丹生谷貴志ツイートまとめ(2014年1月)

丹生谷貴志氏の2014年1月分のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

ついた民宿のある場所は観光地どころか、遊興の感じも殆どないところで、海水浴ではなくてむしろ釣りの、それもちょっと隠れ狙いの人が休むような感じの集落の感じがし、後ろは直ぐ山道、前は遊泳にも日光浴にも使えそうも無い半磯だった。日光浴に使えないのはそこが東向きなので、はっきりしている。

2014-01-21 11:25:27
nibuya @cbfn

東向きの上に後ろが一挙に高みへ競り上がって行くような山林なんで、昼も過ぎると山の陰になって日光が射さないのだ。民宿はほんとに民宿で、僕はそこで初めて五右衛門風呂?の仕組みを知った。下から火を焚いたら足が暑くて底はどうしてるのかと思っていたのだが、木の落とし蓋みたいなのが浮いている

2014-01-21 11:29:03
nibuya @cbfn

その落とし蓋の上に足を置いてそれを沈めるようにして湯に入るとその板が底に当って底敷になる仕組みだった。風呂場は半分外に近く真っ暗だった記憶がある。それはともかく、着いて一応せっかく来たのだから海に入ってのだが、砂は吹き寄せ程度であとは磯、すぐに深くなるし島なのに海水は澄んでいない

2014-01-21 11:32:25
nibuya @cbfn

大体が目の前にすぐ小さな漁船が浮いている。それが播き餌でもしているようで寄って行くと体中が刺される様に痛い。何故かと思って回りの水面を見ると餌に呼ばれたのか周囲はぎっしりと小さなクラゲが浮いて体を取り巻いている。その触手が刺すらしい。まさかカツオの烏帽子ではなかったがゾッとした。

2014-01-21 11:36:24
nibuya @cbfn

カツオの烏帽子なんて名がすぐ浮かんだのは当時鎌倉の海岸に「電機クラゲ」という俗称でカツオの烏帽子が頻出して海水浴客が刺され結構な事故になっていたからで、「電気クラゲ」は流行語?になっていた。ともかくクラゲだらけで、刺されるし播き餌で水はどんどんと汚く濁ってゆくので泳ぐ気もしない。

2014-01-21 11:41:33
nibuya @cbfn

海岸に戻っても狭い磯浜、すでに昼過ぎで陽も全く刺さず、僕は無論、コウちゃんもろくな装備を持って来てないので不愉快なだけだった。大体が僕はその前日も含めて三十時間以上一睡もしていないし、二日近く食べず、喉が渇くという自覚が希薄なたちで、水飲みじゃないのでたぶん脱水に近かったと思う。

2014-01-21 11:48:39
nibuya @cbfn

・・・驚いたことに民宿は食事も出してくれないほんとに投宿宿だった。近所に食堂があると言われたので出ると、食堂じゃなくて島民の家の土間の前に手書きでお食事所と書いてあるだけ、コウちゃんが習慣的に「ラーメン」と注文したのが失敗で、店の人?は準備に二時間かかると言った。用意がないのだ。

2014-01-21 11:52:57
nibuya @cbfn

そういう時の僕の即断の自棄で「じゃ要らない。三日食わないでも死にやしない」と、コウちゃんを置いて出てしまった。気が弱いくせに軽く凶暴に即断で行動する悪い癖があるわけで。出たいいが他に行く場所も無い。観光とは無関係の集落に過ぎないから何の施設もないしコウちゃんは観光地図も持ってない

2014-01-21 11:57:57
nibuya @cbfn

漸く本題。基本気弱で穏やかな!僕ですが不愉快で、相手が幼馴染だから怒りを隠せずいよいよ自棄な性格が出て来て、僕は集落の裏道の上り坂の真っ暗ななかを登り出した。出来っこ無いのに山を超えてやろうと思ったのだと思う。自棄になると手がつけられないのを知っているコウちゃんは黙って着いて来た

2014-01-21 12:04:31
nibuya @cbfn

真っ暗な小道を歩いて行くと驚いたことに不意に舗装された山間道路に出た。翌朝分かったのだがそれは島の山を回って火山口のクレーターにを巡る自動車道路だった。その時間は車の影も無く真っ暗な中に点々と道路街頭をともしてその下だけ明るく片側は崖でガードレールが上に向けて白く繋がっている。

2014-01-21 12:10:19
nibuya @cbfn

一応都会ッ子?なので自動車道と街頭を見て「村を抜けた」気分になって少し落ち着きコウちゃんも追いついて並んで歩き出した。さすがにその道を山上まで行くのは無理だと分かり始めて、多少穏やかな気分になって「さすが疲れたねえ。愉しまなきゃ損だから明日はここを登ろう」と誘った、その時だった

2014-01-21 12:16:03
nibuya @cbfn

といって、大事件が突発したのではなくて、道路沿いに上の闇に消えて行くガードレールに五十センチ間隔くらいで白い布の袋が転々と、ずらっと結びつけられぶら下がっている。ほんとにちょうど遺骨を包んだ布にそっくりで、しかし最初は何かの土嚢みたいなもんだろうと思ったのだった。

2014-01-21 12:19:15
nibuya @cbfn

変なもんだなと思ってよく見ていると風で揺れていると思っていたのがそれぞれが不規則にもにゃもにゃ蠢いている。妙だと思ってさらによく見るとその白い布の間から赤ん坊の手が出ていてそれが開いたり握ったりして、布も赤ん坊の形で蠢いているのが「分かった」。といってしかしその時は驚かなかった。

2014-01-21 12:23:09
nibuya @cbfn

すぐに思ったのは、そこで赤ん坊が寝ているという、そのまんまのこと、「ああ、夏の夜は暑いし夜泣きが嫌だからこの島では赤ん坊を夜になるとこんあ白いハンモックに入れてガードレールに吊るしておくんだ」と僕はしごく普通に?理解し、その通りのことをコウちゃんに言った。「面白いねえ、慣習って」

2014-01-21 12:26:02
nibuya @cbfn

そう言ってコウちゃんを促すと変な顔をしている。僕が何を言っているのか分からない顔で、僕も振り向くとさっきまで確かに見えていた白い布の列がまったくないのだ。ただガードレールがあるだけで、布と見間違えるようなものの気配もない。ああ幻覚か・・・と思い、それにしてはしかし鮮明だったのだ。

2014-01-21 12:28:59
nibuya @cbfn

並んでぶら下がっている夥しい白い布の中から突き出して開いたり握ったりしていた赤ん坊の手のその細部まではっきり見えたのだ。・・とお話はおしまい。僕は最後までその島が何島か分からず今でも確認していない。当時新島が「ナンパの島」とかで「若者」の歓楽地とか言われていたから新島かもしれない

2014-01-21 12:34:18
nibuya @cbfn

・・・因に船旅はこの時を含めて二回しかしたことが無い。もう一回は東京からロシアに向かう船で、真冬で北陸沿岸を北上して津軽海峡を渡った。バイカル号。バイカル号はその後船上で日本人女子大生が殺されて海に投げ込まれるという事件が起き、廃船になった。殺人以前に、老朽化のせいだろう。

2014-01-21 21:03:20
nibuya @cbfn

因にこのときも一睡も出来ず、真冬の吹雪もよいの甲板で津軽海峡と北海道を見て渡った。北海道には未だ行ったことが無い。

2014-01-21 21:09:27
nibuya @cbfn

クローデルの台詞・・・「大陸は陸が海の中にあることを知らない。スペインは海辺なのに此岸と彼岸の陸ばかり見て海を見つめない。イギリスだけが全海洋を帝国とし、全ての陸地が海の中の島に過ぎないことを知っているのだ!」といったような・・・。

2014-01-21 21:12:32
nibuya @cbfn

翻訳二種と原文を対照して読んだこともあって『繻子の靴』をやたら時間かけて漸く読了。最後までセテペが可愛い(肉屋さんの女の子を死なしたのは可哀想)。セテペSept-Epéesと綴る。七本の剣の姫。前も書きましたが石川淳さんは意外にクローデルの「影響」を受けている。生前会ってるはず

2014-01-22 10:37:43
nibuya @cbfn

誰もが言うだろうようにセテペは姉カミーユ・クローデルの少女時代のファナティズムを活発な少女にさせたイメージだろう。周知のように『繻子の靴』を書き次いで東京で完成させたときカミーユは57歳、すでに精神病院で暮らしている。どちらにしろセテペの容貌のイメージは少女時代のカミーユに重なる

2014-01-22 10:55:48
nibuya @cbfn

筒井康隆氏は『繻子の靴』をハチャメチャドタバタ劇に翻案して上演したいと、まあ思いつきで書いているらしいが、それは不可能ではないにしても日本語では結局「戦闘美少女RPG」の舞台版みたいなものになると想像出来てしまう。戯曲は好きだけど舞台は苦手なので、どっちにしろ見たくはないけれど。

2014-01-22 11:04:59
nibuya @cbfn

「近代とは何か?」全てはここにかかっているわけだ。もっとも、語源において・・・モダーン、モデルヌ、「モード=流れ去り=変転=点滅」だけからなる世界。「モード! おお、死よ! 死よ!」−−レオパルディ・・・

2014-01-23 00:53:48
nibuya @cbfn

東海晃久からヴァーギノフ『山羊の歌』の翻訳届く。無論未だ読んじゃいませんが、ありがとうね。

2014-01-23 10:08:57
nibuya @cbfn

大江さんの最大の「異化性」はその天性的文体にあるだろう。しかし異化理論を「小説の方法」として表に打ち出し始めた時大江さんはそれを「物語結構の問題」として捉え、その結果文体はその結構を明示するためにソリッドになり、大江さんの天才を成す文体位相の異化性は消えて行った。奇妙な自己錯誤?

2014-01-24 10:07:11
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