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なぜ”Mexico”で「メヒコ」なのか?

スペイン語の【x】の発音について少々。 なお、【x】は文字表記としてのxを、 [x]は発音記号(IPA)を示しています。
人文
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きっかけはtogetterまとめでのコメント。
「スペイン語で【メキシコ】だけXがハ行音で【メヒコ】になるのは何故」

というコメントへの私からの返信でした。

ツイートまとめ #歴史上のヨーロッパ人名を他言語で読んで一番面影を残さなかった奴が優勝 ラテン語たん@Latina_tanから始まった無数の言語の飛び交うタグをまとめました。 クイズ的に楽しんでみて下さい。 多分意図しているのはこれかな…?というこたえを 追記し…ていっていたのですが、あまりに多くて挫折しかけた所… わかる方や、あるいはツイートされた方から補足して頂いて、答が明示されているもの以外は揃いました…ありがとうございます! 14616 pv 114 1 user 1
ラテン語たん @Latina_tan
あ、あのですね、スペイン語における x の文字は、かつてはシャ行だったんです。後に発音が[x](ハ行に近い音)に変化しました。で、固有名詞以外ではほとんどjの字に置き換えられましたので、今は化石的に.. http://t.co/0PJFMMx9Wr
ラテン語たん @Latina_tan
あ、メキシコはスペイン語ではメヒコですが、元々はナワトル語のメシフコ(Mexihco)ですよう。 http://t.co/Zm3WtfU5qr
ラテン語たん @Latina_tan
えっと、元々ラテン語では x を[ks]と読んでいました。スペイン語ができていく中で、「ks>js>sh>x」と発音が変化していきました。この間ずっと表記は【x】のまんまですよ、いいですか。
ラテン語たん @Latina_tan
最後の[x](ハ行に近い音です)になったのは結構最近で、17世紀あたりです。中南米への探検なんかよりもあとなんです。これ、後で大事になってまいりますー。
ラテン語たん @Latina_tan
これとは別件で、【j】という文字も [j>sh>x]という流れで同じように[x]に変化していきましたので、結果、【j】も【x】も同じ [x] で発音する、ということになりました。 で、綴りのわかりやすさのため、どっちも【j】で書いて、以後スペイン語から【x】という文字はナシ!と。
ラテン語たん @Latina_tan
というわけでスペイン語の一般語彙から【x】の文字は消えてなくなり、全部【j】でつづるようになりました。Don Quixote と当初書かれていた文学作品も、今では Don Quijote と書きます。
第一の壁、あるいは『そして固有名詞だけが残った』
ラテン語たん @Latina_tan
――しかし、そうは問屋がおろしません。この件について、スペイン語では3つの問題がありました。ひとつめ、固有名詞というカベが残っています。固有名詞はおいそれと変えるわけにはまいりません。日本語でも「助詞以外の[o]はすべて【お】に統一」となった後も「なを」さんとか居ましたもんね。
ラテン語たん @Latina_tan
ですので、地名・人名なんかは割と最近まで変わらないことがありました。シェリー酒で知られる Jerez の街も、かつて Xerez (シェレス) と呼ばれていたからこそ、その名前が英語に伝わった際に「Sherry」になったんです。
ラテン語たん @Latina_tan
まとめると、「元々スペイン語にはXの文字があって、シャ行で読んでいた」 > 「いつしかそれらはハ行で読まれるようになっていた」 > 「わかりやすいようにJとつづるようになった」 > 「結果、固有名詞に塚wれているのだけが残った」。
ラテン語たん @Latina_tan
人名ですと、元々Alexandro だったのが Alejandro になっていったりしてますしね。
第二の壁、スペイン領内の異郷・バスク語
ぽぱー@3/20牧野由依💿UP!!!! @HoriuchiHr
@Latina_tan スペイン人宣教師Francisco de Xavierも「シャビエル」と読まれることがありますね。
ラテン語たん @Latina_tan
@HoriuchiHr あ、それは別の事情です。 バスク語という、現在ではスペイン領に一部含まれる地域の言語がありまして、その言語の正書法ではxaがシャなんです。
ラテン語たん @Latina_tan
そして次2つ目の問題がバスク語です。先ほどリプライをいただきました Xavier (日本語だとザビエルとして有名ですねー) は、スペインのナバラという地方の出身でして、スペインの版図ではありますがバスク語を話すバスク人でした。バスク語はスペイン語の事情とは関係なくxはシャ行です。
ラテン語たん @Latina_tan
バスク語でのお名前は Frantzisko Xavierkoa(フランツィスコ・シャビエルコア)。 「Xavier出身の」という意味合いでして、Xavierという地名は「Etxeberria(Etxe 家 berri 新しい)」という語形がもとで、「新しい家」ですよう。
ラテン語たん @Latina_tan
この姓は今も珍しくなく、フランス語風に(あ、バスク地方はフランス領にもまたがっていますので)、Etcheverry (エチュヴェリー) なんて書いたりする方もおられますー。
ラテン語たん @Latina_tan
この名前、当時はスペイン領でしたので、スペイン語圏で暮らすにはスペイン語の形もありまして、それが Francisco Javier でした。 外国人の名前とはいえ、X > J と自動的に変換してハビエルと呼んでいた。

バスク語は色々と謎の多い言語でしたのでさまざまな憶測の温床になっていました…

oɐɯoɐɯ🍫notphilippines @3maomao
@Latina_tan バスク語とフィン語って一説では関係あるって聞いたけどラテン語たんはどう思うの?バスク語の起源。
ラテン語たん @Latina_tan
@3maomao 無関係だと思いますよ。バスクもフィンも、周囲と言語系統的に隔絶されているからそういったトンデモ説のネタにされやすいだけだと私はおもいますー。

「ザビエル」も不思議な慣用表記ですよね。

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コメント

ラテン語たん @Latina_tan 2013年12月27日
まとめを作成しました。「何故Mexicoでメヒコなの?」
朝宮ひとみ @HitomiDaisybell 2013年12月27日
(・ω・)単純に[x]だとおもっていたらなんかすごいややこしい話ですね。音の変化面白いです。
ラテン語たん @Latina_tan 2013年12月28日
ありがとうございますー! 結果の後ろに潜むものは何よりも複雑で楽しいのです。
まりまど@marimado @marimandona262 2013年12月28日
おお、これまとめられていたのか。宣教師Xavier をザビエルと読むのはてっきり後の人が英語読みにしたのかと思っていたがラテン語たんさんの説にも納得。。
Mitchara @Mitchara 2015年3月19日
Mēxihcoのhを声門閉鎖音じゃなくて摩擦音で発音するのは周辺地域の発音ってことかしら?たしかに歴史的にはそっちのほうが古いという説が最近は有力。
R @r_hexar 2016年4月4日
ハビアンのハもXa表記なんだろうなぁ
ラウタ郎 @lautarogodoy 2016年5月19日
言語の変異はそのまんま歴史ですわな。
Simon_Sin @Simon_Sin 2016年12月31日
謎の孤立言語バスク語が「ザビエル」表記に関係していたとは知らなかった。悪魔でさえ習得が難しくバスク人は悪魔に誘惑されないのだとか。
itachi @itachinho 1月24日
ザビエルの発音の件、当時はシャビエルとかサビエルだったとして、文字に起こすとサヒエル、後生に教育としてどう読むかとなった時に英語読みが定着したんではないかと。 完全に素人考えだけども。
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