[公開読書] コミュニティを問いなおす—つながり・都市・日本社会の未来—【プロローグ〜第1章】

コミュニティを問いなおす—つながり・都市・日本社会の未来— http://www.amazon.co.jp/dp/4480065016 2009年8月5日初版 ちくま新書 続きを読む
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白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
[公開読書] コミュニティを問いなおす—つながり・都市・日本社会の未来—, 2009, 広井良典, ちくま新書 http://t.co/AGWNBYDE6w
プロローグ コミュニティへの問い(P9〜P27)

現在の日本社会とコミュニティ

白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
プロローグ コミュニティへの問い ●現在の日本社会とコミュニティ 戦後の日本社会とは「農村から都市への人口大移動」の歴史。しかし、日本人は都市的な関係性を築いていく代わりに、「カイシャ」と「(核)家族」という、“都市の中のムラ社会”という閉鎖性の強いコミュニティを作っていった。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
経済成長の時代は、カイシャや家族の利益を追求する事が経済全体のパイを拡大する事でもあったので、一定の好循環が作られていた。しかし、好循環の前提が崩れ、カイシャや家族のあり方が大きく流動化・多様化する現代では、利益追求のあり方は個人の孤立を招き、「生きづらさ」を生み出している。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
自殺者は年間三万人を超えている。これは1998年以降まで11年間(2008年)に渡って続いている。このような背景にも「狭い意味での経済的要因だけでなく、人と人との『関係性』のあり方、そしてコミュニティのあり方ということが何らかの形で働いていると思われる(P10)」。

経済成長とコミュニティ

白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
●経済成長とコミュニテ ひとまずの定義「コミュニティ=人間が、それに対して何らかの帰属意識をもち、かつその構成メンバーの間に一定の連帯ないし相互扶助(支え合い)の意識が働いているような集団」。 ※G・ヒラリー(社会学者)によると、定義例は94通りあるという(P11)
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
コミュニティを区別する視点 (1)生産のコミュニティと生活のコミュニティ 都市化・産業化以前の農村社会・地域コミュニティ=生産&生活コミュニティ。やがて高度成長期を中心とする急速な都市化・産業化の時代において両者は分離していき、生産コミュニティ「カイシャ」の方が優位になる。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
現代では、経済が成熟化し急速な拡大・成長の時代が終わりつつあると同時に、カイシャや家族が多様化・流動化しているので、「地域という生活のコミュニティは回復するか」という問いが新たに浮上してきている。 このように、私たちは市場化・産業化の次の新たなる時代を迎えようとしている。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
補足。先にもふれたように市場化・産業化の時代は「国を挙げての経済成長」が日本人全体の求心力となり国民を束ねていた。そして、それはカイシャや(核)家族が競争し、互いに利益を追求することで経済成長を促し、またそれが結果として個々の会社や家族に還元されていったので、好循環が起こっていた
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
しかし、経済成長の絶対的意識が終わる中で、また経済成長がそもそも「幸福」に必ずしもつながるわけではないと人々が気づき始めた中で、コミュニティの求心力は希薄になっている。また、今の関心は「パイの拡大(成長・拡大)」からむしろ「パイの分配(格差問題・社会保障)」に関心が移っている。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
(2)農村型コミュニティと都市型コミュニティ この視点は人と人との「関係性」のあり方を象徴的に示したもの。「農村型コミュニティとは、“共同体に一体化する(ないし吸収される)個人”ともいうべき関係のあり方を指し、
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
それぞれの個人が、ある種の情緒的(ないしは非言語的な)つながりの感覚をベースに、一定の『同質性』ということを前提として、凝集度の強い形で結びつくような関係性(P15)」のこと。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
一方「都市型コミュニティとは、“独立した個人と個人のつながり”ともいうべき関係のあり方を指し、個人の独立性が強く、またそのつながりのあり方は共通の規範やルールに基づくもので、言語による部分の比重が大きく、個人間の一定の異質性を前提とするもの(同頁)」である ※対比の表はP16参照
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
日本社会で圧倒的に強いのは「農村型コミュニティ」のような関係性のあり方。戦後の日本社会でできた“都市の中の農村(カイシャと(核)家族)”もそれにあたる。そして、そのようなムラ社会の「単位」が個人まで縮小し、孤立度が極限まで高まっているのが今の日本社会ではないか。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
実際、OECD(2005)の調査で日本は「社会的孤立」度が最も高い。つまり、日本は先進諸国の中で「自分の属するコミュニティないし集団の『ソト』の人との交流が少ない(P17)」といえる。 ※OECD, 2005, 世界の社会政策の動向, 明石書店
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
今の日本は、集団同調やその様な行動が過剰に求められ(空気を読む)、集団外には援助者がいないという内と外の落差が激しい社会である。これが生きづらさや閉塞感の根本的背景ではないか。ここから日本社会の課題は「個人と個人がつながる都市型コミュニティをいかに作っていけるか」になるだろう。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
都市型コミュニティの形成にあたり、「規範」のあり方(集団を超えた普遍的な規範原理の必要性)が課題になる。また日常レベルのふれあい(挨拶、お礼の言葉、見知らぬ者同士のコミュニケーション等)も重要だろう。これらは、アジアを始めとした外国人との関わりの増加も契機の一つになるかもしれない
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
(3)空間コミュニティ(地域コミュニティ)と時間コミュニティ(テーマコミュニティ) A)人口構造という要因と地域コミュニティ 子どもの時期高齢期土着性が高い。日本の人口は2000年位を境にして「子ども・高齢者」の割合が高くなる(P19)(前期は子ども、後期は高齢者が多い)
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
ここから「戦後→高度成長→最近」の流れとは、地域との関わりが薄い人々(現役世代)が増えた時期であり、「これから」は地域との関わりが強い人々(高齢者)が増える時期であるといえる。そうすると、これからの時代は「地域」の視点をもったコミュニティがより必要とされるようになるだろう。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
また、現役世代の中でも、これからの時代で地域との関わりが昔より増加している(職住近接、SOHOなどのトレンドの中で)。この点からも地域のコミュニティの重要さはますます際立ってくる。 そもそも今まで現役世代が「地域」と関わりが薄かったのは、都市計画の問題である。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
今までの都市計画は大都市に集合住宅を少なくする代わりに、郊外に無秩序・無際限に住宅を広げてしまうことに問題があった。これにより通勤距離や時間が長くなって職場と居住地が離れてしまい、現役世代は地域への関わりが薄くなってきた(日本の土地百年研究会編著, 2003)。
白川陽一(名古屋市青少年交流プラザ) @shirasan41
B)テーマコミュニティの台頭 現在の日本社会において、NPOや協同組合、社会起業家などの活動・事業、実践による「ミッション(使命)」志向型、あるいはテーマコミュニティがたくさん増えている。このコミュニティが伝統的な地域コミュニティとどう関わっていけるかどうかは2章・5章で論じる。

人間にとってコミュニティとは何か

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