コーヒーのサードウェーブを正しくとらえるには?
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またアメリカにおける「コーヒーブーム」のとしては、20世紀初頭、1910-20年代が無視できない。この時期、アメリカでいろんな抽出器具のパテントが出願されてる…といっても、その多くはヨーロッパのものの焼き直しだけど。
2013-11-18 23:59:14ここらへんの歴史を、全部「ファーストウェーブ」という名でひとくくりにしてしまってる点で、トリシュの分析はずいぶんと乱暴。ただしこれは、彼女が女性解放運動の「波」になぞらえて喩えたから、という理由がある。ある意味そういう「方便」なので、歴史分析として甘いのは当然。
2013-11-19 00:04:15ICA(国際コーヒー協定、1962-)による、アメリカ国内の生豆品質低下に対し、高品質な生豆を要求した先駆者がアルフレッド・ピート(1966,ピーツコーヒー)で、70年代になると彼に同調する人々が増加。それがやがてスペシャルティ(1974)、SCAA設立(1982)につながる。
2013-11-19 00:15:52ただし1986年にスタバがエスプレッソバーを展開したことで、「高品質な生豆の要求」だったはずの、スペシャルティ運動がそっちに言わば「乗っ取られる」。これが、まさに今「サードウェイブ」に、いろんな特徴を付随させていこうとしてる関係者やメディアがやってることと同じ。
2013-11-19 00:20:02「サードウェイブとは何ぞや」…そんな疑問に答えるのが『サードウェーブ・コーヒー読本』なのかもしれません。そしてそれとは別の観点からでも「サードウェイブが日本にその源流を求めること」に間違いがないことを、私は知っているのです。その内容は…25時ごろUPの最新ブログ記事でネ♪
2013-11-19 00:21:33アメリカの、いわゆる「サードウェーブ」は、そうしたエスプレッソバーの流行に対する差別化がメイン。90年代初頭でダイレクトトレード拡大の時期と一致してる。ただそれをサードウェーブの功績や特徴とするのは筋違い。冷戦終結してICA崩壊したからこの時期実現しただけで、その時流に乗った。
2013-11-19 00:32:20そしてICA崩壊による生産過剰が生豆価格の急落を招いたのが「第一次コーヒー危機」。価格低下によって生産国側でも「高品質高価格戦略」への転換が必要になった。これによりコンテスト&オークション方式が普及し、現在のカップ・オブ・エクセレンスに繋がる(SCAAとCOEのお家騒動は省略)
2013-11-19 00:41:45サードウェイブの初期の動きは、焙煎度の変化。エスプレッソによる深煎り指向から、浅い方向へと戻って行った。次が抽出の変化。エスプレッソへの対抗のため、一杯だて抽出としてプレスが注目された。そして、さらなる差別化のためサイフォンや一杯だてドリップ(プアオーバー)他を採用←いまここ
2013-11-19 00:51:07この90-00年代のアメリカの動きというのが、実は割と70-80年代の日本での動きと重なる部分がある。背景事情はちょっと違うけど「画一化されたコーヒーの普及」に対して「自家焙煎店が抽出、焙煎を工夫して対抗」という構図である点。
2013-11-19 00:55:00@y_tambe 非常に勉強になります!ありがとうございます! 質問なのですが、スターバックスがスペシャルティ運動を乗っ取ったというのは、「高品質な生豆要求」に乗じてエスプレッソバーを消費者に売り込んだという理解でよいのでしょうか?
2013-11-19 00:55:27@sankichi_coffee 「乗っ取った」というと怒られるかもしれないですが ^^; エスプレッソブームの背景には、ファッションその他全般においての「イタリア・ブーム」がアメリカで起きてたことが。当初1つのスペシャルティ企業に過ぎなかったスタバがそれで躍進し、注目された。
2013-11-19 01:03:07私、帰山人は、『サードウェーブ・コーヒー読本』(茶太郎豆央:著)に感銘を受け、「サードウェイブのルーツはニッポンにあった」派に転向しようと思いますw 「サードウェイブとは?」 http://t.co/6Od1FKBqVC その源流は民謡にあったのですw
2013-11-19 01:03:29@sankichi_coffee 承前)なので、エスプレッソ指向とスペシャルティは元々は別もの。ただしエスプレッソ以前のアメリカが浅煎り指向だったので、それから見ればアルフレッド・ピートも十分「深煎り」(実際は中深煎りくらい)で豆売りだけだったため、両者が峻別されにくかった。
2013-11-19 01:07:11@y_tambe では、その「イタリア・ブーム→エスプレッソ(深煎り)いいね!」と「高品質な生豆要求(中深煎り)」が混同されてしまい、同じ流れとされてしまったということでしょうか?
2013-11-19 01:11:36@sankichi_coffee スペシャルティという動きそのものが、スタバによるエスプレッソの大流行に大いに牽引された面も無視できないのですが(多分スタバがなかったら、これだけ言葉が広まってない)、スペシャルティをその源流とは違う動きに変節させたという、功罪両面がある。
2013-11-19 01:14:02@y_tambe なるほど!スタバ人気があったからこそスペシャルティが広まり、その反面、スペシャルティの本来の方向性からずらしてしまったと...。 お答え頂き、ありがとうございます!
2013-11-19 01:17:46@sankichi_coffee 概ねそんな感じの理解でいいかと。また大企業化によって、スタバは大量の「高品質の生豆」を確保する必要が出てきます(契約農園方式など)。SCAAがそういう比較的大量ロットでの取引を中核にしたのに対し、マイクロロット化に向かったのがCOE。
2013-11-19 01:20:05(私の理解が正しければ)70-80年代日本での「画一化されたコーヒー普及」に対する「自家焙煎店の抽出・焙煎工夫での対抗」が90-00年代アメリカでの「エスプレッソ」に対する「サードウェーブの焙煎・抽出の変化」と重なる。そうなると、サードウェーブの原点が日本というのもあながち...
2013-11-19 01:24:27@sankichi_coffee 「原点」を探るためには、北欧からの影響をきちんと分析しないといけないと思ってます(が、文献がなかなか…)。ただし、90-00年当時からアメリカが、エージェント介して日本のコーヒー事情を探ってたという話は聞きます。(続く
2013-11-19 01:27:47@sankichi_coffee 承前)ただし当初は、ネタ元としてしれっと取り込むだけで「日本からヒントを得た」なんてことは言わなかった。それを言うようになったのが、最近の変化。これはハリオ(&UCC)の進出が多分大きく、「日本の」というのが差別化上の宣伝文句になると判断されてる
2013-11-19 01:30:41@y_tambe 確かに日本VSアメリカの二元論で進めるべきものではないですね。 なるほどー。日本のコーヒー関連企業などが認められてきたことから、実はむかし...と宣伝に使うように変えてきたと。
2013-11-19 01:35:01「サードウェイブの原点が日本」とまで言うと、さすがに言い過ぎかもしれない(と言いつつ、新刊でそういう書き方してる部分もあったかも)けど、サードウェイブのネタ元の一つであることは多分正しく、特に最近はフリーマンのようにそれを売りにして宣伝するヒトも出て来た、という感じかな。
2013-11-19 01:36:19@y_tambe tambeさんの説明は非常に分かりやすく、納得のいくもので、とても勉強になりました。なにより話を聞いていてすごくワクワクして楽しかったです! 本当にありがとうございます!
2013-11-19 01:42:13