飛行機の対艦攻撃兵器としての発達をだらだらと語る

タイトルのままです。
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M-鈴木 甲28 @kapitan_black

つまりは、大馬力のエンジンで海面高度でもガンガン加速が出来て、複数の爆弾を積んでいて、簡単には壊れない(過剰に頑丈な構造に防弾装甲)&火が付かない(外翼に燃料を積んで欲しくないし、最低でも自動消火&自動シールが必要)飛行機で無くちゃ役に立たない。

2013-08-01 23:23:51
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

出来れば前方(機首)に中口径以上の機関銃/機関砲を多数装備したい。これで目標となる艦の対空砲座を制圧し、射撃を封じたい。特設増設の銃座なんて元々防楯すら用意されておらず、機関銃の着弾が降りかかる中でまともに射撃が継続出来る筈が無い。

2013-08-01 23:23:59
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

これに多少とも適用できそうな機体は流星位しか無いが、やはり能力が不足している。アメリカが多用したA-20G「ハボック」なんて凄いもんだ。双発合計3200馬力、機首に20mmx4と12.7mmx2を集中装備して制圧射撃を行いながら500km/h近くで突っ込んでくる。

2013-08-01 23:24:22
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

爆弾だって500ポンド爆弾を4つ搭載可能なのである。

2013-08-01 23:24:30
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

3つ目は「爆弾も頑丈でなくちゃいけない」多分日本にとっては、これが一番のネックだったんじゃあるまいか?日本も反跳爆撃は試みている。その結果は中々に難しいものがあった。爆弾が壊れちゃうのだ。それも本体が、そして信管も遅延信管でなきゃならない。

2013-08-01 23:25:45
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そして、更に悩ましいのは羽根が歪んでしまう事。爆弾には安定して落下する様に尾部側に羽根が取り付けてある。ところが水面に高速で接触した際、羽根が歪んでしまうと反跳時の経路が歪んでしまう。つまりは外れてしまう。

2013-08-01 23:25:53
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

解決策は「良い材料」を使う事なんだけど・・・安価である事が身上の反跳爆撃なのに、高価になっては意味が無い。そう、日本は貧乏だったのだ。一方のアメリカは元々対艦爆弾と陸用爆弾を共用化出来る国。日本と異なり少々の手を加えるだけで流用できた。

2013-08-01 23:26:04
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

結局この点が、もとい、この点も解決できなかった。「日本には反跳爆撃に供し得る爆弾」自体が無かったのだ。ミンナビンボが悪いんや

2013-08-01 23:26:12
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

この反跳爆撃は主に日本の輸送船を相手に使用され、無数の船舶を海底に叩き込んできた。

2013-08-01 23:26:19
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

最期の反跳爆撃は目標が軍艦よりも商船の方を向いていた点で、可也毛色が異なるかもしれないけれど、これも又航空機による対艦攻撃の位置手段だった。

2013-08-01 23:26:31
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

さて。以上駆け足で、それでいて取りとめなくWW2あたりまでの対艦攻撃手段を語ったけれど、ここで切るのには理由がある。それは対空兵器の発達と航空機側の発達のせめぎ合いが、直接爆弾を叩きこむ様な攻撃も、魚雷を持ちこむ攻撃も過去の遺物にしてしまったから。

2013-08-01 23:30:25
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

生存性と有効性を真剣に考えるならば航空機による対艦攻撃手段が誘導ミサイルにシフトするのは誰の目にも明らかであり、敢えてトス爆撃で艦艇にダメージを与えようとするなら「艦隊のど真ん中に核でも放り込む」くらいしか無い。

2013-08-01 23:30:33
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そう、最早航空機が攻撃すると言うよりミサイルが攻撃手段となってしまった。飛行機は汎用性のレベルでの性能向上を求められるプラットフォームと化した。

2013-08-01 23:30:43
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そして軍艦自体、戦後直後の重巡洋艦を除き、重装甲を以って鳴らす存在は消滅、対ミサイル防御を限定的に施した存在に様変わりし、迎撃システムも紆余曲折を経て事実上人の手を離れつつある。

2013-08-01 23:30:50
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

最後の追加になります。斯様に、WW2に於ける対艦攻撃は「制空=>急降下爆撃=>雷撃」を主軸に、水平爆撃やロケット弾攻撃が併用されるものでした。

2013-08-02 02:40:25
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

ここで言う雷撃水平爆撃を行う艦上機「艦攻」急降下爆撃を行う艦上機「艦爆」となるわけです。新任提督諸兄の御理解の一助になれば幸いです。(脱線し過ぎで却って解り難いかも) #艦これ

2013-08-02 02:42:29

以上、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
私の理解の不足や記憶違いでご指摘いただける点があれば、是非とも宜しくお願い申し上げます。

蛇足ですが・・・日本の艦爆は投弾後はある程度、敵戦闘機と渡り合える事を求められていました。
それが艦爆は前方機銃あり、艦攻は前方機銃無しと言う装備の差に表れています。
(九九艦爆も、彗星も戦闘機的運用がある程度可能)
その一方で艦攻である筈の「流星」だけは20mm機関銃を備えています。
実は流星は艦爆と艦攻を兼ねた艦上機として開発されたからです。
現状の艦隊これくしょんではこの点は再現されていませんが、機体の装備にそうした「運用上の意図」が見え隠れしている点にも、興味を持って頂ける機会になれば、これに勝る喜びはありません。

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