ブブミツさんの謎解きロジック講義
まず、ロジックと言うと、そう、論理ですね。これはヴァン・ダインのちょっと怪しげな心理学を、物理的証拠、状況的証拠まで消化させたクイーンを語らずして、なんやかんやだと思うのです。 しかしクイーン(のとくに国名シリーズ)はあくまで「解明(収束)」のロジックに拘りました。
2013-12-03 22:38:36ここでいう「解明のロジック」とはhttp://t.co/PhSOJDslrCこのSAKATAM氏のサイトで掲げられている単語を引用しております。 そしてもう一つ、「解釈のロジック」というものが存在します。一番分かりやすい例は、そうですね。「九マイルは遠すぎる」です。
2013-12-03 22:40:39クイーンのロジック、即ち「解明のロジック」の根本的な部分にあるのは物理、状況における、消去法です。対して「解釈のロジック」は、どちらかといえば、ほとんど蓋然性の高い妄想に近いものがあります。いわば心理です。
2013-12-03 22:43:23例外として、SAKATAM氏は「説得のロジック」というものを挙げられています。 分かりやすい例を挙げると円居挽氏のルヴォワールシリーズですかね。 法廷ミステリなどは「説得のロジック」といえるかもしれません。
2013-12-03 22:44:40本格ミステリにおける「ロジック」とは何か? おそらく現実を支配する「ロジック」とは少し違うものかと思われます。現実主義者がロジック物の本格を読んだときに感じる違和感はそこにあります。「あまりにも型に当てはまりすぎている」という違和感です。
2013-12-03 22:48:09さて、話がそれました。「解明のロジック」と「解釈のロジック」。前者は収束の論理であり、後者は拡散の論理です。 もっと言うと、前者は この二つは実は相性が良いようで、実は悪いと自分は考えております。 ここで、SAKATAM氏の言葉を引用してみましょう。
2013-12-03 22:51:28「解明の論理」が目指すのはもちろん「唯一無二の真相」です。一方、「解釈の論理」は「真相」が「唯一無二」であることを直ちに保証するものではありませんが、求められるべき「真相」はやはり、最終的には「唯一無二」であるべきでしょう。(続く)
2013-12-03 22:51:47(続き)このようにどちらもほぼ同じゴールを目指しながらも、その出発点が違うことによって、「解釈の論理」ではいわば0から1へという正方向のベクトルが生じ、逆に「解明の論理」では複数から1へという負方向のベクトルが生じることになります。
2013-12-03 22:51:58もちろん、10になった妄想から、最終的に収束しなければミステリという物語は成り立たないのですが、途中の過程が面白いのはどちらかというと、拡散ロジックのほうとも言い切れます。
2013-12-03 22:56:26ロジックミステリの醍醐味は「過程」にあります。それは、「収束」「拡散」あるいは「説得」、どれも同じです。『体育館』で見つかった、一つの傘という手がかりから探偵役がどこまで絞りきれるのか……などの醍醐味はまさに論理のアクロバットそのものでしょう。
2013-12-03 22:58:23ちょっと酔っているので、アレですが、ここでロジックの本格とプロットの本格は、伏線だけでいうと、案外逆ベクトルなのでは無いかという話をさせていただきます。
2013-12-03 23:00:59ロジックの本格、ベタで言いますが、不可解な謎があり、探偵登場、読者への挑戦状からの解決編。これは読者自身が伏線や手がかりを挑戦状までに集め(自分の手中に収め)て、探偵役の思考を辿る物語といっても良いと思うのです。
2013-12-03 23:02:01対して、プロットの本格の場合。この辺りは麻里邑様の意見なども聞きたいところですが、分かりやすい部分で言えば、梶龍雄など、読者が解決編を読むことによって、初めて「あぁ、あの時のアレが伏線だったのか!」と一種「後追いのカタルシス」があると思うのです。
2013-12-03 23:04:05話が反れました。「解釈」と「解明」に戻しましょう。 結局、わたしが何を言いたいとかというと、「解釈」にしろ「解明」にしろ、もちろん「説得」にしろ、ロジックミステリの基本は「過程の面白さ」にあるんじゃないかと。犯人という「結果」は置いておき、やはり「過程」じゃないかと思うのです。
2013-12-03 23:07:26解明ロジックの本格=先追いだが収束のカタルシス。 解釈ロジックの本格=先追いだが拡散のカタルシス。 プロットの本格=後追いのカタルシス。 です。
2013-12-03 23:10:57解明ロジックの本格=10から1。 解釈ロジックの本格=1から10。 プロットの本格=10個あったものを気づき作業。 こんな感じではないでしょうかね?
2013-12-03 23:14:33金田一少年世代の僕は、本格とは何人かの死と奇想天外なトリックで成り立つもの。 そしてロジックにより、その奇想を狩る者たちの物語だと思ってますし、今もそれは変わりません。
2013-12-03 22:56:34