学術たん冬期講習まとめ

私が発案した#学術たん冬期講習のまとめです ※あくまでもTwitterの情報なので、私たちもミスの無いように努めますが、その内容による責任は取り切れないと思います。特に入試などに使うような大切な知識は、自分でも一度調べてみるなどして、再確認した見ることをおすすめします。
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

アルコールに非常に似ているようですが、フェノール類は ①水溶液が酸性 ②FeCl3(塩化鉄(Ⅲ))で呈色 といった点がアルコールと違います! ではまず、何故水溶液が酸性なのか見てみますね! #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:12:28
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ある物質が酸性だということは、その物質はH+を与える物質ですね!(ブレンステッドの定義) フェノール類では、ヒドロキシ基にあるH原子が、となりのO原子に電子を預けて、H+となって出て行ってしまいます! #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:17:56
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

では何で、アルコールは酸性を示さないのにフェノール類は酸性を示すのか 気になったことありません? (私は気になって仕方がありませんでした) #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:19:17
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

もともとO原子は電気陰性度(簡単に言うと、結合に使ってる電子を引きつける強さ)が大きいため、H原子はO原子に電子を預けやすいですが、アルコールの状態だと、まだ電子を預けるには心もとないといった具合ですかね…… #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:22:52
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

しかし、フェノール類は後ろにベンゼン環が控えています! ベンゼン環は、環の中にある二重結合たちを上手く扱って、O原子と一緒にH原子から預かった電子の面倒を見てくれるんです! よってH+も電離しやすいんですね~ #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:25:56
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

(もっと細かく知りたい方は、共鳴構造について調べてみるといいと思います! フェノール類からH+が抜けた形のフェノキシドイオンは、この共鳴構造を取ることができるため、比較的安定しているのです!)

2014-01-17 19:28:10
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

じゃあ……次にFeCl3との反応を見てみますね! 教科書的には、フェノール類は塩化鉄(Ⅲ)と反応して、青から青紫色に変色します! これももちろん理由がありますよ! #学術たん冬期講習 #タグ付け忘れ

2014-01-17 19:41:27
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

実はあの反応って、錯体(錯イオン)を形成しているんですよ! その錯イオンが色を持っているため、塩化鉄(Ⅲ)を入れると呈色するわけです! #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:44:29
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

その際の化学反応式はこちら! 6(C6H5)OH+FeCl3→3H(+)+[Fe(OC6H5)6](3-)+3HCl この反応式で、フェノールからH+が遊離しているのがわかりますか? #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:49:42
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

フェノールの方が、アルコールよりもH+を遊離しやすいので、フェノールだけこの反応を起こせるんですね! ただし! ピクリン酸は例外的に呈色しないことも知られています! この子はどちらかというとフェノール類というより、ニトロ化合物よりなのですね #学術たん冬期講習

2014-01-17 19:52:22
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

えっと、せっかくなので薬学に絡めてみました! FeCl3と反応する医薬品を集めてみました! (一部はフェノール類ではないですが) #学術たん冬期講習 http://t.co/6FwqHUlnVO

2014-01-17 20:05:33
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

では次行きます! フェノール類は、アルコールと同じ性質も持っています ①Naと反応して水素を発生する ②カルボン酸と反応してエステル化をする ①からみましょうか…… #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:11:24
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

アルコール(R-OH)はNaと反応して、ナトリウムアルコキシド(R-ONa)を生成します! 実はこの反応は、カリウムでも起こすことができます! そして実は生成するR-ONa(正確にはR-O(-1)のイオン)はNaOH並の強塩基なんですよ! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:18:03
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

金属Naとの反応は、アルコールやフェノール類には起こりますが、エーテルには起こらない反応なので、それらの区別に持って来いですよね! (もっと言うと、カルボン酸もNaと反応しそうですよね……) #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:23:07
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

そして……えーと……エステル化ですね! こちらはアルコールやフェノール類がカルボン酸と脱水縮合反応することですよね! その際の触媒はH2SO4でした! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:26:19
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

化学反応式はこんな感じですね! R’-OH+R-COOH→R-COO-R'+H2O そしてこの真ん中の-COO-の部分をエステル結合と呼びました! この反応は大丈夫かな? #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:29:34
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

この反応は、可逆的(逆向きにも反応が進むこと)です! つまり、理論的にはエステル化と同時に R-COO-R'+H2O→R-COOH+R'-OH という反応も起こっているのです! こちらの反応は、加水分解と呼びます! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:35:09
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

しかし実際はエステル化している最中に、せっかく作ったエステルが分解されるなんてことはほとんどないです! その秘密の鍵は、触媒の濃硫酸が握っています! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:38:50
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

濃硫酸はエステル化において、”脱水”と、”吸湿”の役割を持っています! 脱水というのは、分子の中から水分子を取り出す作用で、吸湿というのは、辺りにいる水分子を吸収してしまうことなので、ちょっと違うんですね #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:42:36
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

先ほどのエステル化の化学反応式で、生成物として水が出来ていると思いますが、その出来立てホヤホヤの水を濃硫酸が吸収してしまうのです! すると、逆向きの反応(加水分解)に必要な水がなくなってしまうので、加水分解が起こりにくいのです! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:45:13
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このお話は、化学Ⅱまでやった方なら、ルシャトリエの法則を想像してもらえればわかりやすいかなと思います! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:47:25
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

さて……今度はフェノール類の中でも、フェノールに注目してみましょう! 頻出の反応は、おそらく臭素水との反応でしょう! #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:49:06
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

フェノールには実は特異的な性質がありまして…… o‑,p‑配向性と呼ばれるものなのですが、フェノールを始め、アニリンや、クロロベンゼンでもみられる性質です 簡単に言うと、置換基を基準にo‑位やp‑位に電子が集中しやすいという性質です #学術たん冬期講習

2014-01-17 20:54:50
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

フェノールは臭素と反応して、2,4,6-トリブロモフェノールになりますが、何で臭素がo-位とp-位にしか置換しないのかと言うと、このo‑,p‑配向性が原因となっています! こちらも詳しく知りたい方は共鳴構造で調べてみましょう! #学術たん冬期講習

2014-01-17 21:00:41
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

2,4,6-トリブロモフェノールは水に溶けず、白色沈殿として生成します! また、ピクリン酸は爆発性を持ち、黄色沈殿として生成します! #学術たん冬期講習

2014-01-17 21:10:45
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