2013年12月13日

山本七平botまとめ/【「表組織」と「裏組織」②】/上下契約という概念が無く「集団規約が絶対」の日本の組織

山本七平著『1990年代の日本』/(3)日本的集団主義の論理/一揆にみる集団契約/42頁以降より抜粋引用。
3
山本七平bot @yamamoto7hei

①【一揆にみる集団契約】前に組織構成の原則は「契約」であると記した。 これは日本でも変わらない。 …私がここでいう「契約」とは「翻訳語」でなく、純然たる伝統的な日本語における意味である。 まず次の資料を見ていただこう。…(資料本文省略)…<『1990年代の日本』

2013-12-10 18:08:57
山本七平bot @yamamoto7hei

②…1251年の契約書だが、ここにはすでに日本的契約のさまざまな特徴が表われている。 まず日本は中国や韓国のような厳格な血縁集団ではないから、一族といえども必ずしも団結をしていないことである。

2013-12-10 18:39:04
山本七平bot @yamamoto7hei

③そのため宮方・武家方という分裂があり、さらに武家方が尊氏・直義と分裂すると、一族は群少派閥のように「草刈場」になってしまう。 そこで、「集団契約」をつくり、これを絶対化することによって団結しようということで、青嵐会の連判状のようなものかも知れない。

2013-12-10 19:08:57
山本七平bot @yamamoto7hei

④ここに第二の特徴が出てくる。 社会秩序が最も混乱したとき、その秩序の基本が出てくることである。 たとえばドイツの三十年戦争のとき、無頼の盗賊群にも等しい傭兵隊を組織し得たものは一に「宣誓」であった。 宣誓違反は神を欺くことだから、懺悔をしても絶対に許されない。

2013-12-10 19:39:05
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤これは免罪符の販売のときにも出てくるが、殺人、強盗、蓄妾等は免罪符を買えば赦されるが、宣誓違反はいくら金を積んでも赦されないわけである。 いわばその宣誓の文言は個人対神の契約に等しい効果をもち、これが秩序の基本であった。

2013-12-10 20:09:04
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥だが日本の場合はそうでなく「集団規約が絶対」であり、最後に出てくる「梵凡・帝釈・四天王…」は、呼び出された保証人にすぎず、絶対なのは「集団」なのである。 そしてこの集団に対して「二心」をもつ事が赦されざる罪であり、その疑いがあれば、これを集団の中で究明・糾弾する事ができる。

2013-12-10 20:39:06
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦これが「派閥」の原則であろう。 そしてこの原則の前には、その構成員が血縁である必要はない。 「地縁」でも「場縁」でもよい。 次にその例をあげよう。 これは「肥後・薩摩・大隅・日向国人一揆契約状」である。

2013-12-10 21:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧…(資料本文略)…となってこれにつづいて型の如く起請文と連署があるが、この契約状の署名者は六十名である。 また冒頭の「神水」とは起請文に出てくる霧嶋権現の神の水を汲みかわしつつ契約を結んだの意味であろうといわれる。

2013-12-10 21:39:01
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨【縦の契約のない組織】この契約書を読まれた方は、現代の組織にも通ずるある種の問題点を感じられたであろう。 まず、署名者は自発的にかつ平等の立場で署名したとはいえ、筆頭人ともいうべき嶋津伊久・氏久が主導権をもっていることである。

2013-12-10 22:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩そしてこの両名は公方(将軍)に服従したのだから署名者も結果において服従した事になる。だが直接に将軍の指揮を受ける位置にいるのか否か明らかでない。まず将軍の「御意」(意志表示)があっても、それが即座に直接的に実施されず「能々談合を加え、衆議調い然るべき時分を以て」それが沙汰される

2013-12-10 22:39:08
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪また一揆内の争い、所領相論(所領境界争い)などは「談合を加え、上裁を仰ぎ、多分(多数意見)の儀を以て」裁定を下す。 また公方への訴訟はまず「一同に歎き(歎願し)てその上で行うことになっている。 こうなると一義的かつ排他的に決裁を行いうる権力者はいないことになる。

2013-12-10 23:08:58
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫簡単にいえば、公方の命令が絶対なのか一揆の決議が絶対なのか明らかでない。 そしてこれらが明らかでない契約書は実に多い。 いわば公方の命令だからといって、即座に単独で行動してはならないのであって、必ず一揆にはかり、談合を加え、多分の儀(多数意見)に従わなければならない。

2013-12-10 23:39:01
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬これでは一揆の多数意見が絶対なのか、公方の命令が絶対なのか明らかでない。こうなると最終的に決断を下す者もまた明らかでないという結果を生ずる。 今この一揆を「派閥」とし、公方を「総理・総裁」としてみよう。そして上記契約を読んでみれば、それはまさに自民党の現状を示しているといえる。

2013-12-11 00:08:54
山本七平bot @yamamoto7hei

⑭そしてこの特徴は、集団規約という横の相互契約はあっても、公方もしくは総理・総裁との縦の契約、すなわち上下契約という概念が全くないということである。 そして日本の組織の特徴は 「この上下契約という概念がない」 という点にあるであろう。

2013-12-11 00:39:02

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?