孤立無援で我々の鼻息を気にしています。膝や掌の上に乗ってる赤ん坊みたいなもんで、乳を飲ませなかったらすぐ死にますよ。なんでそんな奴に冀州を譲ってやらなきゃいかんのですか？」という正論でした
2013-07-14 21:11:32
お菓子っ子
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現地人幹部達の正論に対し、韓馥は「私は袁氏一族の故吏（恩顧の旧部下）で借りがあるし、才能は袁紹に及ばない。器量を理解して譲るのは大事だって昔の人が言ってるじゃないか。君達は何を気にしているのかね？」と答えました。すっかり洗脳されてしまっています
2013-07-14 21:12:00
お菓子っ子
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韓馥の従事（州の補佐官）の趙浮と程奐は一万の強弩（強力な弩弓部隊）を率いて西方の孟津（黄河の主要な船着場）に駐屯していましたが、袁紹が東に向かうと後を追い、袁紹軍の陣営の側をガンガン太鼓を鳴らして行進しました。この挑発行為に袁紹はムカついていました
2013-07-14 21:12:29
お菓子っ子
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韓馥のもとに帰還した趙浮と程奐は袁紹に抗戦するように進言し、「袁紹の軍勢には一升の米も残っておらず、兵隊も逃げ出してバラバラになっています。十日もあればきっと崩壊するでしょう。気にする必要はありません」と述べました。袁紹軍は飢えで崩壊寸前だったのです。しかし、韓馥は聞き入れません
2013-07-14 21:12:56
お菓子っ子
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地方政庁の現地人幹部は地元有力者が多く、地域の利益代表でもあり、長官個人への忠誠より地域の利益で動きがちです。一族ぐるみで地域に根を張ってるので、地盤の強さもよそ者の長官とは比較になりません。就任して二年に満たない韓馥にとっての彼らは、油断ならない地元の大物といった存在です
2013-07-14 21:13:26