丹生谷貴志ツイートまとめ(2013年12月)

丹生谷貴志氏の2013年12月分のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

夜、何故か相変わらず不意にマーク・トウェインを読まねばと一瞬の狂躁・・・すぐに訳文を読み始めて冷める。何の狂躁だったのか、無意味な時間・・・

2013-12-10 03:56:10
nibuya @cbfn

澁澤さんと池田満寿夫の、どっちがフランス語出来るかを巡る面白い喧嘩。澁澤さんは自分の方が「出来ない」と主張するのだ。池田さんは「あんたは翻訳まで出来るじゃないか!」と言う。すると澁澤さん「バカめ!翻訳は日本語だ!」と言い返す・・・

2013-12-10 04:08:09
nibuya @cbfn

原始的アニメファンとしてはともかく「普通の」アニメが見たくなるのですが、近頃のはあらかた「深い世界観」とかが装填されているらしいのが煩くてしかたありません。クレヨンしんちゃんすら映画版になると煩い。

2013-12-10 10:35:15
nibuya @cbfn

今の日本アニメの台本やら演出家の多くは僕の同世代か少し下くらいでしょうか。ですから、まあ、大体彼らの脳の中にあるイメージストックやら思想系ストックは僕にはあらかた周知で、いまさら確認したくもないわけです。それをしばし忘れたいためにアニメを見るのに、そこでもそれに出会うことになる。

2013-12-10 10:46:11
nibuya @cbfn

本整理で例えば小川国夫さんの本など出て来るのですが、僕はどうも小川さんは駄目です・・・というか日本の「キリスト教・信仰文学」があらかた駄目。なんで救済論とその絶望においてしかキリスト教を扱えないのか、私小説伝統に神が加わっただけにしか見えないのですね・・・

2013-12-10 14:12:42
nibuya @cbfn

近所に大きめの「ブックオフ」があり場所柄平日午後は閑散としているのだが、行く度に或る初老の男を見る。辞書や歴史書の前でかなり大きな声で著者の怠慢や歴史解釈の持論を口にしながらひたすら頁を繰っている。外見からかつて教師か孤独で生真面目な研究者だったか・・・明らかに何らかの狂気だろう

2013-12-11 12:01:05
nibuya @cbfn

・・その初老の老人の傍らを、何かのアニメのフィギュアを大事そうに手にした三十前後の2人組が通る。全身黒づくめ、サングラス、白マスク、一見バイカー風の服装なのだが変な白ぶくれの肥満と痩身の言葉を喋れないのではないかという印象の2人。「彼らは蒐集しつつ死んで行った」(ヴァレリー)

2013-12-11 12:32:39
nibuya @cbfn

子供の時、サルトルの『嘔吐』を僕は「大学エリートの図書館恐怖」の倒錯の話として読んだのだった。その恐怖まで文章に残すという倒錯・・・そして図書館に陳列されるべき書物を書くことを結語とする倒錯。サルトルはプレイヤード叢書に自分の書が選定された時、驚くほど喜んだ・・・・

2013-12-11 12:42:04
nibuya @cbfn

僕はだからかなりの間、サルトルにとっての「革命的世界」とは究極的に「図書館様態」のことだろうと想像していたのだった。蒐集家=ブルジョワが消滅した後にただ「誰もいない図書館」だけが世界に残る・・・そこにゆっくり例えばフーコー的何ものかが訪れ、「図書館」に放火する・・・

2013-12-11 12:57:16
nibuya @cbfn

安藤礼二さんの折口論その他は氏の真摯な文献渉猟にいつも感歎するが、その底流に現れる光景となると或る種の退屈さを感じてしまう。多・一の交錯、認識の基底。それにいつも気になるのは影響・触発の図式。ポーの『ユリイカ』の「触発」、マッハの多性感覚論の「影響」等はなるほど興味深いが・・・

2013-12-11 13:56:38
nibuya @cbfn

出来るだけ本を買うことをやめているのだがマンフォード『歴史の都市、明日の都市』、原書を持っているのに訳本を買ってしまう。古書で安かったのもあるけど実はこの本には哀れな(!)私事があって、訳本出版当時全くの貧窮状態で買うのを諦めた哀れな怨念みたいなもんです。古いけど奇麗な名著

2013-12-11 17:00:39
nibuya @cbfn

ティプトリーの『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』、浅倉久志さんの素敵な邦題。ティプトリーは巧いSF作家と思えないけれど「売文」の匂いのしない潔癖さは比類ない。トゥルムのマヤ神殿が出て来る・・・昔一瞬マヤ美術の研究家を夢見たことがあるんで(!)ちょっと陶然・・・

2013-12-11 22:24:10
nibuya @cbfn

ティプトリーは「巧いSF作家と思えない」という言い方は誤解されるか・・・要は八方方向の「エンターテイナー」になることをさして重要視しなかった人といった意味、潔癖さにおいて、アメリカSF作家の中では或る意味一番好きな作家、かも知れない。

2013-12-11 22:48:52
nibuya @cbfn

だいぶ溜まったSFの文庫本を始末しようとすると躊躇うのは、必要になりゃいつでも、と思っていると意外や絶版になるものが多いからだ。ストルガツキー兄弟『ストーカー』など、まあ古書高値で見つかりはしても驚くほど希少になってしまっている・・・とか。まあ読み返しそうもないものはいいけど・・

2013-12-11 23:52:11
nibuya @cbfn

ジュリアン・バンダ、なんて言っても誰も読まなくなった哲学者ですが、なんかこの名前の響きが残る・・・と思ったらドミニク・サンダに音が似てるから・・・なわきゃないか。考えてみりゃ、デリダっていうのも響きが残る名前・・・とか無意味なことを夜明け前に・・・

2013-12-13 03:53:50
nibuya @cbfn

浅田彰さんに聞いた話。デリダの息子は詩人なのだが(読んだことない)、デリダ姓を名乗っていない。そのことをデリダは悲しんでいたそうだが、「そんな悪目立ちする名字名乗れないじゃないのよ」と浅田さんは笑っていた。なんかそういう浅田さんが可愛らしかった・・・なんていうと失礼だよね。

2013-12-13 03:56:14
nibuya @cbfn

寺田寅彦という人を僕は子供の時から偏愛(!)しているのですが、読んでいて感心するのは海外の物理学やら科学の新情報を驚くほど速くしかも見事なポピュライジングの手並みと素敵な文語で紹介していること。この人のお陰で当時の人々は驚くほど広く正確に同時代の科学知識の概要を知っていた・・・

2013-12-13 04:02:16
nibuya @cbfn

以前も書いた気がするが、日本の若手の絵の展覧会場にドゥルーズが、多分他の用事で現れた時、彼はその絵を見て「爺むさい絵だな・・・」と呟いていたと松浦久夫に聞いたことがある。フランス語でどう言ったのかは知らないが、ここには変に鋭敏なものを感じる。日本の、本質的な若々しさの欠落・・・

2013-12-13 04:12:17
nibuya @cbfn

あらかじめ老いていることを耐えているような「英国」とは異なる経路であらかじめ老い、そのことに気づいていない、そんな感じの「爺むささ」・・・「少女たち」を若さの仮面に使って・・・

2013-12-13 04:26:25
nibuya @cbfn

そう言やティツィアーノの年齢論議はどこに落ち着いたのか、今見たら1488/90~1576辺りになっているらしい。他にも1473/74生まれなんて説があってその場合百歳を超える。彼の作品には異様で明白な、そして見事な「老人様式」が存在する。

2013-12-13 04:46:29
nibuya @cbfn

・・・おそらく平均寿命が三十代半ばにも達しなかったろうルネサンス期ではどちらにしろティツィアーノの長寿は異常に見える・・・猫又! ああ、せっかくいい話?を、無意味な・・・

2013-12-13 04:48:53
nibuya @cbfn

フーコーの講義『懲罰社会』が漸く届く。注文してから五ヶ月・・・どうやら予約注文品だったらしい。これでフーコー講義録は後『主体と真理』だけ。しかしどちらにしろもう三十年前のものになる。その意味?で「現代思想」って呼び名をそろそろ返上してもいいわけだ。

2013-12-13 05:14:12
nibuya @cbfn

マンデラさんの「葬儀」の際の手話の話・・・デリダが降りて来たんじゃないかな・・・は、ともかく、むしろ感動的ですよ。

2013-12-14 08:10:16
nibuya @cbfn

森鴎外の翻訳は『ファウスト』は色々言われてさすがに調べ直しの校正を後に加えているが、あらかたはそれこそ「家計のために出来るだけ廉価版を買う」ことを旨にしていた鴎外のこと、安本を興のままに訳したもので学問的等から何とでも言えるだろうが、実に素敵な日本語になっているのは格違いだろう

2013-12-14 11:30:54
nibuya @cbfn

・・・というわけで鴎外訳の『マクベス』は、誤訳やら解釈の浅さ、ちょっともっさりした台詞回しなど、訳業としていろいろ問題を抱えているけれど、さて読み進めると、やはりこれは立派な日本語の格・・・鴎外好きの身贔屓はともかく、どの日本語訳より僕は安心して日本語として読めるわけです

2013-12-14 11:36:18
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