@kaz_tan さんによる22年度新司法試験の問題(民事系)を見返すお仕事
民事系第一問は会社法。現場では、ざっと問題を見たあと、配点割合2:8ってのをチェックして、設問1は簡単に書いて(答案で言うと8×0.2=1.6枚が上限、と計算。)、設問2は頑張ろう、との方針を立てました。
2010-10-02 17:18:35問題文の読み方だけど、僕は、主体が出てきたらそこを四角く囲みます。今回だと、A、B、甲社など。それから、会社の組織形態も丸をつける。公開会社で株券発行会社。あと、合意とか契約とか払い込んだとか登記したとか認識していたなどの明らかに法的に意味を持ちそうな事実にも丸。
2010-10-02 17:24:34民事系第一問。多分こんなこと書いたんだろうな、ってのは以下の通り。まず設問1は、現物出資財産額が客観的には不足だった場合どうしますか?という問題(だと現場で把握した、との趣旨。以下同じ。)。まあ52条ですよね。順番に要件を見て行く。ABともに発起人かつ設立時取締役。
2010-10-02 17:45:50定款記載は5億。実は1億で差額は4億。「著しく不足」かどうか。見るからに著しいっぽいけど、一応丁寧に評価・当てはめしときます。1項の要件は充足。じゃあ2項の免責はあるか。Aはカッコ書きに当たるから免責の余地なし。Bは2項2号か。
2010-10-02 17:48:24認識してなかったし、土壌汚染って見えませんし、すでに現存する本件建物を改装するだけで、土地を掘り起こしたりみたいなことはしなかったはずだから、まあ過失ないよね、というような事を書いたはず。
2010-10-02 17:49:4955条で免除する話は多分書かなかったなあ。問題文に、Bの株式は取引先に譲渡されてますってわざわざ書いてあるので気にはなったんだけど、まあ過失なしだしいいか、と。
2010-10-02 17:51:19設問2の1は、1億の払い込みのうち9000万が見せ金だったときにどうしますか、という問題。丙は実質的にAが支配してて、Aの支持でやってるから見せ金っぽい、という認定から入って、じゃあどうすんの?と問題提起。
2010-10-02 17:54:12見せ金による払込みは無効だ、ってのは言いやすかったけど、じゃあ一部無効なのか全部無効なのかどっちだろう。208条1項には「全額」って書いてあるから(全額払込主義)、法は一部払い込みを想定してない(+その実質論はその場ででっち上げた。一部だと資金調達計画が狂って困るとか)ようだ、
2010-10-02 17:57:04ということで、1000株すべてについて払い込みが無効で、従って発行された株式も全部無効だ、とした。ではABの責任は?423で行くとして、発行された株式が無効なんだから会社に損害があるのかなと考えて、でもまあ登記もしてるし、そういう手続費用が損害かも、と考えた。
2010-10-02 18:00:15そうするとAが責任を負うのはいいとして、Bはどうか。やっぱり過失がないんじゃないか、ということで(もちろんそれなりに事実を引っ張った上で)責任なしにした。
2010-10-02 18:01:20丙はどうか。見せ金による払い込みが無効のとき、再度払い込み義務があるのかどうか良くわからなかったのだけど、形式的には手続きが終わってること、株式は無効なことからすれば、もう払い込み義務はないだろう、的なことを書いて、じゃあもらった株券はどうするんだろう、と。
2010-10-02 18:03:49わざわざ株券発行会社だなんて珍しい(会社法のデフォルトでない)会社にしたからには株券がなにか関係するんだろう、ってことは問題を読みながら身構えてたので、じゃあここで使うのかな、と。でも株式が無効なら株券も価値がないはずで、不当利得と言えるのかな?と迷って、調べたのが840条。
2010-10-02 18:05:51840条は新株発行無効判決の効力の規定なんだけど、その1項後段には株券は返しましょうって書いてあったので、不当利得か同項の類推かはともかくとして、株券返還義務は負うよね、という結論。
2010-10-02 18:07:38それにしても、これだけの事案を「見せ金?預け合い?」「不公正発行?」「52」だけのメモと、あとは下線と丸やら四角やらだけでよく答案7頁も書いたもんだなあ。あ、この「不公正発行?」って212条類推のことだったのか?(解釈が必要なメモ書き
2010-10-02 18:23:42民事系第二問。こちらも配点を見て時間と答案用紙の枚数の配分をまずやりました。そこで設問4が山場っぽいな、と把握。あ、ちなみに(後から分かったとおり)1、2、5が民法、3、4が民訴ですが、答案は1→5の順番に解答しなければなりません。このことはどっかのQ&Aに明記されてます。注意。
2010-10-02 20:01:58設問1は事実の持つ意味合いを考えなさい、という問題。(書かなくてもいいんだろうけど)債務不存在確認訴訟だから2000万円債務の発生が抗弁になって、その際、(α)金額の限度のない代理権授与+有権代理と(β)1500万円代理権授与+110条の無権代理、って構成で主張してるね、と整理。
2010-10-02 20:05:00それぞれの要件事実を挙げた上で、いよいよここからが本題。事実(1)は電話の会話。これは事実3の経緯からすると1500万円についてのものだと理解できるから、αとの関係では消極的な間接事実に、βとの関係では積極的な間接事実になる。
2010-10-02 20:08:41事実(2)は、βだと正当理由の評価根拠事実になりそうだけど、αだと無関係かなあ、でも、1500万円だと思ってたからこそ不振に思って電話したんです、という主張にも使えそうだから、この限度で消極的な間接事実になるのかな、という曖昧なことを実際に書いた。
2010-10-02 20:10:36設問2。うわ、不法行為きたww って思いながら解きました。小問(1)は、抵当不動産丙を取り壊されたことについて、抵当権者にどんな損害があるのか、という問題。で、いま問題用紙(さすがにいろいろメモも残ってる)を見て気づいたんだけど、僕ここで、すごい事してた。
2010-10-02 20:22:49