〈シリアスな思考〉嫌悪としての「萌え」――教養と鑑賞の明るくない未来?

新世代の「萌え」礼賛の背後に、旧世代の教養や鑑賞に対するルサンチマンがあるという見立ては、旧世代の被害妄想なのか。
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@ttt_ceinture

@odg1967 私は@odg1967さんのそういう、語を慣用から引き離して容器として無理強いして酷使し、はたと再び慣用の方を意識し、ぐるぐるとうねることで結果的に語の意味を捏造的に上書きする足どりが好きですけど。

2010-02-10 19:42:36
@odg1967

@ttt_ceinture 「萌え」の擁護の背後に〈シリアスな問い〉への不寛容があるという見立ては、「価値多元主義」擁護の背後に〈シリアスな問い〉への不寛容があるというテイラーのバーリン批判の焼き直しなんですけどね。

2010-02-10 20:01:59
@odg1967

あと「萌え」の擁護って、ノージックのいう「経験機械」の是認でもあるような気が。

2010-02-10 20:05:04
@ttt_ceinture

@odg1967 なるほどね。水平的に多元性を認め、そこど相対化できるがゆえに身動きもとりやすくなるが、その構造自体が隠蔽する問いがあり、後者の問題をどうするか、みたいな感じなのかな。シリアスな問いって、多元的な価値の間のヘイトクライムとか?

2010-02-10 20:09:35
@odg1967

@ttt_ceinture バーリンは「自由」を誰もが同意できそうな〈外的障害物の欠如〉と規定する一方で、意見の分かれる〈自由を脅かす内的障害物〉についてシリアスに語ることを禁止しています。〈わかりにくい話すんな、何が自由かなんて常識で考えれば誰でもわかるだろ〉的な不寛容。

2010-02-10 20:28:44
kkazhiro @kkazhiro

@odg1967 「全部乗せ」も結局はある程度類似のコードをもってる人の間でのみ通用するものだとは思います。キャラクターにある種の(隠蔽されているか明示されているかの差はあれ)性的魅力があれば筋はどうでもいい、を指す言葉だということなら納得できます。

2010-02-10 20:08:44
kkazhiro @kkazhiro

@odg1967 こちらについては了解です。従来のスキルに対する負の感情を持っている層の間ですら新しい差別化ゲームが発生するのは珍しくないとか、楽しくないし救われない状況だなぁと思ったりします。

2010-02-10 20:10:27
@odg1967

@kkazhiro なるほど「差別化ゲーム」でよくわかりました。あまり参加したくないゲームですが。

2010-02-10 20:32:50
倉津拓也 @columbus20

動物化するポストモダン129p.では「フェティッシュに耽溺する性的な主体(無意識的な人間)とも異なり、もっと単純かつ即物的に薬物依存者の行動原理に近い」という記述があります。 RT @odg1967 (だめだ、萌え属性とフェティシズムの違いがわからなくなってきた。)

2010-02-10 20:32:58
@odg1967

@columbus20 一応、存じておるつもりなんですが、それがどのぐらい一般的な用法なのか確信が持てないのと、「もっと単純かつ即物的に薬物依存者の行動原理に近い」というのがわかりにくい。とりあえず〈シリアスな思索を伴わない――排除するのかどうかは不明〉ぐらいにとっておきます。

2010-02-10 20:38:47
@odg1967

「萌えるためには、思考は不要」っていうのと、「萌えるためには、思考は禁止」ってのは違うわけですから。

2010-02-10 20:42:36
@ttt_ceinture

@odg1967 つまり、合意が容易に成立する外的な面と、個人におのおのある属人的な面の二つが、ある語にあり、後者については蓋をする、と。

2010-02-10 20:47:57
@odg1967

@ttt_ceinture 「女性は産む機械」みたいな偏見も確実に自由を脅かすのだけど、シリアスな議論は面倒なので「価値観はひとそれぞれ」で黙認しちゃう。政治とか法の規制を緩和することだけが〈誰にとっても自明な自由〉という乱暴な理屈です。

2010-02-10 20:55:51
kkazhiro @kkazhiro

@odg1967 あ、ごめんなさい。負の感情を抱く側/抱かれる側が細分化していく側面も確かにあって酷い話なんですが。もっと単純に、消費しているコンテンツの傾向が全く違うにもかかわらず同じ言葉を形容に使っている場合に、その言葉が指す意味はどこまでなのかと。

2010-02-10 20:47:19
@odg1967

@kkazhiro いろいろあるとしかいえないですね。文脈で区別していくしかない。

2010-02-10 21:00:20
@ttt_ceinture

@odg1967 なるへそ、アイデンティティ問題は脇において、法や政治の改善で手を打とう、と……。実践的には強そうな立場だなあ

2010-02-10 21:02:40
@odg1967

@ttt_ceinture めっちゃ強いです。確かに。

2010-02-10 21:07:06
@ttt_ceinture

@odg1967 「焦点絞って、同意できる枠にして、さあいろいろ働きかけようぜ!」な要請が、達成課題が明確な実践だと問われてくるでしょうしね。(というか、実践ゆえに達成課題の明確化、が生じるのか)

2010-02-10 21:11:39
@odg1967

@ttt_ceinture 自由の「中期目標」。

2010-02-10 21:15:10
@odg1967

萌えはフィクションに対する〈シリアスな問い〉を放棄することによって可能となる(例:ものすごく陰惨な物語の主人公の美少女に対する萌えは、物語についてのシリアスな考察を停止することで可能になる)。〈シリアスに問うな〉が萌えの前提。萌えの根底には、〈シリアスな問い〉への憎悪がある。

2010-02-10 23:03:38
@odg1967

そういうルサンチマンに満ちた奴隷根性の「萌え」を克服し、われわれは高貴な「フェチ」にならなければならない。フェチは萌えと異なり、フィクションや人生についての〈シリアスな思考〉と両立しうる貴族的な精神のあり方だから。……というまとめになるでしょうか。

2010-02-10 23:06:48
@odg1967

……といっても、別に『動物化する……』の用語法に従う義務もないか。「フェチ」よりも「萌え」の方がなんとなく、変態っぽくないし。

2010-02-10 23:11:31
@tamanoirorg

モーツァルトやロッシーニのオペラを楽しむには、彼らが確実に持っていた「萌え」を捉える必要があるとは思います。「ぶってよマゼット」なんて、萌えツボを意識しなければ歌えない。@odg1967 萌え属性がスキルとあいまって読みを深める場合もある。たとえば谷崎潤一郎『猫と庄造と二人の//

2010-02-10 23:07:55
@odg1967

@tamanoirorg 御意。鑑賞スキルを高めてくれるような萌えもあるということは重要なことだと思います。

2010-02-10 23:12:52
@tamanoirorg

更に言うなら、コメディア・デラルテを踏まえたものは「萌え」駆動の装置だと思うのですが(ボードレールの未完の小説草稿にもあります)、前にサブカル系の人にそれを聞いたらいきなり憤激され、歴史には興味がない、と喚かれたので結局不明のまま。しかしなんで怒るんだろうな。@odg1967

2010-02-10 23:10:56