世界敗血症デー関連敗血症セミナーまとめ

DrMagicianEARLさんによる、2013年9月8日の「世界敗血症デー」セミナーのまとめ。
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⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】世界的な敗血症の状況の改善を目的として,世界敗血症デー(WSD: #WorldSepsisDay )は世界敗血症同盟(GSA:Global Sepsis Alliance)によって2012年に9月13日に定められ,世界 http://t.co/46YF9qwoTa

2013-09-09 11:18:46
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】日本集中治療医学会も賛同し,2013年は日本でも2つのイベントが企画され,9月8日の医療者を対象とした世界敗血症デー関連敗血症セミナー(新宿安田生命ホール)と9月13日に市民を対象っしたイベント(東京駅前KITTE)が開催

2013-09-09 11:20:52
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】講演1は敗血症と世界敗血症デーについて,日本GSA委員長である中川聡先生(国立成育医療研究センター病院集中治療科)が講演.SSCGをベースに敗血症の定義とその疫学,予防→診断→治療→リハビリテーションに至るまでの概要を説明

2013-09-09 11:23:55
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】米国統計(CCM 2001;29:1303-10)モデルからの推計では,日本では年間38万4千人が重症敗血症に罹患していることになる.日本の死亡統計では敗血症が死因とされている死亡は2011年で11170人であり,全死亡の0.9%となっている.

2013-09-09 11:27:29
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】しかし,この数字は悪性腫瘍などの他の基礎疾患が存在している患者が敗血症に罹患して死亡したケースが反映されておらず,一般的死亡率や米国データをもとにすると実際の日本の敗血症死亡者数は年間10万人以上と予測される.

2013-09-09 11:30:07
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】SSCGにより敗血症死亡率は改善傾向にあるが,罹患者数は増加傾向にある.米国データでは高齢者ほど敗血症罹患者数,死亡率が高く,高齢化社会の日本でも今後急激に増加することが予想される.実際に2001年と2011年を比較すると日本の敗血症死亡数は1.8倍に増加している

2013-09-09 11:33:11
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】敗血症は,死亡のみならず認知・運動機能予後にも影響を及ぼす.敗血症後は認知機能が低下し,退院後も半数が歩行に問題を感じていた(JAMA 2010;304:1087).補足:概念にはこの講演では触れていなかったが,2012年に提唱されたPICSのことと思われる

2013-09-09 11:36:19
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】敗血症という言葉を知っていた市民は12%に過ぎない(CCM 2009;37:167).敗血症の予後を改善させるため,重症病態である敗血症を医療関係者だけの問題とはせずに,一般市民と一緒に考えて何らかの行動を起こそうというのがWSDが始まったきっかけである.

2013-09-09 11:40:29
屋久 彩司 @myslenine

@DrMagicianEARL 母集団の抽出が明らかにバイアスってる感じ…

2013-09-09 12:36:02
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

12%は欧州各国の調査の平均なんですが,ドイツだけ53%という意味不明な高さの数字になっていて,それが平均値を押し上げています @myslenine

2013-09-09 12:07:59
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】衛生状況改善・手指衛生・ワクチンといった予防策から始まり,SSCG遵守による早期認識と早期治療を経て,敗血症罹患後のリハビリテーションに至るまで,多岐にわたった介入が必要であり,全医療関係者と市民が認識を共有する必要がある.

2013-09-09 11:43:55
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】講演2は敗血症の予防と早期発見,さらには耐性菌事情について日本感染症学会より朝野和典先生(大阪大学感染制御部)が講演.感染症予防においてはワクチンが重要となる.しかし,敗血症はSIRSの発症によって診断されるため予防は困難となる.

2013-09-09 11:48:24
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】しかし,敗血症を発症しても,薬剤耐性菌でなければ治療の効果および予後の改善が期待できる.よって,敗血症の予防とは,病院全体の薬剤耐性菌感染症の頻度を減少させることもひとつの方策であるということができる.

2013-09-09 11:50:45
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】現在,世界的にはpost-antibiotic eraと表現される状況,すなわちあらゆる抗菌薬が効かない時代になりつつある.MRSAやVREから始まり,現在はカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)の急激な増加の現状について2012年にCDCから警告された.

2013-09-09 11:54:12
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】実際に海外ではカルバペネム耐性大腸菌は珍しくない(バングラデシュでは90%耐性).カルバペネム耐性は同時にほとんどすべての抗菌薬に耐性となっている.これらに対して有効な抗菌薬はコリスチンやチゲサイクリンのみである.

2013-09-09 11:56:34
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】アシネトバクターのカルバペネム耐性率は米国・中韓・欧州では50%以上の国が非常に多い,日本の隣国である台湾ではRFP,CL,TGCすら効かない多剤耐性アシネトバクターが増加している(J Microbiol Immunol Infect 2012;45:37-42)

2013-09-09 12:01:30
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】しかし日本ではアシネトバクターのカルバペネム耐性率は2%.他の薬剤耐性菌も少数であり,MRSA分離率も減少してきている.日本はいい意味でガラパゴス化しており,2000年代にようやく普及し始めた感染制御システムの貢献も大きい.

2013-09-09 12:05:31
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】敗血症予防策として,①ワクチン,②ICT・感染症専門医との日常的連携,③早期診断の教育,④感染臓器・原因菌の的確な診断,⑤抗菌薬の適正使用,を挙げる.

2013-09-09 12:10:55
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】講演3は敗血症に対する集中治療について織田成人先生(千葉大学救急集中治療医学)が講演.SSCG2012と日本版敗血症診療ガイドラインについてざっと解説.

2013-09-09 12:13:02
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】講演4は敗血症における外科処置(Source control)について感染症学会から竹末芳生先生(兵庫医大感染制御学)が解説.各論内容のため,以下抜粋.「SSIでは必ずしも抗菌薬は必要ではなく,バイタルサインや創部の状態次第では不要となる.」

2013-09-09 12:18:36
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】「腹腔内感染で適切なドレナージでなければ,抗菌薬の有効性の評価は不可能.8報のRCTで不適切なドレナージ例は16.2%あり,これらを抗菌薬効果判定から除外すると,抗菌薬不適切例は6.7%まで低下(CID 2013;56:1765-73)」

2013-09-09 12:26:25
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】「腹腔内感染症では縫合不全であっても4-7日で抗菌薬は終了すべき.長期投与での耐性化が報告されている.日本でのSSIの原因菌感受性サーベランス→JIC 2012;18:816-26」

2013-09-09 12:37:34
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】「SSCGではSource controlは12時間以内に行うよう推奨されている.敗血症性ショックを伴いICU治療を有するNSTIでは手術開始までの時間が14時間以上だと死亡率増加(ICM 2009;35:847-53)」

2013-09-09 12:44:59
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】「腹膜炎術後の再発の診断と再手術のタイミングの判断は困難.三次性腹膜炎では48時間以内に手術を行うことにより良好な成績が報告されている(World J Surg 2000;24:32-7)」

2013-09-09 12:50:26
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】「重症の細菌性腹膜炎に対し,術後の患者状態により再開腹を判断するon-demandとplannedを比較した232例RCTでは予後や合併症に差はなく,on-demandの方が入院期間が短期で,入院費も安価(JAMA 2007;298:865-72)」

2013-09-09 12:54:07