「おっと申しおくれやした。西のソドムで産湯を浸かり、東のエデン育ち。座は暴食、罪科は因果フェッラーライにございます…あー前半部分は嘘だ気にしないで」無駄に右手を意識したような動きで自己紹介した後、にっと歯を見せて笑う 「まぁ、つまる話、可愛いお嬢様が、いたのでナンパしにきたのさ」
2013-07-28 23:39:53「私にはあの方みたいに信じる王も、止めてくれるヒトもいないもの。それに、貴方達は仲間でしょう? 敵が現れたのでしょ、ならば仲間なのよ」 扉に手をかける。 「あ……」 同じあの子を忘れていた事を思い出す。本当に目先しか見えていない自分にも腹が立つ。 振り返って嫉妬を見る。会話中→
2013-07-28 23:39:53→今から連れ戻しに行くのは格好が付かない。 彼女は諦め扉を開く。 「そういえばフライシェスラスト」 名前を呼ぶ。 「私と似ているあの子には付きまとわないのね」 言葉選びは悪かった。
2013-07-28 23:39:58怠惰の声が聞こえる。屋敷の中どこにいても聞こえる便利なアレだ。 「りょーかい、でも俺はあまりモンでいいさ」 数字にこだわりはない、強いていうなら3の曲線が色っぽいと思うが、誰に言っても理解してもらえなかったので最近は口にしなくなったくらいか。
2013-07-28 23:42:03「……」よく分からないけど、『暴食』はたしかいっぱい食べる人だったっけ。たしかツォルンからはそう聞いた気がする。それともう一つ、分からない言葉があったような。「ナンパ、ってなに?」首をかしげる。いっぱい食べる人だから、お食事をしようとか、そういう事なんだろうか。
2013-07-28 23:46:05ナンパとは?そんな彼女の素朴な疑問を聞いた途端暴食の青年は膝をつく「オーマイゴッド!ブッダファック!彼女は自分がナンパされるということについてどういう意味か知らないのか!神様!あんたぁ薄情だぜぇ!」おーいおいおい、と嘘泣きを始めるもののそれが続いたのは約3秒。ネタは長く続けない→
2013-07-28 23:53:06けろっと元にもどって立ち上がれば失礼にならぬよう彼女に対して右手を差し出す動作で認識させる「君がかわいいので、なかよくなりたい。ということだね」
2013-07-28 23:54:01広間の中央、怠惰の彼女が残した淡く光る窓。それに近づきひょっこり覗く。 「へぇ、面白いねこれ」 スクリーンには1から7までの文字が並んでいた。 「うーん」 どの番号にしようか。考えながら広間を見回す。ずいぶん人が減った。屋敷を見て回ろうかとも思うが、とりあえず適当な席に座る。
2013-07-28 23:59:57「……?」騒がしい人だなあ、と思う。いきなり泣き出したから悲しいのかな、と考えたのだけど、違ったみたいだ。「なかよく……」仲良くしよう。今まで何度も言われた。だけどわたしはここに来るまでひとりだった。「……」じいっと、男の人の目を見つめる。わたしは緑色の目。あなたの目は、何色?
2013-07-29 00:01:14「仲間、ね」 これほど嬉しくて、そして遠い言葉も無い。 開いた扉の中までは、追いかけることもなく言葉に頷いた。 ナイトのことだろう彼女はまだ口説いたことがない。 一応してもいい相手とそうでない相手の分別はあるつもり。 「俺が好きなのは誰か、知ってるだろ」
2013-07-29 00:01:41「あん、嫉妬ちゃんそんなに見つめられると照れるぜ」 軽口は叩く彼の眼はそう金色。夕焼けのなか光輝くライ麦畑のような目が優しく同族を見据える。 「わたくしの目はお気に召していただけましたでしょうか、ミズ?」 こういうことには慣れているのか語気は崩さぬまま話しかけた
2013-07-29 00:05:30「……」まっすぐ見つめ返される。こうやって見てくれた子達は、いっぱいいた。そうして、いつのまにかわたしの事を忘れていた。「……やめましょ?」それを考えると、目を合わせているのが、ひどく嫌になった。どうせわたしの事なんて、誰も『刻憶(おぼ)』えてはくれないのだから。
2013-07-29 00:11:09「あーりゃりゃ、こりゃふられちゃったかなー?」てへ、と舌を出しつつ自らの頭を叩く。トラウマか、それとも男嫌いかは分からないが今日はツキがなかったようだ。……おいおい、もうちょっとだけ頑張るぜ? 「やめて後悔するより、ちょっと先に進んでからやめてみない?」
2013-07-29 00:16:05「……」ふられる、っていう言葉は聞いたことがある。前いっしょにいた女の子が、そんな事を言いながら泣いていた。わたしは、その子にも捨てられた。「先に進むって、どういうこと?」わたしは、何も知らない。誰かと過ごした毎日の先に、何があるのか。「それは、壁にぶつけられるより、痛いこと?」
2013-07-29 00:21:57「お嬢様、可愛いだけじゃなく聡明だね。だけどちょっと違うかな」 もったいぶるように人差し指を立て揺らす。その仕草はまるで手品師のようだ。「壁の近くまで行ってさ、この壁は当たっても痛くないかな?どんな模様なのかな?って観察するのさ。最初っから当たると痛いからまずは遠目にみるんだよ」
2013-07-29 00:25:30「さあ、誰なのかしら?」 口元は小さく笑っている。 「彼女、もう少しヒトと関わるべきなのよね。だけど変なヒトには任せられないの」 多分難しい子だから。 付いてこない色欲を見て、一つ言葉を投げかける。 「貴方も、おとぎ話……でもどちらでも、なのね」
2013-07-29 00:27:04「観察……」それが『見守る』事だとしたら、わたしはずっとそうやって過ごしてきた。だって、それがわたしの役目だったから。昼も夜も、部屋の壁や床、『持ち主』のベッドを眺めて。そうしているうちに、わたしはいつもいつも、忘れ去られていったんだ。――だから、それをしろっていうこの人は。→
2013-07-29 00:30:27右手に力を集めて、わたしと同じモノを呼ぶ。だれかがままごとに使った、おもちゃの包丁。それを、暴食の男の人の足もとに投げつける。この人は、わたしとは違う。わたしを忘れて行った人たちと、何も変わらない。どこかにいっちゃえ。「わたしの世界(おもちゃ箱)」に、『そんな人』は必要ない――!
2013-07-29 00:34:41「まぁ、ありていに言えば『お友達から始めましょう』だね。そう難しいことじゃないよ。こいつどんなやつだ?ってちょっかいかけたり。同じ飯食って感想言い合ったり。僕といると楽しいぜ?ダメだったら『お付き合いできないわこのすっとこどっこい!』て僕を思いっきりビンタすりゃいい。それだけさ」
2013-07-29 00:36:08突如飛来する包丁……ここで使うのは気が引けるけど、でもこんな可愛い娘をほっとく手はないよな! そう思ってただ念じて「食べる」 「なーんだ、わかってるじゃないか、そうだよそれそれ!」 もし少女が自分の手元を意識するなら分かるだろう。 投げたはずの包丁が手元に戻ってきていることに
2013-07-29 00:41:44「……?」どうしてだろう。投げたはずの包丁が、わたしの手元にある。そっか。この男の人には、わたしの『妬み』は届かないんだ。なあんだ。なおさら、今までわたしと一緒に過ごしてきた人たちと同じじゃないか。「あなたは」金色の目を見あげる。わたしは、この人と過ごしても、何も変わらない。→
2013-07-29 00:52:28「……わたしのことなんて、なにもわからないくせに」右手におもちゃの包丁持ったまま、わたしはドアへと歩いていく。この人と話しても、『おもちゃ箱』の中に踏みこまれるだけ。そんな事は許せない。だから、少しでも早く、この男の人から離れたかった。
2013-07-29 00:55:34「知ってる癖に」 は、と息を吐きだす。 「変って、俺のことかよ?女性には紳士だぞ」 無理強いはまだしたことは無い、罪を背負う前はともかく。 「おとぎ話、でも実際にあったんだろう。そういう事が」「だったら……いや、いい」 「じゃあ、おやすみ?ツォルン。良い夢を」
2013-07-29 00:58:16返事は聞かないまま背を向けた。 「七人で、な」 七人でない時もあったけれど、それは過去の話。 ひとりごちて廊下を戻り向かうのは広場かどこか。
2013-07-29 00:58:34