違憲判決に対応する立法は必要か?

法学部の教員によるツイート。 非嫡出子相続分差別の最高裁違憲判決に対して、自民党がこれに対応した立法を行わないことの意味は何か?立法の義務のようなものを想定できるか?など。 登場:大屋先生(名大・法哲学)、松中先生(名大・商法)、町村先生(北大・民訴法)、南野先生(九大・憲法)
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fj197099 @fj197099

しかし最高裁で違憲判決の出た法律を改正しない訳にはいかないだろうが。最高裁が非常識だろうが何だろうが、司法に立法がチェックされるのが三権分立というものだよ。自民党の保守系議員はそんな基礎が分かっていないのかね。

2013-10-29 23:13:44
Takehiro OHYA @takehiroohya

>RT あ~もちろんこれが健全な常識というものであるが、実は憲法に明文でそう書かれているわけではない。憲法違反の法律は効力がなく(98条1項)、その最終判定権が最高裁に与えられているが(81条)、他方で国会が唯一の立法機関である(41条)。→

2013-10-29 23:44:56
Takehiro OHYA @takehiroohya

→立法には改廃を含むので、裁判所にはできないという理解は可能。この場合、違憲の法律は無効なものとして存続する、ということになろう。現に尊属殺人罪については違憲判決(1973)から1995改正まで存在し続けていた。→

2013-10-29 23:46:49
Takehiro OHYA @takehiroohya

→問題は、尊属殺人罪は要するに検察の使う法律であり、無効判決を受けて使用をやめたので(普通殺人罪で起訴)大きな問題も生じなかったのであるが、非嫡出子規定は民間で利用されるという点にある。→

2013-10-29 23:48:26
Takehiro OHYA @takehiroohya

→つまり最高裁判決がある以上、それを受けた民法改正があろうがなかろうが下級審は当該規定は無効であるという前提で以後の事件に判断を下すであろう(現にそのような判決も出たそうである)。そのことを予期する法律家は、関連する事案について当該規定を無視して解決を探ろうとするであろう。→

2013-10-29 23:50:42
Takehiro OHYA @takehiroohya

→訴訟になればそういうことになる、と予期する一般の人々は、やはり当該規定がないものとして事態の解決を試みるであろう。要するに一般社会において当該規定は今後運用されないであろうという結果になるのではあるが、→

2013-10-29 23:52:02
Takehiro OHYA @takehiroohya

→先ほど指摘したように検察は《法律を知っている人100%》の組織でありかつ統制が行き届いているので「こう」と決めれば100%そのような事態が実現するだろうが、民間の紛争はすべてが法律家に持ち込まれるわけでもないし関係者全員が《法律を知っている人》でもない、という点にある。→

2013-10-29 23:53:52
Takehiro OHYA @takehiroohya

→結局、改正しないで放置しても「法律を知っている人」には無視され、「法律を知らない人」とのあいだで取扱の差ができてしまうということになり、社会の法的関係を平等均一に規制するという法律本来の目的に背くことはなはだしい。→

2013-10-29 23:55:34
Takehiro OHYA @takehiroohya

→要するに誰も得をしないのでさっさと判決に従った立法措置を取った方が賢明である。これをざっとまとめると「対応する立法措置が求められる」ということになるのだが、繰り返して言うとその根拠は賢慮であり、法的義務ではない。→

2013-10-29 23:57:38
MMatsunaka @mana613

ところが法律家にもあたかも変える義務があるかのようなことをいう人がいて、結論(変えた方が望ましい)にひっぱられているのかなあと思うわけである。

2013-10-29 23:48:07
MMatsunaka @mana613

まあその戦後に外からの影響も受けつつできた家族制度を守るのが伝統を守る「保守」と思っている人たちや、それが明治以来のものだと思っている面白い人もいて、なんともいえんわけだけれど。

2013-10-29 23:54:13
Takehiro OHYA @takehiroohya

→改正反対派を「誰も得しないことを主張している」と批判するのは正しいのだが、法的な義務に反しているかのごとく言うのは不正確なので注意しないといけない、と書いているあいだに @mana613 氏に要約されていたりしてなんだかいろいろとひどい。

2013-10-29 23:59:53
MMatsunaka @mana613

すんませんwRT @takehiroohya 改正反対派を「誰も得しないことを主張している」と批判するのは正しいのだが、法的な義務に反しているかのごとく言うのは不正確なので注意しないといけない、と書いているあいだにmana613 氏に要約されていたりしてなんだかいろいろとひどい。

2013-10-30 00:04:00
Takehiro OHYA @takehiroohya

そういうわけで「違憲判決があれば法改正しなくてはならない」と言うのは憲法条文を見ていない学生未満レベル。「しなくてもいいんじゃないか」と考えてみるのはそれより高等だが、結局アタマヨクナイという結論まで見えていないなら学生レベル。創造性はもっと有用なところで発揮してほしい。

2013-10-30 00:04:52
MMatsunaka @mana613

というわけで、皆さん大屋先生のツイートをご覧下さい。

2013-10-30 00:06:58
MMatsunaka @mana613

法的な知識の普及に加えて、裁判には非金銭的なものも含めたコストがかかるので、合理的で法律を理解している人同士でも、コストの大きさと利害の大きさによっては、「非嫡出子だから半分です。文句あれば裁判所行きましょう」という脅しをする・受け入れる余地が出てきて、影響が出かねない。

2013-10-30 00:11:14
Takehiro OHYA @takehiroohya

これも懸念されるので、おとなしく立法措置を取った方が利口なのですが。別の訴訟のタネを撒きかねない。 RT @oishihi: 憲法がとある法律の一部を無効とした場合、残りの部分が他の法律と矛盾を起こすことはないのだろうか。

2013-10-30 00:16:09
田丁木寸 @matimura

politique:違憲判決を無視する国会議員たち http://t.co/Rx3LrRWRXU

2013-10-30 01:27:23
南野 森(MINAMINO Shigeru) @sspmi

また「法的」義務についても町村先生が書かれているような解釈(http://t.co/bU0TEEkwGo)は当然有力に存在するところであり、従って「違憲判決があれば法改正しなくてはならない」と言うのは「憲法条文を見ていない学生未満レベル」とまで言うのは(いつもながらw)厳しすぎ。

2013-10-30 06:20:32
MMatsunaka @mana613

リンク先のような憲法尊重擁護義務(98条)を使うのはありうるが、効果が分からんのは別としても、98条が個別具体的な法的義務まで課すのか、どの場面でどのような義務を課すのかは解釈問題になるわけで、それを詰めない限り国会議員が違憲無効な法律の改廃を行う義務を導けるわけではないかと。

2013-10-30 06:36:28
MMatsunaka @mana613

違憲無効な法令をほったらかしてよいということにはならないし、作った法令は放置されがちなので、何かは必要だけれども、議員に改廃の義務を課すとなると、具体的な義務内容を考えるのは実は結構難しいようにも思う。不勉強なのでこの当たりは良く分からないけれど。

2013-10-30 06:39:09
MMatsunaka @mana613

RT鍵(纏め)ある条文が「無効」とされた場合にもそれを削除しないという立法府の態度については、そうした判断がもたらす現実の紛争への影響を考慮して判断すべきである。今回の場合には、「象徴的意味」の小ささに比して、司法コストや「泣き寝入り」などの負の部分を無視し得ない。

2013-10-30 06:48:54
MMatsunaka @mana613

今回の非嫡出子の法定相続分の問題は、こうした法が一定の価値を重視することを象徴するところがポイントなので、多くの法律家が指摘する法律婚の維持に役に立たないという議論はそれ自体は正しいけれども、おそらく議論はかみ合っていない。続く

2013-10-30 06:52:33
MMatsunaka @mana613

むしろ、象徴的な規定を維持することによるコストの大小(そこそこでかいだろうな)と、提唱されている価値の正当化とそれが象徴的な規定を置くに値するものだという根拠を問う必要があるのだろうなあと思う。

2013-10-30 06:56:51
MMatsunaka @mana613

現実に「法律婚ガー」といっている議員の抵抗を早く抑えるには、彼・彼女らの中から不倫かなんかのスキャンダルが出てくることが一番効きそうじゃないかななどと思いついたのだけど、朝からアタマが卑怯な方向にばかり向いている。

2013-10-30 07:01:51