2013.10.17 原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)と 民法724条と風評被害 中所克博先生のツイートまとめ

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弁護士中所克博 @K_Nakajo

渡辺淑彦弁護士が,日弁連人権シンポでチェルノブイリ視察報告をされた。その講演録を津久井進弁護士がブログにアップしておられる。記事の転載・引用は歓迎とあるので,ぜひともご紹介したい。ご見分に基づく発言はとても深くて重い。 → http://t.co/2JPWwzmTMK

2013-10-17 13:01:44
弁護士中所克博 @K_Nakajo

このブログから辿り,講演録に辿り着いた。このブログのオーナーも被害者を背負って闘っている熱い熱い方であり,必読である。~~~渡辺淑彦弁護士のチェルノブイリ視察報告 http://t.co/tplGcGZMlG #r_blog

2013-10-17 13:06:46
弁護士中所克博 @K_Nakajo

そういえば,昨日の日経朝刊5面に,CSCの加盟に関する小さな記事があった。経産省は,「限初事故の越境損害を補償する原子力損害の補完的補償条約への加盟を,『有力候補として検討中』であることを明らかにしたという内容。場所はココ → http://t.co/1effMcy7EF

2013-10-18 10:29:42
弁護士中所克博 @K_Nakajo

加盟を検討しているという「原子力損害の補完的補償に関する条約」(CSC)は,相当に重要なものである。例えば,原子力損害の中に,「環境を利用し又は享受する経済的利益から得られる収入の喪失であって,環境の重大な汚染によって引き起こされ・・・」も明文で認めていたりする。

2013-10-18 11:02:31
弁護士中所克博 @K_Nakajo

さらに,「原子力損害の補完的補償に関する条約 付属書」の9条には,損害賠償請求権の消滅時効に関する定めもある(改正ウィーン条約,改正パリ条約における消滅時効の定めとは異なる内容)。加盟する方向で検討するのなら,それに沿う国内法の改正が必要になるので,連動した動きになる。

2013-10-18 11:05:41
弁護士中所克博 @K_Nakajo

「原子力損害の補完的補償に関する条約」(=CSC)の付属書9条1項も10年と定めている。~~~原発賠償の時効延長は10年 自民、特例法案まとめる - 朝日新聞デジタル (http://t.co/zt3JQlJGcP) http://t.co/ux6xRyqPZG

2013-10-18 19:52:35
弁護士中所克博 @K_Nakajo

原子力損害賠償条約の中で,日本が批准する可能性が一番高いのはCSC。改正パリ条約・改正ウィーン条約ではない。また,後者は生命&身体傷害の消滅時効を原子力事故の日から30年としていて長い。CSCは損害属性の区別なく原則10年としている。自民党案は当然にCSCも視野に置いている筈。

2013-10-18 19:55:47
弁護士中所克博 @K_Nakajo

CSCは,政府や国会やセンターが今後の賠償について施策を講じるに当り,絶対に意識しなければならない国際的枠組みである。このCSCを読み込み,理解することは,今後の賠償の方向性を予測したり,国際標準に沿うように改めさせる上での道具として使える。だから,CSCの理解は不可欠だと思う。

2013-10-18 19:59:30
弁護士中所克博 @K_Nakajo

外務省のHPに,「民生用原子力協力に関する日米二国間委員会第1回会合の結果概要」がアップされている。中に「原子力発電所の安全な運用のための国際的制度的枠組の強化」も謳われている。これも押さえておく必要がある。場所はココ → http://t.co/JuOvCOIvQQ

2013-10-18 20:21:01
弁護士中所克博 @K_Nakajo

そうか!CSCは「5カ国以上の締約国の原子炉の熱出力の合計が4億kWを上回ること」を満たせば発効する。アルゼンチン,モロッコ,ルーマニア,米国に加え,日本が締約国になれば発効するんだ!責任集中などの武装でリスクをヘッジでき,国際展開の名の下に原発を輸出し易くなる?むむむ・・・。

2013-10-18 20:38:20
弁護士中所克博 @K_Nakajo

私はタダの街弁。原発事故では被害者陣営にいる。で,CSCなるものに気づき,少し掘ってみた。絶対押さえておくべきだと野生のカンが告げている。原発損害にも絡んできそう。だが,それだけに限らない,もっと深いと野生のカンが告げている。もはや街弁の限界。詳しい方々に後のフォローを託したい。

2013-10-18 20:43:16
弁護士中所克博 @K_Nakajo

自民党PTが,原発賠償の消滅時効延長に関する法案をまとめたと報じられている。マスコミによれば,「3年間と定める時効の期間を10年に延長する」とのこと。

2013-10-20 22:35:27
弁護士中所克博 @K_Nakajo

特別法で修正しない場合,原子力損害賠償請求権の期間制限は,民法724条の定めに従うことになる。この民法724条は,①損害と加害者を知った時から3年間という消滅時効期間と,②不法行為の時から10年という除斥期間の二本立てになっている。特例法は①の部分のみの特例なのだろうか?

2013-10-20 22:40:51
弁護士中所克博 @K_Nakajo

民法724条の後者の方。不法行為の時から20年を経過すれば,被害者が損害と加害者の両方を知っていようがいまいが,原子力損害の賠償請求はできなくなる。こちらの長期期間制限の方も延ばす議論を行い,特例法でケアしようとしているのだろうか?マスコミ報道は曖昧でよく分からない点である。

2013-10-20 22:46:59
弁護士中所克博 @K_Nakajo

民法724条が定める20年の期間制限(除斥期間)の方は,主に晩発性放射線障害の賠償請求を行おうとするとき,因果関係の証明の困難さと共に大きなネックになってくる。たしかに,「不法行為の時」という起算日を後にずらして救済範囲を拡張する余地もあるが,これだと不十分だろう。

2013-10-20 22:53:16
弁護士中所克博 @K_Nakajo

晩発性放射線障害と言葉で言うのは簡単。だが,将来がんになったとき,そのがんが福島原発事故に因るものであるとの高度の蓋然性が認められる,という程度に証明することには相当の困難が伴う筈。

2013-10-20 22:58:32
弁護士中所克博 @K_Nakajo

発がんが原発事故に起因していると証明することの困難性。①遺伝子を見ても原発事故の傷かそれ以外か区別不能。②発がんの原因は原発事故以外にも沢山ある。③「低線量被爆の危険性の証明なし」と当局は主張。④当局は今から将来の因果関係否定の材料集めをしている。・・・ざっと挙げても直ぐ挙がる。

2013-10-20 23:03:35
弁護士中所克博 @K_Nakajo

発がんの原発事故起因性の証明ハードルがいくら高くても,訴訟にすれば,実質論に立ち入って攻防を繰り広げることができる。だが,20年の期間制限(除斥期間)は違う。もっともっと冷酷なヤツである。20年が経過すれば,その一事をもって実質論に入る前にズバッと切られる。

2013-10-20 23:08:15
弁護士中所克博 @K_Nakajo

経産省が「加盟を積極的に検討」と言ったのは,原子力損害賠償の補完的補償に関する条約(CSC)である。その付属書9条は,原則として原子力事故のときから10年以内に裁判上の請求をしないときは,損害賠償請求権は消滅すると定めている。今回の特例法はこの定めを意識している筈である。

2013-10-20 23:15:40
弁護士中所克博 @K_Nakajo

ところが,CSC付属書9条をよく読むと,例外も用意している。すなわち,保険や国の基金等で10年より長い期間もフォローする仕組みが備わっていれば,10年よりも長い時効期間を定めて良いと述べている。

2013-10-20 23:21:19
弁護士中所克博 @K_Nakajo

私は生粋の日本男児であり,バテレンの言語をよくは解さない。そのため,CSCも日本語訳の方で理解している(もっとバテレン語を学んでおけば・・・後悔)。場所はココ → http://t.co/lootheuUTp

2013-10-20 23:25:11
弁護士中所克博 @K_Nakajo

原発損害の消滅時効延長に関する方向性(その1)。CSC加盟を強く意識しつつ,特例法を設ける場合,付属書9条が認める例外に沿って特例法を設ける。つまり,保険とか国の基金とかで被害者フォローの期間を10年を超えて延ばしたうえ,特例法で延ばす時効も10年で打ち止めにしない方向が一つ。

2013-10-20 23:30:04
弁護士中所克博 @K_Nakajo

原発損害の消滅時効延長に関する方向性(その2)。改正ウィーン条約と改正パリ条約は,生命又は身体の障害に基づく損害賠償請求は原子力事故の時から30年,これ以外は10年と定めている。つまり,短期の期間制限は10年としても,長期の方は最低30年あるいはそれ以上とする方向がもう一つ。

2013-10-20 23:34:03
弁護士中所克博 @K_Nakajo

国内法で短期を10年,長期を30年と定めた場合。CSC加盟のためには国内法をCSCに合せなければならない。どうするか?国で基金を設け,30年までケアする仕組みを創れば,付属書9条後段の要件を充足し,CSCと国内法の整合性が保たれるのでは?難しいことではなし,基金は必要だと思う。

2013-10-20 23:39:34
弁護士中所克博 @K_Nakajo

日本がCSCに加盟すると,責任集中等の「恩恵」をフルに利用できる。原発技術を導入した発展途上国で原発事故が起きても,その国の原子力事業者だけが法的責任を負担し,原発技術を販売した日本のメーカーは法的責任を負わない。CSC加盟は,原発技術を他国に売りやすくするためのツールにもなる。

2013-10-20 23:44:23