手続き記憶と反復強迫,あるいは,記憶研究と精神分析

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decostatw @decostatw

ギャバード様の「精神力動的精神療法」はほんともっと読まれるべきだと思うんだけど,そんなかで「この方法は,けっこう手続き記憶扱ってるんやで。防衛機制とかな」みたいなこと書いてて,vocalとverbal,もしくはcontentとprocess問題一撃で説明してる感ある。

2014-02-21 13:02:34
decostatw @decostatw

手続き記憶やで,は,転移関係もそっから理解できそうなのがすごい。関係の持ち方は完全に非宣言的やもんな。それを扱うために,その場で再演するっていう,こりゃすごい。

2014-02-21 13:07:17
decostatw @decostatw

転移関係の泥沼にハマってこそ得られるサムシングがあるってのはHedgesの事例集で学んだけど(active/passive replicationとか),それにしても,良い説明だと思うな。

2014-02-21 13:12:29
白象 @elephantcalli

そうだと思います。ただ記憶の再演は、生きられるものになるので、記憶とは呼ばないだけで。 “@decostatw: 手続き記憶やで,は,転移関係もそっから理解できそうなのがすごい。関係の持ち方は完全に非宣言的やもんな。それを扱うために,その場で再演するっていう,こりゃすごい。”

2014-02-21 13:15:16
decostatw @decostatw

貯蔵されたものではなく,表れたものだから,「記憶」と呼ぶにはあまりに動的な感じがしますね。結果として,貯蔵されたものに変容は生じるかもしれませんが。 RT @elephantcalli: そうだと思います。ただ記憶の再演は、生きられるものになるので、記憶とは呼ばないだけで。

2014-02-21 13:18:32
子鬼 @tak_konn

想起と反復ですか。

2014-02-21 13:26:42
白象 @elephantcalli

@decostatw ええ、再生recallという言葉が示すような、それそのものが元のまま現れるのではなく、相手を変え、手段を変え、それでも変わらないものが繰り返されてもいる動的dynamicなものは、記憶と呼びにくいだろうな、と。初期フロイトはそれこそ想起として扱うわけですが。

2014-02-21 14:37:13
白象 @elephantcalli

まあ、手続き的記憶ということで言えば、愛着理論における内的作業モデルも意味記憶から手続き的記憶までを含む原初の痕跡を有するもので、でもこの作業workingというところに動的な含みがあったりすると思うのですよね。

2014-02-21 14:42:23
decostatw @decostatw

@elephantcalli それが反復強迫と呼ばれるもの,ということなんですかね。小さな行動単位という部分だけでなくて,一つのシナリオやモチーフのような全体が繰り返される様子を見るに,それこそ「記憶」のようなシンプルな言葉では,表現するのが難しい(非宣言的である)とは感じますね

2014-02-21 14:52:50
白象 @elephantcalli

@decostatw おおまかに言えばそうだと思っているのです。ただ全くそう置き換えられるのかというとどうだろうと、どこをどう連結させ、どこをどう違うものとして考えたらよいか、記憶研究に明るくないため不明瞭なのですが、おおよそ手続き記憶の再生を反復と呼ぶのだとは思います。

2014-02-21 14:59:22
白象 @elephantcalli

@decostatw 反復強迫という言葉を使っておられますが、その強迫の部分、なぜそれが反復されるのか、なぜこの手続き記憶の再生がこうまで起きるのか、というところにもう1つ別のメカニズムを見て、それを含めるところが、転移という現象と記憶という観点の違いであるかも知れません。

2014-02-21 15:02:29
decostatw @decostatw

@elephantcalli 私も詳細なマッチングをしてはおりませんので,おおよそで申し上げています。元来複雑な転移関係を単純なモデルで説明することは容易でなかろうと思う一方で,そうした試みに胸は踊ります。

2014-02-21 15:09:06
decostatw @decostatw

@elephantcalli なるほど!確かに,なぜ反復されるのかを,ある種発生的に了解しようとするならば,もう一つの概念的な装置が必要かもしれないですね。その発想はまだ持っていませんでした。

2014-02-21 15:11:18
白象 @elephantcalli

@decostatw このあたりの議論は愛着理論と精神分析的心理療法の領域でのほうが行われている印象で、精神分析プロパーの人は手続き的記憶って何みたいなところにいる可能性もありまして、交流は容易ではないですよね。

2014-02-21 15:13:21
decostatw @decostatw

@elephantcalli インテンシブな精神分析プロパーの方々にとっては,そうした説明はどうということのないものなのかなと思ったりもします。精神分析的な言語体系の中で説明できるものを,わざわざ翻訳する必要を感じなくても無理はないでしょうし,別の道を歩んでる感じ,あるかなと。

2014-02-21 15:17:55
白象 @elephantcalli

@decostatw おおざっぱにいえば一連の行為や思考、情緒を含む手続き的記憶は、そこに未完の要素があり、その完遂を求めて始まりのところが呼び出される、にも関わらず後には貯蔵されたいつもの手続きが続いてしまう、フロイトはその要素に願望を見た、のだと思うのです。が、どうなのかな。

2014-02-21 15:20:25
白象 @elephantcalli

@decostatw そう言ってしまえばそうなのですが、私はもう一歩踏み込んで、なぜ心理学用語で説明するのではダメなのか、そこに何を見、何を感じ、何を記述しようとしているから独自の言葉が必要なのか、というところに関心があります。あまりその辺を共感してくれる人は少ないのですが。

2014-02-21 15:24:05
decostatw @decostatw

@elephantcalli 「願望」の部分はまだもう少し考えてみたいところではありますが,しかし話としてはとてもよく理解できます!

2014-02-21 15:25:24
decostatw @decostatw

@elephantcalli なぜそれではダメなのか,というアプローチはとても面白いですね。それでは説明されない残余に,本質的な何かがあるのかもしれない,というような。

2014-02-21 15:28:43
白象 @elephantcalli

@decostatw ええ、そうなのではないか、と。精神分析的な臨床家は自らを対象として他者に差し出しながらその関係について関係の内側で考えるからかな、それで他者の問題を外から見るのとは違う、情緒的な言葉を必要とするのかなと思ったりするのですが。

2014-02-21 15:38:58