大罪戦闘企画

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

風と草の音、揺れるとりどりの色を眺めながら、そうだなぁと暢気に零す。暖かいここだから、そのまま無機質にとは少し気がそぐわない。髪が背にはたはたとはためくのを左の手で押さえながら、ゆっくりと思考を巡らせて。 「なら、ルーヴェ」 勝手な呼び名を口にする。嫌なら、拒絶されるだろう。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

ルーヴェ、と略されたその響きに、目を瞬かせて、頷く。 「うん、ルーヴェ。…えと、ヒュパンセ、さん、」 黒紅のひとの名前を呼んでみる。けれど何も思い浮かばなくて、花畑へと目を遣って、ふたたび、きれいだねぇ、と呟いた。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

頷き、受け取られた事と、呼び返された事にくしゃりとわらう。名は、それだけでも良いものだ。 こっちの事も好きに呼んで良いぞと、その声には返して。呟く再びの声には、やはり、ああ、と同意を示す。やはり景色は、変わりなく穏やかで。 機嫌がいい。髪を押さえた手を離して、伸ばす。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

ぷつり、黄色の花を摘み取る。青と赤、紫と白も揃えて、長い茎を編み込んでいく。久々だから、すこし勝手を思い出すのに時間がかかりそうだけれど。 「…ルーヴェは」 二度、呼びかける。手は止めないまま、問いかける。 「何か用があって来たのか？」 俺は散歩してたらだけど、と続けて。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「うん、じゃあ、ヒュパンセ」 好きに呼んでよいとの声に、敬称を外して。 じいと、物珍しげに花が編まれていく様子を見つめる。 「…特に、ないなあ。」 ああでも、綺麗な色がたくさん見たかったよ。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

問い掛けには、細かく動く黒紅の手元を見つめたまま返して、くるくると編まれる五色の花、葉茎の色を入れて六色のそれに見入る。

グラナート @ktmyng

ぺたぺた、ずるする。 服を引き摺り、近づくあしおと。 さくさく。てくてく。 緑を踏みつける足を見ながら、前へ前へ。 ふと視線を上げる。 世界に広がる色彩と、その、光景は――

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

新しいトモダチが増えたんだっ！ 仲間はずれは良くないよねえ？ ふふふふふっ！ さあ行っておいで！ 君も僕を楽しませてよ！

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《ご来場の皆様に……演者の変更をお知らせ致します……》

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者変更：第十九公演》 【強欲】ヒュパンセ (@Yukimi_7ds) vs 【強欲】アバリスィア (@b7s_mt) vs 【怠惰】ミリュー (@ktmyng)

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

「そっか。じゃあ同じだな」 編む手は止めず、そう小さく笑って。色をたくさんというのなら、もう少し華やかにしてもいいだろう、思いながら周りを見渡して新しい色を幾つか。摘み取って編み込んでいく。 「……色が好きなんだな」 俺も好きだよ、と。紫の一つをくるりと指先で弄んで、編み込む。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

静かにそれを見ている様子の、傍らの一人には、何となく面白いと思いながら——不意に、僅かに別なものを感じて、指先が一瞬だけ止まる。 だがすぐに、何もなかったかのように作業を再開して。編んでいくそれは、次第に環の形に近づいていく。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「同じ、うん、同じだ」 編まれていく花の色が増えて、目を輝かせる。 「だって、たくさんあるから。ヒュパンセも、好きなんだね」 何色が好きなのかを、問うべきなのだろうかと思ったけれど、紫の花の一つを撫でるように指が動いたのを見て、問いかけるのをやめた。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

表情を窺おうかとも思ったけど、無粋な気がしてそれもまた。 絶えず動いていた指がほんのわずかに固まったのを見て、おやと次こそ顔を上げ、花畑に空の色が一つ、増えていることに気付く。 頭上に広がる空を溶かしたような、透けるようなひかる青。あれもきれいだなぁと目を細めた。

グラナート @ktmyng

地に生い茂る緑。視界いっぱいに広がる、色とりどりの花。その光景に、わ、と小さく感嘆の声を漏らして。 「夢のような、ところ」 首をこてんと傾けて、ぽつり呟いた。ああでも、こんなにきれいな場所だから、きっと夢なんだろうなあ。 ふとその視線の少し先。ふたつの影を見つけて歩を進める。

グラナート @ktmyng

黒と灰色の、灰色の方が顔を上げて。その目が、一瞬だけ交わった気がした。瞬いて、二人を交互に見る。 「おにいさんたち、何してるの？」 遊んでるなら混ぜてほしいけれど、ぼくが遊ぶにはまだ体が重い。 でもこの夢がもう少し、『ぼくのゆめ』になったら。この人たちは、遊んでくれるかなぁ？

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

ひかる青色も、ひとのかたちをしているのだと気づいたのは声をかけられてから。青を見つめながら、夕暮れよりも明るい、琥珀を重ねたような色の眼に見惚れる。つい眺めてしまって、問いかけに応じるのに少々かかった。でも、何をしていると問われても、特に答えを持っているわけではない。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「…………見てる？」 何度か瞬きをして、末尾の調子を少しだけあげながらの返答は、これが答えになるのか言った自分でも疑問になった。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

思わず、小さく笑いそうになる。平和だなぁと何度目か思って、そこでようやく手を止めて顔を上げた。紅を、青に向ける。 「手芸。こっち来るか？」 問いに答えて、問いを返す。言いながらもこちらに来いと手招きもして、青が動くのを確認するより早く、手元のそれに視線を戻す。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

勘は戻って来たと、手早くそれを仕上げてしまう。環にして編み込み、余った茎を切り捨てて形を整える。よし、と声を零してから、隣に座った一人の頭にそれを被せた。 とりあえず一つ。手を伸ばして、また花を幾つか摘み取った。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

青と橙に見惚れていたけれど、隣で小さく零された声に振り向く、より早く、ふわりと頭に何かが乗った感覚。思いがけずおお、と短く驚嘆の声を上げながら、恐る恐る己の頭へと手を伸ばす。ちゃりと鎖の揺れる音と共に、指先に優しい緑の感触。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

瞠ったままの目を黒紅、ヒュパンセに向け、その手元で再びするすると鮮やかに編み上げられていく花を見て、理解。頭上のそれをそっとおろして、様々な色の美しく組み合った花輪をまじまじと見つめ、ふへ、と相好を崩した。

筋トレがんばりたい深海 @_dsea

花輪を頭上へ戻し、またひとつ編んでいる手元へ目を落とそうとしたけれど、こちらへと誘っていた言葉があった気がして、落とす前に、青橙に目を向けた。 「いっしょに、見る？」 きれいだよ、と小さく付け加えて。

グラナート @ktmyng

「見てる？」 言われた言葉をそのまま復唱。視線が向いていた先を辿れば、器用に編みこまれ出来上がる花冠。色彩豊かなそれを、そして編みこむ指先を、じっと見つめる。 そうか、手芸か。これは見てるだけでも楽しいな、すごいな。 「……行ってもいいの？」 続いた言葉に、こてん、と首を傾げる。

グラナート @ktmyng

手招きをされてそろそろと近づく。 環は灰色を彩るように乗せられた。それを目で追い、浮かぶ笑顔にどこかあったかくなって。一緒に、という言葉に僅か舞い上がった。 「み、る」 たった一言につっかえながら、並んで座る二人の前にすとんと座り、 「ほんと、きれい」 ぽそと呟いて、幽かに笑む。