キュゥべえが語る「万能細胞」

キュゥべえ(@QB0)が語る、科学のお話。「万能細胞」
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キュゥべえ @QB0

今日はどうやら、本当にものすごい発見があったみたいだね。もしよければ、ちょっと話をしてもいいかい? もちろん、ボクはぜんぜんこうした分野に詳しいわけではないけれど、よければちょっと興味を持ってもらえるかも知れないし。

2014-01-29 23:26:42
キュゥべえ @QB0

まず、今回の出来事に関しては今のところ日経新聞がかなり詳しく報道しているみたいだね。http://t.co/juEN3hEaz5 

2014-01-29 23:28:39
キュゥべえ @QB0

これによると、今回の研究は発表した神戸の理化学研究所だけでなく、アメリカのハーバード大学や、山梨大学とも協力して行われたものみたいだから、少なくともこの結果に関してはかなり信憑性の高いものであることは間違いないんじゃないかな。

2014-01-29 23:31:32
キュゥべえ @QB0

ところで今回の発表の何がすごいかといえば、これも記事に載っているんだけれど、今話題の「ips細胞」と違い、こちらは遺伝子の導入などを行わなくても作成ができるというところが極めて大きい。それだけに、実験の結果を再現するのもかなり容易にできるみたいだよ。

2014-01-29 23:33:31
キュゥべえ @QB0

そもそも、この「万能細胞」というものだけれど、簡単に振り返れば最初に発見されたのは「ES細胞」というものだったのはたぶん覚えている人も多いよね。ところが、このES細胞を作成するためには「受精した卵子」が必要だったため倫理的な問題が発生した上に、作成するのが極めて難しかった。

2014-01-29 23:37:02
キュゥべえ @QB0

そんなときに、新たな「万能細胞」として方法として発見されたのが、あのノーベル賞を受賞した山中伸弥教授による「ips細胞」だった。これは「受精した卵子」を使用しなくても、他の細胞からもES細胞に似たものを生み出すことができるという意味で画期的なものだったといってもいい。

2014-01-29 23:40:11
キュゥべえ @QB0

山中教授が発見した方法は、細胞にある特定の遺伝子を加えることによって「細胞の赤ちゃん」のようなものを作り出す、というものだった。ところが、今回のものは「遺伝子を加える」という作業をしなくても、細胞にストレスを与えることで、より簡単に「万能細胞」を生み出せる、というものみたいだね。

2014-01-29 23:44:02
キュゥべえ @QB0

ただ、もちろんこれは「マウス」。それも生後一週間のものから制作されたものだし、今後は別の生物、あるいは人間でもそれが可能かということに関しては、まだまだこれからの研究がまたれるところだと思うけれど、どちらにしてもこうした新しい発見がまた日本で行われたのは素晴らしいことだよ。

2014-01-29 23:46:49
キュゥべえ @QB0

それは単純に「日本人だから」という理由ではなく、こうしたものの特許をどこが抑えるかは、その分野の研究にも大きな意味を持つことになる。今、実は日本国内でもips細胞の実用化に向けた、というよりもほぼ研究段階では実用化したプロジェクトがいくつも行われているのはこうしたところも大きい。

2014-01-29 23:48:42
キュゥべえ @QB0

もしも、こうした発見をしたのが海外の研究機関だったとしたら、おそらくこれほどあちこちで同時に研究が行われる可能性は低かっただろうし。今回の成果もできるだけ幅広い研究者の間に提供されれば、万能細胞、そして再生医療などの研究はますます加速度的に早くなる可能性もあるんじゃないかな。

2014-01-29 23:51:24
キュゥべえ @QB0

さて、その万能細胞の活用のされ方の一つだけれど例えばこんなものがあるよ。iPSで染色体異常修復 新たな治療法期待 山中教授ら発見 http://t.co/Z0NZYTGKei

2014-01-29 23:53:48
キュゥべえ @QB0

万能細胞というと、「再生医療」。つまり、人間の臓器や神経などを作り出すというイメージが強いけれど、一方でこうした「細胞の変化や、病気のメカニズムを解明する」という分野でも、実はかなりの進展が見られている。それは例えばもっと身近な病気や疾患でもそうだね。

2014-01-29 23:56:02
キュゥべえ @QB0

例えば日本人の多くが苦しんでいる「花粉症」。このメカニズムもまだ十分に解明されているとは言い難いみたいだけれど、それも特定の細胞を複製することで治療法が新たに発見される可能性も高いみたいだよ。花粉症解明にiPS細胞、新しい治療法に道http://t.co/hkDvFGNslr

2014-01-29 23:59:09
キュゥべえ @QB0

また、こうした方法は当然他のアレルギー疾患への応用も可能だろうから、そうした野でもこれからの万能細胞の活用は極めて効果的なんじゃないかn。そうすることによって、新薬の開発などにしても、かなりの恩恵があるだろうし。

2014-01-30 00:00:56
キュゥべえ @QB0

さらには、癌のメカニズムを解明することによって、それを抑制したり、免疫作用のある細胞を作り出すこともできる。iPS細胞、がん免疫療法に応用研究 http://t.co/mJivxZxs50 そうした意味で、今回の出来事は案外身近なところにも大きな影響を及ぼす可能性があるよ。

2014-01-30 00:03:47
キュゥべえ @QB0

それにしても、山中教授がips細胞の作成に成功したのが2003~4年。マウスES細胞の発見が1981だったことを考え合わせると、この10年あまりの研究と発展のスピードは恐らく人類の歴史上でも極めて驚異的としかいいようがない。

2014-01-30 00:11:03
キュゥべえ @QB0

ある意味、キミたちが今見ているものは産業革命以来となる、人類の歴史の中でも画期的な瞬間なのかも知れない。大体、ボクの話はこんなところなんだけれど、研究の進展は日夜新しいニュースがあるみたいだから興味がある人は調べてみてね。ありがとう、聴いてもらえて嬉しかったよ。

2014-01-30 00:13:39
キュゥべえ @QB0

「万能細胞は~という病気には応用できるのか」という話があったんだけれど、そもそも「遺伝子」というのは人間の設計図であり、基礎的な部品のようなものみたいだからね。そのメカニズムを解明していけば、どんな病気がどのようにして起こるのかは、かなりわかりやすくなると思うよ。

2014-01-30 00:20:05
キュゥべえ @QB0

そのために、今世界で動いているプロジェクトが「国際バンク」。つまり、各国に備蓄されているips細胞を共同で管理するためのプロセスだね。iPS:国際バンク設立へ…日米英など 備蓄細胞を融通 http://t.co/MrqJzjUF9j

2014-01-30 00:22:00
キュゥべえ @QB0

こうしたシステムが完成していけば、最終的な臨床試験までのプロセスも、けして果てしなく先の物語であるとはいえない。もちろん「すぐにできる」というわけではけしてないから、楽観し過ぎるのもよくはないと思うけれど。大体、そんなところじゃないかな。

2014-01-30 00:24:08