【考察】なぜ蜘蛛は縁起の良い虫であり、また縁起の悪い虫でもあるのか
蜘蛛という漢字は「朱」「知」「虫」の三つの漢字から成り立っている。つまり、蜘蛛とは朱がある場所を知っている虫である。奈良時代や平安時代の虫というのはそのままの意味ではなく人間として認められていない者のこと。ここで、朱とは辰砂つまり硫化水銀のことだ。
2010-10-08 23:41:22水銀は奈良時代(平安かもしれない、記憶があいまいです)に大変重宝され、権力者が競って集めた。この後数百年間水銀は長寿の秘薬として用いられる。また、大仏を黄金に見せるためにも使われた。つまり、水銀は権力の象徴だった。
2010-10-08 23:42:16また、蜘蛛の別名に細蟹(ささがに)というのがある。ささ→笹 笹は昔話などで出てくる際に、砂鉄を表していることが多い。つまり、笹→砂々(砂鉄)だ。砂鉄は製鉄の材料として使われ、これまた大変重宝された。これも当時の権力の象徴だ。
2010-10-08 23:43:11こうして見ると、蜘蛛は益虫だ。しかし、日本には夜蜘蛛といって蜘蛛を害虫とみなす風習もある。これほどにめでたい虫を害虫と呼ぶからにはそれなりの理由があるとおもう。
2010-10-08 23:44:21細蟹といえば、細蟹姫が思い浮かぶ。細蟹姫とはたなばた姫(だったよね?)のことであり、これは織姫星のことだ。七夕には笹に短冊をくくりつけて願い事をかなえようとする。しかし、竹は当時非常に縁起の悪いものだった。竹は空洞になっているから、異界への道として考えられていた。
2010-10-08 23:48:22七夕が何故縁起の悪い竹を使って行われるのかというのは、「今の日本では、良いものにあやかろうとする風習がある。そのため、いいものを祀ろうとする。しかし、昔の日本では感覚が違っていて、悪いものを祀って怒りを買わないようにしようという風習だった。」というのと関係があるかもしれない。
2010-10-08 23:50:41そういえば、織姫と彦星って絶対に会えないんだよね。願いがかなえられずに死んだ者は願いをかなえる神様になると信じられていたから、出会う前に殺して黄泉の国へと流すんだったかな?たしか
2010-10-08 23:52:42だとしたら、門松とと同じ意味なのか?祭りの後には笹を川に流す風習が残っているところもあるし、笹に憑依(?)した先祖を黄泉の国へと流してしまう意味がある?
2010-10-09 12:29:52ちなみに、さっきの補足説明として、松は鬼の木であり縄で縛りつけて玄関先に出すという行為で鬼(ほぼすべての人の先祖)を家から追い出しますよという意味。これは、庶民が朝廷に対して「私たちは鬼ではありませんよ」という意思表示。朝廷の人の先祖は鬼でないから朝廷では一度も門松を置いていない
2010-10-09 12:41:20細蟹姫(たなばた姫)がその様な名前になった理由って細蟹が糸を出すからだけじゃなくて細=笹って意味だと思うんだけどなー。もうちょっとで繋がりそうだな。
2010-10-09 16:15:13そういえば、雅やかであるというのは働かずに遊ぶことだったので朝廷の人々は毎日遊んでばかりいた。働くことは庶民のすることで蔑まれる行為だった。つまり、いろいろなことに使える竹は蔑まれるものの一つだったのかも。
2010-10-09 16:22:24衣通姫の和歌に「我が夫子が来べき夕なりささがねの蜘蛛の行ひ今夕著しも」というのがあるらしい。意味は「私の夫が訪れそうな夜だ。なぜならば、笹の根元の蜘蛛が糸をかける様子がはっきりと見えるから」とういものらしい。「ささがね」というのは「小竹が根」とも書かれるという。
2010-10-10 10:53:57